大昔に講談社文庫から中国迷路殺人事件として出ていたものを改訳、改題したもの。
じつは10代のころに読んでいたのですが、そのころはまったく面白さが分かりませんでした。
ところが、この歳になるとこれがむやみに面白い。
3つの事件がたがいに●●とか、
仙人が出てくるとか、
アクション場面が派手だとか、
本格ミステリからずいぶん逸脱しているのですが、そこが大衆小説らしくて楽しいんです。
■沙蘭の迷路 . . . 本文を読む
幻の本格パズラー、とありますが、ラストの謎解きは茫然自失というか、超脱力です。
でもどこかの国の新本格とは違い、著者なりに本格ミステリのパターンを推し進めた結果、
すべての出来事が謎解きの手がかりになるとは限らない、というしごく当たり前の手法に行き着いた、
と好意的に解釈したいです。
というか、そうでも思わないと、最後まで読んできた苦労が報われません(笑)
■ケンブリッジ大学の殺人 グリン・ダ . . . 本文を読む