鱗の旦那(片岡愛之助)、退場しました。
鱗の旦那にしろ、他の本屋さんたち、鶴屋(風間俊介)さんにしろ西村屋(西村まさ彦)さんにしろ、特別悪い人たちなわけではないんです。自分たちが努力して築き上げてきた権益を犯されたくない。だから新規参入を排除しようとする。
良い悪いは別にして、人の心理としては良くある話。現代でもありがちな話です。
このドラマは蔦重の側に視点を置いているから、既成の本屋さん方がどうしても悪い奴ら、意地悪な奴らに見えてしまう。それは『八重の桜』において、会津の側に視点を置いているがゆえに、薩長側が悪く見えてしまうのと同様のことです。
もしも既成の本屋さん側に視点を置いてドラマを作ったなら、蔦重はきっと、自分たちが努力して築き上げたものを、横からかっさらおうとする”盗っ人”として描かれるでしょうね。
歴史は視点。どこに視点を置くかで、見え方は違ったものになる。
それはエンタテインメントもまた
同じ。
鱗の旦那。蔦重と笑いあって泣きあって、素敵な退場でした。
江戸城内での熾烈な権力争い。将軍様は良い人だし、田沼様も根は純粋な人。だけど周りの奴らは魑魅魍魎ばかり…。
怖いですねえ。
鱗の旦那、蔦重と泣き笑って、カッコよく去っていきましたね。
“歴史は視点で変わる“ほんとですね。
大まかな善と悪はあっても、どちらかが100%善で、100%悪っていくのはないですね。見る視点で変わっちゃう…。
大変感動しました。