私が姿を見せた途端に、その事に気がついたものが一斉に助けを求めて手をわあわあ必死に伸ばしてくるのを見ながら、わたしは首を振っていました
「今更・・・何を言っているんだ・・・・?
あの時、お前たちはなんと言った?
絶対、どうとでもすると、どれだけ約束した?
それで彼女にいったいなにをしてくれたんだ?」
私は彼女のことがどうにもならないのに、世界の事など、考えることも出来ない状態だったのです。
ですがまともに答えるものもなく、彼らは、ただただ、助けを求め続けていました・・・
『なぜ、こんな時に・・・しかも、もう彼女にもう、なにをしても間に合わないということが分かるために・・・ 何でここで目覚めさせられなければならないんだ?』
もう、私は、ここで神の力を得直す意味を見つけられませんでした。
彼女を何とかできるタイミングでこの条件を取り戻せていたなら私の動きはまるで違っていたでしょう。しかし、もうどうやってもダメということしかない状態だったのです・・・
『これで、なお、世界を救えと?
まだ、世界の人の幸福を願えと?
自分たちで状況を散々にしてくれた連中を救えって?
こいつら既得権益が全てをダメにしたのに? その連中をなんで助けるんだ?
こいつらにほんの僅かでも良心があれば彼女は助かっていただろう・・・時間は充分だった。
しかし、こいつらのやったことは、ただただ、身の保身のために全ての情報を隠蔽し、嘘で固めたインチキ統計で良心的な学者さえ騙し、きちんと動こうとしたものの抹殺さえ企てた・・・』
ありとあらゆる妨害が行われ、日本でのその治療センター設立はほとんど不可能とされてしまっていました。
治療法が使えるのは選ばれた特定の者だけと言う仕掛けにされていたのです。
さらに、彼らは、今度の彗星落下の確率が高いのが分からない筈がないのに、まともに人類を救う努力する気すらないようなのです。
例によってシミュレートしてみて分かったのですがほっとけば、もう一週間ぐらいで地球に落ちるのは確実でした。私はそのそばに寄って、様子を見たときそのあまりの気持の悪さに辟易となってすぐに下がりました。もう、でかすぎて手がつけられない感じでした・・・
『だいたいどういうことなんだ? ・・・こんなモノが落ちるなんて話は聞いてない・・・
例によって、情報統制か? しかし、それなら、普通、秘密裏に何とかする計画とかじゃないのか?
どう考えても、これでほっといてなんとかなるなどということはありえないと分かるはずだ・・・映画かなんかでみたようなやりかたでミサイルとかで攻撃すりゃ軌道を変更できるだろ? そういう計画で国連か、アメリカあたりが動くんじゃないのか?
ともかく、自分は彼女のことで手一杯なんだ。これは自分を追い払った人類が責任をもって何とかするべきことだ! 』私は冗談じゃないと思いながら一旦、引っ込みました。『自分がこんな絶望的な状況の中でこれ以上、人類のために動くことなど出来ない・・・もう、そんな力はないのだ・・・せめて、残された貴重な時間を彼女ときちんと過ごさせてもらいたい・・・』
しかし、翌日になっても人類に何の動きもありませんでした。私は眠るたびに呼び出され続けてました。星は近づき、只、助けを求める声だけが大きくなり続けていました・・・
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