ある日、パン屋に行った。
そこは人気のパン屋で、
大体いつも入り口から会計まで行列ができていて
ずっと並んだままパンを買うようなお店だった。
私も並んで、パンを買っていた。
数人前に若い集団が並んでいた。
若い集団の女の子が
「やっぱりあのパンほしい」ってなったんだろう。
列を離れてパンをとりにいって、また列に戻った。
よくあることで、特に何も思わなかった。
ところが、私の後ろに並んでいた夫婦(多分)の女性が
男性にぷりぷり怒り出した。
「見た?信じられない。非常識だわ!」
「おお、まじか?怒っとる!」と思いながら、
聞き耳を立てていたら、その後もずっと怒ってる。
引き続き、ずっと激ぷりぷり子。
「見た?あの試食の仕方。信じられない。
ほかの人のこと考えてないよね。」
ずっと激ぷりぷり子。
男性はずっと「あ~。」「う~。」みたいな
相槌とも言えないような声を発してた。
私は私で、ずっと聞き耳を立てながら、心の中で批判の嵐。
「いやいやいや、やめとけやめとけ。
そんなどうでもええことで、ようそんな怒れるな。
夫の反応見てみいや。ほぼ右から左で流しとるがな。
うんざりしとるで。多分。」
先方はずっと言葉に出しての批判、こちらはずっと心中批判で
一歩一歩、共にレジへと進んでいく私たち。
レジ付近でふと
「この人は多分何かにつけて、怒りの導火線が短いのかもしれないな。
ふだんから怒ることがたくさんあって大変だろうな。
この人から見た世界は、どうなんだろう。
っていうか、私は私で、ずっと必死でめっちゃ聞き耳立てて、
勝手に心中批判。 下世話だわ~
どっちもどっちじゃな。引き分けだわ。」
とおかしくなった。
さらに、パン屋を出た後で気づいた。
自分がいつもより、きちんとしようとしていたことに。
「めちゃめちゃ批判しとったくせに、何媚びてんねん。」
とおかしくなった。
私はみんなに好かれたいんだな~と思った。
孔子の論語より
「子貢問いて曰わく、郷人皆これを好まば何如。
子曰わく、未だ可ならざるなり。
郷人見皆これを悪まば何如。
子曰わく、未だ可ならざるなり。
郷人の善き者はこれを好み、其の善からざる者は
これを悪くまんには如かざるなり」
子貢が尋ねました。
「地元の人々全員から称賛されるような人物はいかがでしょうか?」
孔子は
「それではまだ十分とは言えない」と答えられました。
子貢がさらに
「地元の人々全員から憎まれるような人物はいかがでしょうか?」
と尋ねると、孔子は
「それではまだ十分とは言えない。
もっとも良いのは地元の善人から称賛され、
悪人からは憎まれる様な人物だ。」
と答えられました。
善人と悪人ってよくわかんないけども
自分のやりたいことをやるなら
自由にど真剣に生きたいなら
みんなに好かれるわけがない。
「あれだよ、他人の「いいね」が欲しくなるとブレるよね」
by甲本ヒロト
ほんで、ブレると生き苦しい。楽しくないんだな。
ああ、でも、多分私はまだまだみんなに好かれたいんだろうな。
みんなの「いいね」が欲しいんだろうな。
70歳ぐらいまで生きれたら、その欲求から解放されるのかな。
うっかり八平