
John Dickson Carr collection 1
「爬虫類館の殺人」 He Wouldn't Kill Patience 1944
トリックにかんしてはいろんな人が書いているので、
そのトリックを支える著者の仕込みについて。
殺人の現場を見た目撃者がいて、その人間がすぐに証言をしていれば、
HM卿が乗り出すまでもなく、すぐに犯人は捕まったはず。
そうならない理由を、その目撃者のキャラクターに設定してあるのは、
単なるトリックメーカー(トリック発案者はカーではない)ではない証拠でしょう。
冒頭でHM卿がトカゲに追われて疾走する場面は、
その目撃者の性格を読者に教える重要な場面です。
しかも「ある音を、別の音に思わせる」というミスディレクションは、
機械とこの目撃者が発する声にも潜ませてあります。
この声と機械の音が重なって、はじめて作者のトリックが発動します。
それと、コメディタッチで描かれる衰退する奇術師一族の悲恋が、
ドラスティックな犯人の姿をやわらげる働きをしているのではないでしょうか。
「爬虫類館の殺人」 He Wouldn't Kill Patience 1944
トリックにかんしてはいろんな人が書いているので、
そのトリックを支える著者の仕込みについて。
殺人の現場を見た目撃者がいて、その人間がすぐに証言をしていれば、
HM卿が乗り出すまでもなく、すぐに犯人は捕まったはず。
そうならない理由を、その目撃者のキャラクターに設定してあるのは、
単なるトリックメーカー(トリック発案者はカーではない)ではない証拠でしょう。
冒頭でHM卿がトカゲに追われて疾走する場面は、
その目撃者の性格を読者に教える重要な場面です。
しかも「ある音を、別の音に思わせる」というミスディレクションは、
機械とこの目撃者が発する声にも潜ませてあります。
この声と機械の音が重なって、はじめて作者のトリックが発動します。
それと、コメディタッチで描かれる衰退する奇術師一族の悲恋が、
ドラスティックな犯人の姿をやわらげる働きをしているのではないでしょうか。
いつもブックレヴュ楽しみにしています。
年末の怒涛の更新はうれしかったです(^_^)
今年もこっそりよろしくお願いします。
ありがとうございます。
これからも、こっそり更新しますので、
いままで同様、ごひいきに。