お祭り 歴史探索の旅   ~尾陽雑記抄~

活動拠点をやいと屋知足斎の日記に移しました

彼岸だから

2005年09月23日 14時30分12秒 | 政治 経済 セミナー
彼岸ということで、たまには仏教な本をご紹介しようかなと。 一応、高校時代は仏教系の高校に行っていましたので、多少は仏教に詳しいかもしれません。仏教が見えてくると、日本史も理解しやすいのですね。(同じようにキリスト教がわかると、ヨーロッパ史も理解しやすい)

 仏教な本と言う事でここから、最近疲れていて、心の癒しを求めようとか、考えない方が良いでしょう。

 逆説的な表現ですが、暇つぶし程度に考えて読むのが、よろしいかと。


仏教はじめの一歩 ひろさちや
仏教はじめの一歩

春秋社




なぜか著者のサイン本持っています。
「知恩」「空」「善人 悪人」など日本史、鎌倉新仏教でおなじみの言葉を表題に
解説しています。どの部分が詳しく書いてある、というわけではなく、分け隔てなく、書いてあります。
 その中で興味深いのは「善人 悪人」(偽善者)さらに阿修羅(正義の神)ですかね?
 ブログ書いていて思うと言う事ではありませんが、(自分の行いは棚に上げ)正義の旗を振りかざし、悪を糾弾するという姿勢が最近強すぎるのではないか?と思うこの頃。そんなご時世でも溺れることなくスイスイと生活する。そんなヒントが書かれています。
(この本読んでいて、政治家に道徳を説かれる筋合いは無い、と笑っちゃった)


般若心経入門―生きる智慧を学ぶ 日経ビジネス人文庫 ひろ さちや
般若心経入門―生きる智慧を学ぶ

日本経済新聞社




ご存知、仏説摩訶般若波羅蜜多心経は「そもそも般若心経と申す御経は文字の数わずか二百六十余文字なれど」と云われる仏教の真髄を簡潔にまとめた御経。西遊記でおなじみの玄奘三蔵が漢訳したものが有名で、日本では特に弘法大師空海が重宝した御経として馴染みがあるのかもしれません。三蔵と呼ばれる人はたくさんいるけれど、三蔵法師は玄奘の代名詞、大師もたくさんいるが「大師」の称号は弘法大師 空海の代名詞になっちゃった、という逸話があるくらい、日本人ゆかりの2人が関わっているから般若心経の人気があるのかもしれません。

  文字の数わずかと言われるが、内容はわかりにくい。読むことは出来るが内容を説明せい!!と言われても、難しいでしょう。 そんな般若心経をわかりやすく解説した本(月並みな解説だ)そして安い。

 私は般若心経の本を読む前に「老子」を読んでいますので、どうしても、老子と比較対照しながら読んでしまいます。

私が持っている「老子」はこちら

老子でいう「道」って般若心経の「○○」にあたるの?般若心経の布施って老子のこの概念? 般若心経のこの部分って老子だと…てな感じで。本来はこういった読み方は、いけないかもしれません。
 しかしながら、「般若心経入門―生きる智慧を学ぶ」に出会えたお蔭で、「老子」の理解が深まったかもしれません。両方がなんとなくでも、わかってきたなら、これはこれで良いか?


釈迦物語 ひろさちや
釈迦物語(画像なし)

「仏教はじめの一歩」と同じくなぜか著者のサイン本持っています。
タイトルどおり、釈迦の人生を客観的に書かれています。純粋に釈迦ってどんな人?と思ったら、この本が私が読んだ中で一番お薦めかもしれません。


釈迦  瀬戸内 寂聴
釈迦

新潮社




釈迦は八十年の生涯です。八十歳にして瀬戸内さんが書かれたことでも話題になりました。八十年の生涯の人物を描くのには、八十歳にある方が書くのが一番適切かもしれない。
 ただ、この本どちらかと言うと、叙詩的なのです。「なぜ釈迦はこの場面でこのようなことを言ったのか?」「仏教的にどのような意味があるのか?」という問いかけには、答えていないかもしれません。どうしても物語的に書かれた本ですので、仕方が無いのかもしれません。

 その点、「釈迦物語」は「釈迦はなぜ、この時、こう言ったのか?」「釈迦の行動の真意は?」といった問いかけに仏教的に解釈が書かれています。

 「釈迦物語」を読んだ後で「釈迦」を読むと、釈迦の行動、言動の意義がわかり、「釈迦物語」を骨組みに「釈迦」で肉付けすると、釈迦という人物が身近に感じられ、また、著者、瀬戸内さんの良さがわかるかもしれません。


 私が読んだ本の中での評価ですので、あくまで御参考なまでに