問わず語りの...

流れに任せて

時代劇新時代、到来

2023-09-25 07:55:50 | 時代劇

 

ネタバレ多し

 

 

 

昨夜放送の映画『仕掛人・藤枝梅安』良かった!

 

噛めば噛むほど味が出るスルメのように、観れば観るほど奥深さがわかって来る、そんな映画でしたね。

 

 

光と影の演出の見事さ。かつての「必殺シリーズ」では、光源のわからない強烈なライトを当てることで闇の中に人物を浮かび上がらせる演出だったわけですが、本作では日の光や行灯、蝋燭の灯など、光源がちゃんと示されたライティングに徹底されている。

 

最近のカメラは感度が良いですから、昼間ならば自然光だけで十分撮影できるし、夜のシーンでも蝋燭の灯に最低限の照明を少し加えるだけで、暗い中でもギリギリ表情が見えるくらいの映像を作り上げることが出来てる。

 

 

こういう撮り方、少なくとも時代劇ではほぼ初めてではないかな?リアリティがあってカッコいい。最新技術万歳だ!

 

 

時間経過を日差しの加減だけで見せていく。これも見事でしたね。早乙女太一演じる石川友五郎と、10数名の侍たちとの決闘シーン。朝靄の煙る早朝から始まって、終わるころには日が傾きかけている。この長い決闘を日の光の「色合い」だけでわからせちゃう。

 

 

この激しい決闘と並行して、藤枝梅安(豊川悦司)の仕掛が静かに確実に進行していく。最後の仕掛、おみの(天海祐希)を仕掛るときには日も沈みかけた黄昏時。その薄暗闇の中で、実の妹であるおみのを仕掛る梅安。意識が消えゆく瞬間、おみのの脳裏に幼い頃の記憶が走馬灯のように流れる。

 

その瞬間、おそらくおみのは気が付いた。

 

この人が、梅安が

 

実の兄であることを。

 

 

微かに笑みを浮かべて死んでいくおみの。その微かな表情が薄闇の中にうっすらと、確かに浮かび上がる。

 

 

悪女だけど、哀しい人だった。

 

 

なんだか、とても切ない。

 

 

人間のどうしようもない「業」を描きながらも、時代劇としてのエンタテインメント性は失われていない。いや、実に見事な作品。

 

 

10月にはPART2も放送されます。楽しみだあ。

 

 

 

惜しむらくは、途中途中でCMが挟み込まれていたこと。無料放送ということもあって、普段時代劇専門チャンネルを観ていない人も観るかもしれない。そういう方たちに向けてのチャンネルPRということなんでしょう。

 

 

企業としての営業という点ではわからなくもない。けどね

 

 

やはり邪魔だったな、CM。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、こちらはどうなっておりますことやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは最終週に突入。

 

 

観るべし。

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