消防隊の出初式

 1月11日に、京都の消防隊の出初式があった。
 前の日に式場となる岡崎公園を通ったら、観覧席を作ったり、紅白の幔幕が張られたりと、大掛かりな準備である。たかが式典に税金をつぎ込んでと思ったが、出初式にはむろん消防車もたくさんくるのだろう、それならば明日は息子に消防車を見せに来ようと思い、路傍で立ち話をしていた消防士に、消防車は何時頃出るのですかと聞いてみた。消防士は10時頃に来られたらいいでしょうと教えてくれた。
 当日、消防車に間に合うよう家を出る予定であったのに、その日に限って息子が二度寝をしてしまった。式典は12時までである。息子が起きるのを待って、急いで式場へ向かうと、ちょうどまさに、クライマックスの消防訓練が始まるところであった。
 道路に並んだ消防車をのんきに見て歩いていたら、消防士が小走りにやって来て、今から訓練でここは水がかかるから、早く屋根の下へ入れと言う。慌てて避難した。
 すぐに、公園内に集結していた何台もの消防車が、ウーウー、カンカン、サイレンを鳴らして行進し始めた。なかなか圧巻である。頭上には轟音を響かせながらヘリコプターも4機ほど飛んでいる。ヘリコプターは恐ろしく燃費が悪く、大量の燃料を食うのだと聞いたことがある。この燃料も税金、ここまでやる必要があるのかしらと考えているあいだに、整列するはしご車のはしごがどんどんのびていって最高点に達し、私たちが避難している建物に向かって、一斉放水がなされた。全員が見つめる中、やがて水は止まり、号令がかけられて、式典は終わった。面白かった。
 式が終わったあとも、公園内に止められた消防車や救急車に乗せてもらったり、地震車で阪神・淡路大震災と同じ震度を体験させてもらったり、さらに息子には消防隊のぬり絵をもらったりと、税金云々と言いながらも、じゅうぶん楽しんで帰った。来年もまた来よう。
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コメント
 
 
 
敬礼ッ! (弟子)
2007-01-31 16:21:05
ちなみにうちのおとっつぁん消防分団長なんで行ってたそうですよ。
 
 
 
地震はもう要らないです。 (のり)
2007-01-31 18:31:40
子どもの頃、学校からではなく、ボーイスカウトの社会見学で消防隊は見に行きました。懐かしい。
 
弟は陸上自衛隊に居ます。
阪神・淡路大震災の時は伊丹駐屯場から命令が出る前に伊丹駅に向かったそうです。
その後お上からの指揮で各地に復旧・支援活動に出動したそうです。
実質16時間の作業での3交代制での休憩だったそうですが、沢山の仏様を瓦礫の中から出したそうで、余りの姿に休憩時間に寝る事も出来なかったそうです。
寝る為に酒を飲んでいたらメディアが来て「こんな時に酒を飲むなんて、なんて不謹慎な!」と罵声を浴びせられたそうです。お陰で弟もすっかりメディア嫌いになりまいた。
ロボットでもないのに24時間フル稼働なんて出来ません。ましてや圧死・焼死・欠損の遺体を連日何体も救い出していましたから、精神面も過酷だったと思います。「貴重な経験をしたと思え」と弟に言いましたが・・・。
報道を観て「もう直ぐそこ迄救助の人が来てるので頑張って下さい」と埋もれてる人に対し、マイクとカメラを向け、救助しないで報道一番な考えのメディアの方が叩かれるべきなんですけどね。
ヘリも各社の数だけ飛んでいて、その爆音で助けを呼ぶ声がかき消され、救助の送れで亡くなった方も少なくないそうです。その後他の地震では教訓になったのか報道ヘリの数は規制されましたが・・・。
 
どんだけ耐震の建物を建てても、断層の真上じゃ倒壊します。人は自然には勝てません。
 
 
 
へぇ~ (師匠)
2007-01-31 22:50:09
そうなんや、じゃあ、ひょっとするとお会いしていたかもしれませんなぁ。
 
 
 
のりさんへ (チナツ)
2007-01-31 23:02:26
現場で救助に当たった人々は、想像を絶する体験をされたのですね。
あまり深く考えずに、文の流れで震災の震度を経験して楽しかったかのように書いてしまいました。面白がったりしているつもりはないのですけれど、もし不愉快な気分になられたのなら、ご容赦ください。
 
 
 
ううん。 (のり)
2007-01-31 23:17:39
 チナツさん
不愉快になんてなってませんよ
地震の恐怖とメディアへの怒りを思い出しただけです。
寝てる身体が下から突き上げられ、一瞬浮いたようなあの縦揺れの感覚は今も身に染み付いています。
知人は亡くなっていませんが、毎年あの時間には黙祷を捧げてます。
 
 
 
Unknown (チナツ)
2007-02-01 22:37:03
神戸から離れた京都ですら、ものすごい揺れでした。
神戸の街はすっかりきれいになりましたけれど、親しい人を失った人々は、悲しみを背負いながら生活されているのでしょうね。
 
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