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Eine Geschichte von Nacht ~ある男の想い出~

2009-07-29 00:06:22 | 小説
【タイトル】Eine Geschichte von Nacht ~ある男の想い出~
【ジャンル】短編
【説明】
今回は純文学風に仕上げてみました。哀愁のある雰囲気が好きな人はどうぞ。

***************************************以下本文*************************************


 カフェオレとレアチーズケーキを目の前に私は1人座っている。
 今日は思っていたよりも肌寒い。いつもと同じと思っていた私は薄着をしている。冷えた体を温

める為に注文したカフェオレは既に体を温めることは出来なくなってしまった。何故温かい内に飲

まなかったのかは分からない。
 もしかしてそれは少しの期待と、少しの諦めがもたらした結果なのかもしれない。十六夜の月を

見上げ、冷えたカップを手に持つ。

 こうしてカフェオレを飲むのも幾日ぶりだろうか。この店のカフェオレは甘いことで有名だ。あ

の時も甘い甘いと話していた気がする。甘過ぎる物は好きではないと好きではないと2杯のカフェ

オレを飲まされた時のことが懐かしい。確かあの時も今日みたいな夜だったかもしれない。あの時

と違うのはそのカフェオレの温度くらいだろう。

 少し間違えてしまったかもしれない。ここのレアチーズケーキは思っていたよりも甘いのだった

。クランベリーのソースがさらに甘さを助長する。口の中に広がる甘さを中和してくれるはずの飲

み物も、今はその役割を果たさない。
 いつからだろうか。昔はこの甘みが嫌いではなかったのに。
 1切れのケーキがとても大量に思えてしまうのもそのせいなのだろうか。半分までは平気なのに

、それより後は口に運ぶ気が起きない。しかし私はその残り半分の甘味をカフェオレで流し込むよ

うに食べ切った。

 珍しいですね、とレシートとお釣りを手渡すウエイトレス。そんなことは無いと思うのだが、や

はり珍しいのかもしれないと思い直す。確かにそうかもしれない。今日の私の感じからすると、そ

う見えるのが自然だろう。そうかもしれないな、という一言と共にレシートを受け取り店を出る。
 今日は思っていたより肌寒い。十六夜の月光がそれをさらに引き立たせているようにも感じてし

まう。そんな冷たい夜道を私は独りきりで歩いている。金属製の時計は二つの針を西に向けている

。そちらを一瞬立ち止まって見た後、私は少し広くなった自宅へと帰って行った。

――終――
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