マンタマンタに告ぐ

映画・政治経済・日常生活などの観察日記。

●渋谷76 

2008-06-12 20:27:12 | Weblog
先輩たちが、人込みにもまれながら駆けつけている。

先輩「おい、何だ、あの伝言板は…」

巡査C「宏ばっかりじゃないか。俺たちには、お礼はなしかよ」

先輩「宏、お前はクビだー」
    ○    ○

大勢の人たちが、一心不乱になって踊っている。汗だくだ。誰も、止めようとはしない。誰にも止められない。

 中止してチョッとトイレ休憩や、水でも飲みに行けば、この場所を奪われてしまう。それは許されない。

体力の続く限り、倒れるまで踊り続けよう。皆、そのような考えを抱いているようだ。

 宏の先輩たちが、群衆に紛れてモニターを見ていた。
    ○    ○

 手と手を取り合って、チークダンスを踊る宏と博恵。

 宏は、さりげなく博恵の耳元でつぶやいた。

宏「博恵。ボーナスが入ったら、俺、警察官辞めるわ…」

博恵「ううん。宏、警察官を辞めないで…」

宏「はっ?」

 あれほど、警察官の仕事を嫌っていたじゃないか。

危険な職業の男性とは、結婚したくなかったじゃないのか。

その言葉を信じて、自分は退職を考えたのだぞ。

博恵「派出所だって、立派な仕事じゃない…」

沈黙する宏。博恵の考えていることが、良く分からない。

急に態度を変えている。返す言葉が、見つからない。

我がままで、気まぐれな博恵の気持ちに、振り回されている宏であった。

モニタービルA

 モニターに映る、ワイルド・ジャックのプロモーションビデオが流れる。

曲名、「俺たちの街」を歌い踊り始める。

踊っている5人。まだ前奏だ。

ヒロシが、舞台の前面に出てくる。

ミュージックQが始まる。

交差点

 5万人以上の老若男女が、踊りを一時止めてモニターを眺めている。ヒロシの発言に、注目をしている。
    ○    ○

 人込みをかき分けて、交差点内に入る先輩と巡査たち。彼らもまた、モニタービルAを見る。
    ○    ○

 宏と博恵も、モニター画面に釘付けになる。

 ピエール・道代・マスターも見ている。