ちょっと時機に遅れた感はありますが、「ジュリスト」(有斐閣)の先月号(7月号)は、営業秘密に関する特集でした。
最近は、営業秘密が大きな問題になっていますね。
直近では、ベネッセの顧客名簿流出があったし、少し前では、東芝の半導体技術を韓国の会社に漏らした件もありました。
その前には、新日鉄住金が韓国の会社に対して、営業秘密の不正取得を理由に1000億の損害賠償を求めた件もありした(まだ訴訟継続中)。
そんな状況なので特集が組まれたのだと思います。
営業秘密に関することは、世間の関心の高いところだと思いますし、このブログでもおいおい触れていきたいなと思っています。
今日は、特集の中の座談会記事を読んで、なるほどなーと思った部分があったので、それについて少し触れようなかと。
技術流出と、職務発明(会社の従業員が職務に関してした発明)に関する特許法改正とのからみです。
現行法では、職務発明について特許を受ける権利は、その発明をした従業員自身にあります。
これを会社のものとするという改正の流れができていて、まあ、ほぼ既定路線でしょうね。
もちろん、現行法のもとでも、会社に譲渡することが就業規則等で定められているのが通常なので、結局は会社が権利を取得するんですけどね。
とはいえ、そこには「譲渡」という行為が介在するので、その対価を払いなさいよと特許法で規定されています。
ところが、最初から会社のものとなるのであれば、対価という話が出てこない。
なので、発明をした従業員の待遇は会社任せでいいんだという考えも当然出てきます。
いや、それでは、これまで法律上の対価請求権を有していた従業員に不利益でしょってことで、今、いろいろ議論されているところです。
最終的に、どう落としどころにするのかわかりませんが、あまり技術者に不利益な仕組みにしてしまうと、技術流出の可能性を高めてしまいかねません。
座談会の最後にそういう指摘があり、なるほどなーと思いました。
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