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オトナの一休さん

2020-06-23 07:02:14 | 日記
トンチが得意な小坊主時代のあのアニメではなく 
史実に基づいた一休和尚のアニメ 
とても印象に残る回があり


一休和尚と長い付き合いのお茶屋の店主が亡くなり 
生前詠んでいた歌の上の句 
それに下の句を一休和尚に詠んでもらいたいと
息子さんから依頼され



店主の上の句 


こしかたも 又生末も 傀儡の

(これまでの一生も 死んだ後も 
操り人形のような我々は)



これに一休和尚が応えた下の句と それに続いた句


糸切れぬれば 本の木のきれ 
一服一銭一期内 末期一句 雲脚泡

(操り人形は糸が切れたら ただの木の切れ端でしかない 
 お茶一服を売ってきた人生だったが 
こんな一句を残しても ただのお茶の泡)



あんな仲良かった店主に 
あまりに冷たい内容で失礼なのではという周囲の声に和尚は


「人生は実体がなく儚いものだから良い 
だから今をしっかり生きていれば
死んだ後は泡のように消えても良いのだ

店主は旨い茶を入れ商売に励み 
しっかりと生きた
それ以上他に何がある・・・」


上の句を見ると店主も和尚に
そういう内容を期待していたようにも思えます
長年お互いをよく知っているから 
美辞麗句で済まさず 
敢えて本質を詠んだのでしょう


般若心経の重要な一節である
「色即是空 空即是色」を表したエピソードかもしれませんね




小トラッチョ