あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

ママといっしょ

2018-05-02 11:18:35 | 物語(小説)
ママはほんまにもう、おまえのせいで死ぬかもしれんわ。
死んじゃいややママ。やないねん。そんな可愛い甘えた声でゆうてもなんの意味もない。
おまえはなんべんゆうてもそうやってママに愛着し、依存し、執着し、お乳が欲しいておまえ何歳やねん。
ふたつと、6ちゃい。ちゃーうー、2歳半ちゅえばええねん。おまえはもう2歳と半年も生きてきた。
立派な大人やんか。おまえの年頃でママのお乳から離れられた人類は仰山おんねん。
なんで他のあほそうなサルみたいな顔した奴らにできて、おまえにできひんの?
おまえにだって絶対にできるねん。ただ遣ってみようと挑戦すらしてへんだけ。
ママにいつまでも甘えてたいだけ。ママは、はっきりゆうて、そんな子、いりまへん。
あほそうなんは顔だけにしてくれ。知能の成長が、おまえは遅すぎる。
ママはおまえをそんなあほな子に育てた覚えはない。
もう、ええ加減、限界やな。来週までに、おまえを他に預ける。
いや!ママといっしょ、ずっと、おる。じゃかあしいわ。
ママがおまえとおったら書きたい小説もろくに書けへんゆうてるやろ。
おまえが小猿かコアラの赤ちゃんみたいにへばりついてくるから。
おまえがそれをやめてくれたらええだけ、あとやんやとうるさく話しかけてきてママが仕事してる最中にも抱っことかせがんでこんかったらええだけやねん。でもおまえはなんべんゆうてもそれがわからない、ほんまもんのあほな子供やから。しゃあない。致し方ないよ。もう。おまえはもう来週から、他人の子や。
ママはもう、おまえのママやない。
おまえはもうママにとって、不要物やねん。わかってくれ。すべておまえが悪い。
おまえがじぶんのことしか考えられんあほやから。
泣くな。泣いて鼻水を絨毯に垂らしても問題はないと言わんばかりに泣き続けて涙の訴えをするな。
おまえの鼻水がかぴかぴなった絨毯を掃除せなならんのはママやねん。
一人で鼻をかんでゴミ箱にちゃんと棄てろ。
そう。遣ればできるやん。おまえはそこまでのあほやないねん。
抱っこ。やないねん。何ちょっと褒められただけでさっきまで怒られてたこともすっかりと忘れ去って甘えくさってんねん。
しばいたろか?いやや。やない。ママがどれほどおまえに苦しめられてきたか。
どれほど精神が不安になって、酒に溺れ、人に悪態をつき、人との関係を終らせてきたか。
全部おまえのせいや。おまえのせいで多分2週間くらい風呂にも入る元気がないから、ほれ、
ママのこの腋を匂ってみろ。くちゃい。くちゃいやないねん。おまえのせいでママの腋臭がすごいねん。
もうこのままいくとおまえは毎日ママの腋臭を嗅ぎ続けたことが将来の性的嗜好となって
とにかく腋臭のすごい女性に性的興奮を覚えるような男になってまうから、手遅れになるまえに
おまえは里子に出します。もう決めました。おまえは別の家で違う名前で呼ばれ、
ママとおまえが再会することはもうないやろう。
うーわーん。やないねん。全部おまえの行為が招いた結果や。これを因果因縁と言うんや。
この世で最も大事な法則やから覚えとくように。
ママはもう来週から、おまえとは他人になる。
ただのそこら辺におるアホ面の糞餓鬼といっしょやおまえも。
猿みたいにきーきー鳴いてうるさいばっかり。
もう絶対にいっしょには暮らさない。
おまえを抱き上げることも二度としない。
おまえに乳を飲ませることなど死んでもしない。
その因果をおまえが被るに値するほどおまえは自分勝手に自己中心的にママを散々苦しめ続け、
ママがなんぼやめてくれゆうても聴いてもくれんかった。
このままいくとママはほんまに精神的ストレスから脳梗塞、心筋梗塞、脳出血かなんかで突然死する可能性が高い。
ママはおまえにとって死んだら困る存在だとゆうのなら、成長するか、里子に出てゆくか、どっちかができるはずなんや。
なのにどっちもできひんと我儘をゆうてママを困らせ続けママのストレスは限界値に来て脳髄の血管か細胞が日々プチプチ破裂して行っている。
ママはマジで、遣れん。
もうママが出てゆくわ。この世から。
そしたらおまえはやっとこさ、成長できるのではないか。
それともあれか。おまえは代わりのママを探して三十年。
ママによく似た女性に依存し、その女性に振られた腹いせに嫌がらせコメントの連投を続け、
しまいに「おまえに乳飲ますくらいなら死んだほうがマシ」って最後に言われてブロックされて
酒浸り、アルコール中毒症状のなかインスタントラーメンしか食べない日々を繰り返し、
四十年過ぎても後悔し続けるんか。
ママにおっぱいと抱っこ。ねだるん我慢しとけばよかったな。
そしたらママは、突然死せんかったし、ママが突然死したその側で、
ボクもそのままママのおっぱいにしがみついてママに抱きついて、
ママのおっぱいに吸い付きながら餓死してゆくこともなかったのに。
嗚呼しかしママの最後のおっぱいの味、あれが血の味なのだろうか。
里子に出されるくらいなら、ママといっしょに腐って行けたことが、
本当に幸せだったと、だれに言えるだろう。
ボクとママはけっして離れることが、できなかった。
腐乱死体を片付ける為、母子が死んで腐っているその居間に上がると、
二体であるはずのその死体が、確かに一体と化していたのである。
俺はその情景を元に、この小話「ママといっしょ」を書いて、
未だに俺を去って行ったママを、探している。



















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