夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』第二章 義務と道徳 第五十四節[道徳的な協同体としての国家]

2022年06月09日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

§54

Der Staat fasst die Gesellschaft nicht nur unter rechtlichen Ver­hältnissen, sondern vermittelt als ein wahrhaft höheres morali­sches Gemeinwesen die Einigkeit in Sitten, Bildung und allge­meiner Denk- und Handlungsweise (indem Jeder in dem An­dern seine Allgemeinheit geistiger Weise anschaut und er­kennt) .(※1)

第五十四節[道徳的な協同体としての国家]

国家は、ただ法的な諸関係の下に社会を包摂するのみでなく、むしろ真に高い道徳的な協同体として、習俗や教養および普遍的な思考と行動の様式において、統一性をもたらすものである。(各個人は自分自身の精神的なあり方の普遍性を他者の中に直観し認識するからである。)

 

※1

国家は単に法的に包括されるだけのものではなく、それ以上に、一つの道徳、倫理、習俗(伝統)から生まれる共通した思考と行動の様式をもつ民族による協同体である。

 

 

 

 


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