ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

自然美再生めざし

2020-05-26 07:22:07 | 石の仕事誌
 水のある現場にて。



ただ今、池を造成中。
というよりも、自ずから池が生まれる、というのが正確なところでしょうか。
護岸に使うべき自然石も、現場の各所に多数埋もれておりましたので。



一部には、先日お伝えした通り、常陸太田市からの石も据えておりますが(→こちら)。
ほとんどは、改修前には土留めに据えてありました、地元の石。
相当な数量でしたが、工事に先立ち、全部掘り起こしました。



何しろ石ですから、硬くて重い。
従いまして、運び出すよりも、その場で使う方が早くて安い。
その結果、現場の安心と楽しみは倍増します。



湧水を生かすべく、急すぎた起伏をなだらかにして、流れも嵩上げ。
半世紀前のブルドーザーの時代、ひたすら押しまくった後遺症を癒し、回遊可能な高低差に修正。
有難い湧水にアクセスして、皆様の楽しみが倍増することを願いつつ。



掘り起こしました土留の石は、二種類有り。
いずれも地元の、稲田御影の玉石と、砕石山の原石です。
特に後者は、上流部に滝組として、興味深い質感でした。



アルプス山脈的に硬い質感に加え、形もなかなか。
採掘前の表土に露出していたものらしく、今となっては貴重品と拝見しました。
地質的には、稲田石や筑波石よりも五倍古いとされる硬質砂岩。



自然の造形が面白く、なかなかの迫力。
滝は二か所から発し、流れを楽しみ、滝つぼ下で合流する構成。
ただただ、自然さんに逆らわずに据え続けました。



水を流さない時の滝の姿も想定し、不自然なベロだし工法を避けました。
滝石の下にも、天然の湧水はあり。
流れの有無にかかわらず、響くものが期待されるところですが。



庭というものは、絵の如き風景に分け入り、心身の奥底から体感することが大切。
その意味においても、一つの道行として、一歩一歩が心に沁みる風景であらねばなるまい。
などと独り言ちている最中にも、湧水は絶え間なく。



その源流まで園路巡らせ、楽しんで頂ければ幸い。
自然美礼賛の巨匠にちなむ流れが、令和の喜びとなりますように。
関係者一同、ワンチームで働かせて頂きます。



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