猫の日課

 猫たちは、毎朝起きるとまず庭へ出ることを日課にしている。
 今朝も私が起きて下に降りて行ったら、まずふくちゃんがやって来て、窓を開けろと催促した。
 鍵を外して猫の幅だけ開けてやると、よく冷えた朝である。昨夜の予報では暖かかった前の日よりも11度下がるといっていた。実際に何度まで下がったのかは知らないけれど、細く開けた隙間から、冷たい空気がすうっと流れ込んできた。
 ふくちゃんは窓の前に突っ立ったまま、外の匂いを嗅いで、寒いからどうしようかと躊躇している。そこからなかなか進もうとしないので、こちらも寒くなって窓を閉めてしまったら、あっさり諦めてくるっと向こうへ行ってしまった。
 次にみゆちゃんが来て、窓を開けろといった。みゆちゃんも思いとどまるかと思ったら、潔い勢いで、さっと出て行った。
 それを見てふくちゃんも部屋の向こうから駆けてきて、後ろについて出て行った。そういう点でふくちゃんはみゆちゃんのことを姉貴分だと思っているらしく、みゆちゃんのあとを追いかけることが多い。もっとも、みゆちゃんを押しのけて猫タワーの一番上を陣取ったり、みゆちゃんのおやつを手で引っ掛けて横取りしたりと、いい加減な妹分である。
 猫たちが出て行ったと思ったら、1分もたたないうちに、窓の向こうに白い影がうつって、みゆちゃんがもう入るからはやく開けろと訴えている。やっぱり寒かったらしい。妹分のふくちゃんを置いてさっさと自分だけ部屋に戻ってきた。
 それから遅れること、さらに1分ほど、もうみゆちゃんが庭にいないことに気づいたのかもしれない。ふくちゃんも入れてくれと窓辺に寄って来た。
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