迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

癒やしの櫻吹雪。

2022-02-21 22:01:00 | 浮世見聞記
昼までは予報ほどの強風もなく、陽差しの温もりと今が見頃の梅の花を樂しむ余裕を得る。



「今日も北風が冷たく感じる一日でせう」は、まう聞き飽いた。




さうした平和(のどか)な國の北方に橫たはる大陸では、二つの國が睨み合ひの最中にあり、



火藥の臭ひ以上に政治的な思惑(駆け引き)がプンプン臭ひ、不快なことこの上なし。



攻撃された郊外の町と思しき場所で、報道屋の問ひに應じる地元住民の頭上では、鳥たちが常のままに囀ってゐる。

ニンゲンのやることなど我関せず──さう云ってゐるかのやうな鳥たちの聲に、廣い陸地におけるニンゲンの矮小さを聞く。




歌手として成功したのちに俳優業にも進出した西郷輝彦が今月二十日、前立腺がんのため七十五歳で死去したと知る。


“御三家”と持て囃された歌手時代は知らず、時代劇によく出演し好演してゐたので、子ども時分にはてっきり時代劇俳優だと思ってゐた。

それくらゐ、時代劇の演技や殺陣(タテ)が上手かった。

人災疫病禍元年となった令和二年、とにかく“不要不急”のほかに感染予防策が解らなかった春から初夏にかけて、民放で昼過ぎに再放送されてゐた時代劇「江戸を斬る」を部屋で觀ることが、朝の韓流時代劇と並んでこの頃の樂しみだった。

主演の遠山金四郎に扮した西郷輝彦の江戸っ子奉行らしい活きの良さ、そして本領發揮の主題歌の良さ──

久しく忘れてゐたTVドラマを觀るといふ樂しさを、思ひ出させてくれる名演だった。




合掌





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