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伴野朗 三国志「呉・三国志」

2005-06-15 21:47:50 | 三国志/小説(正史ベース)
呉・三国志~長江燃ゆ~(全十巻)/伴野朗 著/集英社/刊行中/ハードカバー版は各1800円(本体価格)、文庫版は680円~780円(込)
ハードカバー版は1冊に二巻収録(全5冊)、文庫版の表紙絵は正子公也氏

内容とコメント数々の歴史資料をもとに、呉に視点を置いて書かれた三国志。呉が関わった戦、内乱から滅亡までを描いています。
呉、曹軍、諸葛亮の各諜報組織が暗躍して時代を動かしたり、策謀の応酬が主ですが、武将たちの勇姿も見られます。
様々な武技を使う暗殺者たちの死闘が随所に盛り込まれ、適度な緊迫感を与えています。
また、邪馬台国など諸外国との関係や既存の人物に創作を加えるなど、歴史書の空隙を衝いた設定が大胆ながらもリアルです。
衝撃だったのは、諸葛亮がある人の死を画策した事です。その結末の皮肉さと言い、なんともやるせないです。

この武将がキラキラ♪
孫朗(そんろう)と諸葛均。孫朗は孫堅の庶子で、五男。この作品では諜報組織を任されて活躍する主役的存在。
諸葛均は、独特な剣の使い手で、兄・諸葛亮を守るかっこ良い役です。

この武将がキラリ!
曹棄(そうき)と趙雲。曹棄は早世した曹棘(そうきょく)が著者の設定で生かされ、成人した姿。父・曹操に棄てられ、再び取り立てられた諜報組織の非情な頭目、という設定が魅力。
趙雲は、思わぬところで登場します。神業的な槍術を使うという、すごく強くてかっこ良い描かれ方です。人への気遣いが出来る細やかさも好印象です。先生、これはちょっとかっこ良すぎます…

この女性がキラリ!
黄月英。ご存じ、諸葛亮の妻。この作品にも、個性的な武術、能力を持つ女性が多数登場し、技を披露する中、彼女は多芸に秀でているものの控えめに徹してます。(でも多分戦うと強い)
危機を脱した後のおっとりとしたマイペースぶりがまたこの人の凄いところです。