チョコな奴

チョコはチョコでも卵巣チョコレート嚢胞から命名。すっかり体調も戻りブログに趣味のことなど書きたくなってきた今日この頃…

歓びを歌にのせて

2006-07-15 00:02:25 | 映画
この映画の英語のタイトルは「As it is in heaven」。「歓びを歌にのせて」日本語タイトルはこの映画を直訳している感じ。映画館で見ようと思っているうちに終わってしまったので今回はレンタル。

世界的マエストロのダニエルは、演奏中、突然倒れる。医師からはぼろぼろの心臓と言われ、仕事を休み子供の頃に生活したことのある村の廃校の校舎を買い取り移り住む。ひょんなことから教会の聖歌隊の指導を頼まれる。老若男女、それぞれ複雑な事情を抱えていたが、週に1度集まって練習していた。ダニエルは表面的な歌の指導ではなく、ひとりひとりの声を重ねることを主体として一般的ではない指導をしていく・・・

聖歌隊の中には3人の女性がフューチャーされる。

レナ-人前では明るく振舞っている彼女だが消すことのできない過去があった。彼女は男性に騙されていたこと、その事実を知っていたにもかかわらず村人たちが告げなかったことへの村人への不信感をぬぐいされない。

ガブリエラ-家では嫉妬深い夫からのDVに耐えている。村の人も知ってはいるが、見て見ぬふり。彼女は歌を通じて自我を取り戻し、夫の暴力が激しくなりあるとき家をでる。

インゲ-牧師の妻。牧師である夫は職業を理由に妻との関係は希薄なものに。セックスレス、無関心な夫も、ダニエルの歌の指導により変わってゆく妻、そしてダニエルに嫉妬心を感じていた。わからずやの夫にインゲも家をでる。

どの女性も男性により人生を翻弄される。スェーデンというと男女平等、男性も育児休暇をとる国である。そのスェーデンですら、男性に翻弄させられてしまうのか。これは都会ではなく、田舎の村だからなのだろうか? それとも、どうにもならない女の性(さが)なんだろうか?

最後の場面はちょっとありえないだろうという設定とコーラスではなくそれぞれの声を重ねる聖歌隊の声、それが会場内にどんどん広がっていくところで終了する。最近、ヨガクラスの最後に寝転がって「あ~~~~~、う~~~~~~、ん~~~~~」と声を出して終了するクラスがあるんだけど、これがとっても気持ちがいい。もちろん自分の声だけではないんだけれど、寝転がって発声することで、お腹から声がでていることを感じられるし、頭蓋骨に響いているのを感じる。このラストシーンも自分の声と周りの声を重ねることで癒されているのが感じられる。ラストは悲しい場面でもあるのだが、この声ですがすがしい気持ちで不思議と涙が流せる。