迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

遠くて遠き場所へ。

2019-11-12 10:57:00 | 浮世見聞記


驛で見る旅行の案内には、いつでも旅への思ひに心惹かるる。


京都。

もみじ。


これぞ旅情の定番。



いいな、行きたいもんだな………。


が。

ほんまに行ってみなはれ。


もはや「公害」と化した異人たち──といふより「外来種」に踏み散らされた俗街を、目の当たりにするハメとなるで。


『一見さんお断り』


その傳統文化の意味をいまさら悟ったところで、時すでに遅し。


しかし現地のタクシー運転手は言ふ。

「ガイジンさんが、いちばんの御贔屓サンどす」



幕末の昔、かの王城の地で攘夷を叫んだ“志士”たちの、

「ほら、言はんこっちゃない!」

と云ふ聲が聞こえてくるやうだ。




謡曲「春日龍神」は云ふ。

“なにも遠くへ行かなくても、當地にだって學ぶ(見る)べきものはたくさんある”──


たしかに。



旅と云ふやつは、

なにも距離ばかりではないやうだ。



だうせ遠くへ出かけるならば、

余計なモノが無いところを選びまっさ。


いくつも知ってゐるによってな。


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