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東京都大田區南馬込にて、江戸時代中期の文政七年(1824)年に當時の馬込村を中心とした富士山信仰團体“富士講”の人々が、池上と品川を結ぶ道の道標も兼ねて建立したと云ふ常夜灯を見る。
火以外に灯りの無かった江戸時代、本當に真っ暗闇となる夜道において、常夜灯の灯りはさぞ心強いものであったらうことは、旧街道探訪を經験してよく知ってゐるつもりだ。
現代とて、淋しい夜道で向こふに街灯りが見えると、
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なにか救はれたやうな氣持ちになったりする。
まだまだ若造だった時分、夜の堤道を自転車で走りながら、先の見えない人生(みち)を自分はいつまで進んで行くのだらう、と本氣で思ったことがある。
しかし、今は少なくとも夜は明けてゐる。
いつの間にか、夜は明けてゐた。
それでも私は、月明かりが好きである。
常夜灯の灯りにも、私は旅の足を休めるだらう。