葉月最後の一日は、ずっと気になってゐた川崎大師平間寺へ、夏祓ひの心で参詣す。實際に訪れることの叶った日が、すなはち御縁なり。折しも本堂では護摩祈祷の最中にて、諷経(ふぎん)、太鼓、鈴、そして軒下に吊された風鈴が、ひとつの聲となって私の心を招き寄せる。合掌のあとで引ひたお神籤に、私はいよいよ、明日への心が定まれり。 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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