以前からホームページに掲載しているこちらのファン、一応「ファン」という名称で掲載 していたのですが、買付け先のフランスでは「ねぇ、これってなんていう名前なの?」と誰に聞いても分かる人がおらず…ですが、このほど晴れて正式名称を発見しました!見つけた先は19世紀のモード雑誌。19世紀のフランス文学を研究している方は、19世紀の辞書を引いて研究すると聞きますが、まさに古いものは古い資料にしか載っていないということを身をもって知りました。
正しい名称は“le ecran a main(正確にはecranのeにアクサン)”、英語の“hand screen”の方が分かりやすいかもしれません。殿方(?)から直視されることがないよう顔を隠したり、暖炉の熱からワックスベースで出来ているお化粧を守るためのものだったようです。(う~ん、それにしても昔の人って大変。)
忘れな草の刺繍が素敵なこれは、20世紀のごく初期に作られたものだと思われますが、聖体拝領式のお祝いの品と伝えられているので、贈られた女の子が式の時に手に持ったものかもしれませんね。
かつてはペアで作られることが多く、元々は中国からヨーロッパへやって来た装飾品の一種だと思われます。