最近あまり翻訳されてませんが、私的な意見として
「クリスティの後を継ぐのはこの人」だと思っております。
ポーラ・ゴズリングはハードボイルド、サスペンスから本格ものまで書いてます。
「ゼロの罠」は、
9人が乗った軍用機がハイジャックきょくされた。
かれらを極寒の地に監禁した理由は?そして誰が?
しかも9人のなかにはスパイと殺人鬼がいるらしい。
それは誰と誰なのか。本格ミステリ的な謎を使ったサス . . . 本文を読む
18年前は怒涛のマキャモン旋風が吹き荒れ、
次々と翻訳されていたんですよね。
その中でもたぶん一番の面白さ。
(全部読んだわけじゃないので言い切れませんけど)
SF+ホラー+青春小説等々、なんでもあり、の大通俗大会。
上下二巻なんだけど、主要登場人物の書き込みとスティンガーがやってきたことに気付くまでが上巻。下巻では町の人々が殺戮のなかを「化け物」のスティンガーへ反撃を始める。
はっきりいっ . . . 本文を読む
ロックをテーマにした、というところがミソのホラーアンソロジー。
やっぱりキングの巻頭作「いかしたバンドのいる街で」が一番でしょうか。
バディ・ホリー、ジャニス・ジョプリンがゾンビに!
ロックミュージシャンの怨霊が延々とライブを繰り広げるゾンビタウンの市長は当然エルヴィス!
ジミヘンを扱った「ヴードゥー・チャイルド」、
プログレバンドがテーマの「鎮魂歌」、
ロックの自由さを堂々と歌いあげるシャ . . . 本文を読む
各年代ごとに傑作を集めたというアンソロジーなので
面白くないはずがない、です。
シェクリイ「ひる」は「ウルトラQ」の「バルンガ」の元ネタ。
ディック「父さんもどき」は少年ドラマシリーズ、
コーンブルース「真夜中の祭壇」はディレーニィみたい。
コードウェイナー・スミスの「燃える脳」は別格として、
ベスター「消失トリック」はまるで、そのスミスみたい。
【中村融・山岸真編 河出文庫】 . . . 本文を読む
昔なつかしいスペースオペラ。
とはいえ、いまのSFが失ってしまったものがいっぱい詰まっています。
地球帝国(というのがまた)きっての切れ者諜報部員(というのがまたなんとも)のサー・ドミニック・フランドリイ大佐の華麗なる冒険。
金持ちで、
地位があって、
仕事ができて眉目秀麗。
もてないはずがありません。行く先々で純情な娘から貴族のマダムまで篭絡する色男。解説にはジェームズ・ボンドとも書いてありま . . . 本文を読む
フランス象徴派の詩人でありながら流行り歌の作詞家、
早稲田の教授なのに株屋、
童謡を書いているのに、70になっても浮気しまくる西條八十
その評伝です。
書き手は斉藤憐。上海バンスキングの作者と言えば、ご存知でしょうか。
ランボーの研究を書き上げるはずが歌謡曲の歌詞を書き、晩年の病床にあってもラジオから流れる小娘の歌う自作の歌をニコニコしながら聞いている姿は、天性の歌謡曲作詞者そのもの。そ . . . 本文を読む
日常の小さな不可解なことから犯罪を見つけ出すニシアズマ先生は女学園教師!
しかも、メガネをかけると名探偵に変身する。ジョー90みたいですねって、古いね。
解説にもあるようにチェスタトンから逆説、屁理屈を抜くとこういう作品になるかもしれません。
恥ずかしながらこの人のことは知りませんでした。日々勉強です。
【小沼丹著 創元推理文庫】 . . . 本文を読む
John Dickson Carr collection 3
曲った蝶番 The Croked Hinge 1938
物語は、現在の准男爵がじつは偽者で、本当の准男爵が屋敷に現れて地位を請求する、というところから始まります。
珍しくストレートなプロットですが、「現在の准男爵が偽者ならば、なぜ偽者が殺されなければならないのか」という、ひねりがうまく働いていません。
Who dune it というよ . . . 本文を読む
「日本」とは何か 日本の歴史00 網野善彦
どこの国にでも国の始まりがあるはずですが、日本はいつから日本だったのでしょうか。
そんな簡単な疑問さえ抱かなかったのは、明治以降の権力が『悠久な過去から「日本はあった」と思わせる教育』をしてきたせいでしょう。
個人としての天皇に責任は無いにしても、天皇制がその責の一端をになっていたことは間違いないはず。
とにかく日本列島に住んでいた人は画一ではなく、様 . . . 本文を読む
John Dickson Carr collection 2
連続殺人事件 The Case of the Constant Suicides 1940
カー版「バスカヴィル家の犬」。
旧家に祟る亡霊、
ダートムアとスコットランドと方向は違えど地方風景が背景、
犯人のスタンスが同じ。
フェル博士と犯人が初めて対面する場面と、
ホームズがバスカヴィル館で肖像画から犯人の顔を見つける場面が
なぜ . . . 本文を読む
John Dickson Carr collection 1
「爬虫類館の殺人」 He Wouldn't Kill Patience 1944
トリックにかんしてはいろんな人が書いているので、
そのトリックを支える著者の仕込みについて。
殺人の現場を見た目撃者がいて、その人間がすぐに証言をしていれば、
HM卿が乗り出すまでもなく、すぐに犯人は捕まったはず。
そうならない理由を、その目撃者のキ . . . 本文を読む