私は上司を、①ものすご~く仕事ができることと②ものすご~くあほうなこと、この2点から、尊敬している。
どれくらいあほうかというと、・・・・
上司は、万が一の時のために、いつも筆箱に500円をたくさんいれている。ある日、その500円を私に「見て見て、こんなにあるんよ。」と見せてきた。「こんなにたくさんあったら、500円マンになれますね。」と言った私のちょとした一言から、二人の中で500円マンへの妄想が広がった。目や耳から500円ビームをだすこと、地方復興のヒーローであること、仕事を終えた夕方以降、500円マンになること・・・そんな他愛もないことを談笑した後、私は席に戻り、パチパチとPCに向かっていた。すると、「八平さん、八平さん。」と私を呼ぶ上司の声。仕事のことだろうと、「はい。」と振り返ると、そこには、目に500円をはめ、最高の笑顔で笑ってる上司の姿が!!(瞳は、キラキラ輝いてた。500円の輝きで。)私は、机にふせって大爆笑だった。多分、あの瞬間だけは、腹筋が6つに割れていただろう・・・。あれ以来、どんなにおねだりしても、「500円マンは、そんな安いヒーローじゃないんよ。」と見せてくれない。「はっ!!硬化だけに、高価なんですね。」と私が言うと、「八平さん、その調子。」と拍手された。
そんな上司が「昔、飛んできた鳩が足をだせなくて着地に失敗し、す~っと尻ですべって着地してるのを見た。あ~っって思ったら、その後、その鳩は何食わぬ顔をして、トットットッと歩いていってた。」と話してた。いつも、「僕の言ってることは、99%冗談。」と豪語している上司の言葉だったので、みんなで「嘘だ!!絶対に嘘だ!!」と言い続けてたら、上司は、わざとらしく、悲しそうな微笑みをうかべ、「人を信じられないことって、寂しいことだよね。」と遠い目をした。そして、「人間は、見たいものしか見ないからなあ。」と言った。この一言にドキッとした。確かに同じ景色を見てても、人と自分は全く違うものを見てることが多々ある。
昔、友人と大好きな三浦綾子さんの話で盛り上がってた。「三浦綾子さんの周りには、優しい人がたくさんいるよね。凄いよなあ。」と私が言うと、友人は、「うんうん。でも周りの人も凄いけれど、それを優しさと気づけた三浦綾子さんも凄いよね。」と言った。はっとした。そこにあっても、受け手の自分が気づいていないことってたくさんあるんじゃないかと思った。実は、見えてないことや、気づけてないことって、もしかしたらたくさんあるんじゃないかって思った。それらのことに気づけることも、また能力の一つで、磨いていかなければ、衰えていくものなのかもしれないと感じた。
自分の見方、捉え方一つで、自分の人生は、きっともっとおもしろく素敵なものにできるのだろうと思った。
上司の鳩の話を聞いて以来、鳩をよく見るようになった。ある日、バックステップを踏んでる鳩を発見した!!鳩界のマイケルジャクソンだと思った。尻すべりをする鳩にも、きっといつか出会えると思う。
うっかり八平