さらに乱歩の探偵小説四十年のことですが、その構成は先行自作を引用する入れ子状態になっています。
たとえば、
昭和2年のこと、としていろんな出来事を書き、新人作家のことについて書き始めると、「○○君については以前に書いた探偵小説十年に書いた文章があるので引用する」となり、以前の文章が続くんですね。
地の文については現在の時制(昭和26、7年)で、引用の中は先行作品の書かれた時制というわけです。しかも自分の文を引用しているのにもかかわらず、引用する時に手を加えているのです。思い直したこともあるでしょうし、今となっては都合の悪いところを削ったりしているようです。
今回の全集はそういったところも校訂してあり、乱歩が書きたくなかったのがどんなことなのか、おぼろげに分かるかもしれません。
たとえば、
昭和2年のこと、としていろんな出来事を書き、新人作家のことについて書き始めると、「○○君については以前に書いた探偵小説十年に書いた文章があるので引用する」となり、以前の文章が続くんですね。
地の文については現在の時制(昭和26、7年)で、引用の中は先行作品の書かれた時制というわけです。しかも自分の文を引用しているのにもかかわらず、引用する時に手を加えているのです。思い直したこともあるでしょうし、今となっては都合の悪いところを削ったりしているようです。
今回の全集はそういったところも校訂してあり、乱歩が書きたくなかったのがどんなことなのか、おぼろげに分かるかもしれません。
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