迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ゐながらにして旅路のこゑ。

2020-10-13 17:29:00 | 浮世見聞記


公園で、ニ胡の音色に出逢ふ。

演奏はやや荒削りに聞こゆれど、哀調を帯びたその音(こゑ)は嫌いでない。


私は謠曲「蟬丸」の逆髪よろしく、密かに立ち寄り聞きいたり。


この音色の故郷(くに)へ、いつかは旅行したいものだな……。


政治は政治、

文化は文化。


その心に國境(へだて)はなし。



いまは旅に出る時節(とき)にあらず。


「待てば海路の日和あり」。




私はまう少し、音色の旅路に浸ってゐたかった。

蚊さへしつこく纏はりつひて来なければ……!







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