迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

梅は飛び櫻は枯るる世の中に松をも凌げ杉の玉風。

2019-07-19 22:49:15 | 浮世見聞記
手頃な価格で歌舞伎らしいものを観たくて、国立劇場の「歌舞伎鑑賞教室」へ出かける。誰が先鞭をつけてしまったものやら、異物の闖入が常態化した木挽町界隈の歌舞伎(しばゐ)を思ふと、「車引」に「棒しばり」といふ典型的な歌舞伎狂言が、かえって新鮮に映るところに、古劇の面目躍如たるものがある。「棒しばり」は大正時代に初演された能狂言ネタの舞踊劇で、このとき次郎冠者と太郎冠者を演じたのが、二人の舞踊の名手であっ . . . 本文を読む
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