チョコな奴

チョコはチョコでも卵巣チョコレート嚢胞から命名。すっかり体調も戻りブログに趣味のことなど書きたくなってきた今日この頃…

三井記念美術館

2007-01-22 22:41:51 | 展覧会
土曜にふらりと日本橋の三井記念美術館を訪れた。

三井記念美術館は今回が2度目。昨年の早春に「三井のひなまつり」という企画展を見て以来だ。この三井記念美術館は三井グループの収集品を展示するために平成17年10月に開設されたばかり。地下鉄三越前直結の三井タワーに隣接された三井本館の7階にある。木の香りがしそうな重厚なエレベーターで7階へ。

コインロッカーは100円が戻るもので荷物、コートはこの中へ。第1室の中にはいると暗い中に青磁の花入、茶道具が並んでいる。人が少ないのでのんびりと見ることができる。第1室を終了したところで第2室。第1室の中にある茶碗とは一味違う国宝志野茶碗「銘卯花墻」淡いオレンジの土にクリーム色の釉薬がかけられていてほんのりとピンクっぽい肌色の地肌に格子が描かれている。茶碗自体は歪んでいて、またその微妙なゆがみが美しい曲線となって人を惹きつけるのだろう。

もうひとつの国宝は円山応挙の雪松図屏風。右側には力強い男性的な松、左側は曲線を美しく表現した女性的な松。どちらも松葉の上に雪が積もっている。白と黒のコントラストを背景の金色が引き立てる。

その他おもしろかったのは「女房三十六歌仙帖」、36人の女性歌人の姿とその歌が左右のページに描かれているもの、また手書きの百人一首など絵が美しくてじっくりと見てしまった。

最後にレクチャールームがあり、そこのDVDで三井記念美術館のこと、今回の展示品のことなど30分ぐらい楽しめる。ぜひこちらもじっくり見ていただきたい。

昨年もだったけれど、今回も吸い込まれるように三井タワー2階にある千疋屋總本店のフルーツパーラーに立ち寄った。てっきり普通の苺ショートケーキだと思って注文した「アメリカンショートケーキ」というのにはがっかりした。テーブルセットが大きなスプーンだけだったので???だったのだけれど、でてきた皿には牛乳の上に浮かぶアイスクリームを挟んだスポンジ2枚の上にストロベリーのジャムが乗っていた。どう考えてもじゃぶじゃぶの牛乳の上のスポンジとアイスクリームとジャムってどういう組み合わせ??? 久々に大失敗の選択だった。連れのモンブランセットはフルーツ、アイスクリーム、1個840円で店で売っているモンブランケーキ、そしてコーヒーまたは紅茶のセット1,785円のほうが良かった。千疋屋さん、アメリカンショートケーキあれは不味いです。普通の苺ショートケーキだしてくださ~い。

藤田嗣治展

2006-05-06 11:31:25 | 展覧会
4月の終り、国立博物館で「最澄と天台の国宝」を見た後、根津あたりを散策の予定だった。ところが朝からの雲行きがどんどん悪くなり、雨が降ってきた。しかたがないので、散策をあきらめ藤田嗣治展へ移動した。

作品は時代順に展示してある。日本で黒田清輝に師事していたのに、才能を認めてもらえなかった藤田はパリ留学でその才能を開花させる。女性の裸体画で乳白色の肌を見事に描きパリで売れっ子画家となる。オカッパ頭にロイドめがねという独特のファッションでパリでも目立つ存在となっていた。その奇行は藤田の宣伝活動ではなかったのか?

その後、南米に渡って彼の絵は色彩を持つ。それまでの淡い色彩から強烈な太陽の色へと変わってきた。その後、戦争の影響などで日本へ帰国するが日本画壇はいつも彼に冷たかった。世界で成功した彼にやっかみ半分である。第二次世界大戦中に彼は戦争画を書く。それは父が軍医であった関係とも言われている。戦後、その戦争責任を追求する日本画壇に対し辟易し、再びアメリカ経由でパリに旅立つ。彼はその後、2度と日本に戻る事はなかった。

パリに渡った藤田の描いた絵は子供たち。ただし、みな同じ顔をして同じ目をしている。この頃フランス国籍を取得して、日本国籍を抹消している。日本でもフランスでも異邦人としか扱ってもらえない悲しみが表れているようだ。

最後にDVDの映像をみた。藤田が73歳のときにキリスト教の洗礼を受けたことについてインタビューを受けているものがあった。「なぜ、高齢になってキリスト教の洗礼を受けるのか?」という問いに対し藤田は「私はすでにフランス国籍を取っている。さらにフランス人に近づくために洗礼を受けた」と言っている。日本では画壇のやっかみに苦しみ、フランスでは異邦人として扱われ、日本もフランスも愛したはずの彼の苦悩が感じられてとても悲しかった。

初めてたくさんの藤田作品に一挙に触れることができる貴重な展覧会。5月21日まで、興味のある方はお早めに!

最澄と天台の国宝-東京国立博物館

2006-05-04 11:17:48 | 展覧会
行きたい、行きたいと思っていた国立博物館。4月の末、やっと行くことができた。今回の特別展は天台宗のお宝が全国から集まっている「最澄と天台の国宝」。

本館の前を通り過ぎて、平成館へ。ものすごい人人人。ガイド用のレンタルイヤホンの列がものすごい。しかたないので作品名が書かれた紙を頂いて順に沿ってみていく。興味があるのは仏像。全国の天台宗の寺院からたくさんの仏像が来ていた。

ポスターにでている聖観音菩薩。信長の比叡山焼き討ちの際にも生き残った。この菩薩は腰をややひねった悩ましい姿。左手には蓮華の花を持ち、右手はヨガでいうところのチンムドラー(親指と人差し指で輪をつくる)。思わずため息をつきたくなるほど美しい。

多くは延暦寺をはじめ遠方の寺院から出張した仏たちだったが、上野の寛永寺、徒歩圏でやってきた薬師如来と両脇の仏3躰もあったのがなんとなくほほえましい。残念ながら5月7日までの公開。もう1度見たかったなぁ。