地球のホコリとなりて!

地球をうろつきその感じを点描する。歩きながら考えたことを。

絵本再考 "木を植えた男” 

2005-04-01 | つぶやき
 今、中年に、絵本ブームがある?
幼き時に、母に読んでもらった、祖父の話を聞いた思い出が懐かしい。
読書会の課題 ”木を植えた男”(ジャン・ジオノ原作 フレデリック・バック絵 寺岡襄訳)
を読んだ。というより見た、感じた。原作者の体験をもとに書かれている。

人間にとって有益なことを、何年も無償の行為を続ける。信念と努力の物語である。
世のため、人のためといいながら、やはり報われる自分を考える。
我を反省する今日。

最初にこう書いている。
『人びとのことを広く思いやる、すぐれた人格者の行いは、
 長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの。
 名誉も報酬ももとめない。まことにおくゆかしいその行いは、
   いつか必ず、見るもたしかなあかしを、地上にしるし、
    のちの世の人びとにあまねく恵みをほどこすもの。』と。

 話は、1913年
フランスのプロヴァンス地方 荒野の旅。。。。。
海抜1300m 何処まで行っても野生のラベンダーばかり。3日で廃墟の村に。
水を探すべく、さらにあるき続ける。
はるかかなたに黒い影。羊飼いの男と会う。石つくりの家に住んでいた。
部屋はさっぱりとして、ちり一つない、身なりも・・・・・・
近い村でも1日半かかる。村人は、きこりと炭焼きで暮らす。人々はいがみあい・・・・・

羊飼いは、どんぐりを植えこんでいった。
3年前から、10万個の種を植え、その2万個が芽を出した。
そのうち1万本のカシワが根づく。
・・55歳 ・・・。家族を失い、孤独の世界にこもり、羊と犬が伴侶。
のんびりすごすより、ためになる仕事と。
不毛の地に生命の種を植える・・・・

 次の年、第1次大戦。。。作者は5年戦場で。
足は、あの荒地に向っていた。
前の廃墟の村へ
彼は、生きていた。。。その間も 木を植え続けていた。
カシワが10歳になっていた。
林は、11km*3kmの広さにおよぶ。
戦争をする人間。また、この場所でこんな偉業を成し遂げる。
ブナの木も。。。。。。
カバの・・・・・・・
せせらぎにいきあたった。
水が湧き、牧場、菜園、花畑が生まれ、生きる喜びがよみがえった。
1人の男が作り上げた作品である。誰がそう想像できるか。
 
 1920年以来 1年とおかずブフイエ氏をたずねた。
大成功のかげに、逆境にうちかつ苦労が、絶望があった。
1万本のかえでが全滅、再びブナに変えた事・・・。
不屈の精神は、孤独の中で鍛えられた。

1933年 森林監視員が来て、もりが自然にできたと。語った。

 1935年政府の派遣団・・・・自然林の観察に来た。
この森を保護区に指定し、伐採を禁じた。
木々の美しさに人びとは心を魅了。
友人に森林管理の役人にこの行為を説明。
共に 彼に逢った。
すでに6,7メートルの高さの木々・・あの荒地が。
友が『彼は木のことを知り尽くしている。秘訣を見つけた』と。
友人のおかげで、森の安全とこの老人の幸せが保証された。

 1939年第二次世界大戦。その間も、
ただ黙々と木を植え続けた。
 
 1945年7月 彼は 87歳
甘い香りのそよ風・・・・
木々のさざめきき水の音、噴水もあった。
1本の菩提樹が立っている。
4年経つこの木、この地の再生の象徴だった。
夢と労働への意欲がみなぎっていた。
どの家も住んで見たい家ばかり。
青い麦の穂、牧草の緑が目に映る。
一つまた一つと村々が再興された。
生活を楽しむ1万人の人は、その幸せを、
ブフイエ氏に感謝せねばなるまい。

たった一人の男が、荒野を幸いの地によみがえらせた。
人間って、すばらしい!

 長々と、物語を書いてしまった。が、なかなか要約が難しい。
転記(写し)になってしまった。
が、感じることは、書けない。その通りなのだ。書かれたこと!
また、絵がすばらしく、文と一致し、文章をお互いを 盛り上げる。
『一枚の絵が 一万字にまさる』と言うが、本当か?
文だけでも、感動した。絵がそれを倍加させたのだ。

あきらめずやるということでなく、
成功するまでやる。
これは、”神の使い”かもしれない。
しかし、これこそ "人間”の叡智。



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