ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

庭と雨水と、小さき乙女と

2011-06-24 04:22:22 | 庭の仕事誌
 近頃では、雨の降り方が、少々荒々しくなっているように感じます。

 昔は、もっと、しとしと雨が多かったように思うのですが、いかがでしょう。
ここ数年、降ったり止んだりの変化がはっきりした降り方が、年中当たり前になったように感じます。

 しとしと雨が、いまでは懐かしい思い出になろうとしています。
そういう雨を、茨城では「じあめ(地雨と書くのでしょうか)」と呼ぶ人もいました。
農地を深く潤す雨として、良いお湿りとして歓迎する響きがあります。

 とにかく雨まで、デジタル化しているような今日この頃です。
余りにも人間がわがままなので、地球さんがご立腹だという説もあります。
 
 そうかもしれませんね。
確かにこれからは、謙虚に、かつ楽しい生き方を工夫することが一番と感じます。
お客様、ご近所様はもちろん、地球さんにも喜んで頂けるような。

 庭作りでも、激しい雨に対する準備が必要です。

 今日の写真は、庭の隅に設けた涸れ池です。
大雨の際には、庭の微妙な勾配に沿って、余分な水がひとまずこちらにたまります。
そして、それが、徐々に浸透していく。
小さな遊水地になっています。

 雨のときにだけ生まれる小さな池。
そういう仮の池を、にわたずみと呼ぶとか、何かの本で読んだことがあります。

 こちらのお庭は、周囲の塀の関係で排水に難儀していましたが、涸れ池の配置で改善できました。
徐々に浸透した水が庭木を潤してくれるので、水道代の節約や、世の中の節電対策にも、プチ貢献が実現。
とりあえず、めでたしめでたし。

 ところで、何十年に一度の大雨の際には、きっとこの池も溢れるでしょう。
多分、庭全体が10センチ程度浸水したところで、母屋の裏側に水が回り、路上に流出していくはず。

 何十年に一度のことですから、それはやむなし。
何十年に一度の事態でも、あらかじめ想定してあります。
あらかじめ想定しておくことが、とても大切な今日このごろです。
その意識が大難を小難に、そして無難にしていくのだと感じます。
油断は禁物、日々、謙虚に仕事をしたいと念じております。

 また、今日も話が長くなってしまいました。
お詫びに乙女のお話をします。
池の中央にただずんでいる乙女は、お施主さんのお友達の美術の先生からのプレゼントです。
とても素敵な像なので、お施主さんと盛り上がってしまい、お池の中に飾ることにしました。

 何か、台座があるといいなと探していたら、庭のはずれに、古いモルタルの灯篭を発見。
このモルタルの模造品は、さすがに今時ではお庭のお荷物になりがちですが、台座としては使えそうです。
笠をひっくり返して乙女の台座に・・・。

 ものにはついでというものがありますので、灯袋などの部材を組み合わせて、後方に洋風な建造物を構築。
何やら、イタリア半島が梅雨入りしたようなエリアが出現した中央に、テラコッタの乙女が鎮座。
「きっと宇宙人もびっくりしますね」と、はしゃぐMさんと私。

 乙女の脇に寄り添う石は、Mさんのシャレであります。
石と語らう乙女の心は、なんとやさしく広いのでしょう。

 こういうことをするのはいかがなものかと、眉をひそめられる方もいらっしゃるかもしれません。
一方で、おもろい、やれやれ、もっとやれ!と、ノリノリになる人もあるでしょう。
賛否両論あると思います。
それがまた、庭の面白さであり、世の中をゆるりとほぐす妙薬になるのかもしれない。

 毎日一人ひとりができることは限られています。
でも、工夫し、相談しながら動いていけば、面白い方法も生まれるでしょう。
身の回りに、いろいろな種があると思います。

 何はともあれ、あるもの生かして、お庭にも地球さんにも、もっともっと喜んで頂きたいものです。

 石と語る乙女とMさんのお庭から、青葉がお伝えいたしました。

 皆様、お忙しいところ、本日もご静聴ありがとうございます。
 

 
 


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