素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーアマゾンズ Episode5「RAMBLING ROSES」

2017-05-09 09:30:00 | 仮面ライダーアマゾンズ
志藤たちの前に現れたマモルは、ひっそりと生きることも許されない<アマゾン>の現実をぶつける。別の水源へと向かった美月は悠と遭遇する。アマゾンと共に姿を消した悠は、本当に人類の敵なのか・・・。


「人間の理屈だっていうのはわかってる!
 ・・・しようがねぇだろ、俺たちは、人間なんだ」


という志藤さんの言葉が、結局のところ、見ている私の意見そのものなわけで。
だから。

「新しいアマゾンの駆除には協力するよ。僕にも責任があるからね。
 でもマモルくんたちだけは、守りたいって思ってる。
 マモルくんたちが生きられる場所が、見つかるまで、僕は死ぬわけにはいかないんだ」


という悠の言葉は、理想は素晴らしいけれどちょっと待ってくれと。
アマゾンを守るというその姿勢は、五年前から変わっていないんですけども。
今にして考えると、「人を襲わないアマゾンは守る」という姿勢は、
「最初の犠牲者が出るまでは動かない」ってことなんだよ。最初の犠牲者の立場はどうなるんだよ!

・・・とか、視聴時はモヤっとしたんだけど、文章にしたらなんか自信なくなってきた。
この構図は、野生動物と人間の関係に似てるんだよな。
ヒグマ、見つけ次第駆除したらいいじゃん、っていうのは、やっぱり鬼畜発言だし。
ヒグマが自由に生きられる場所が見つかることが、やっぱり理想ではあるわけだし。
してみれば、悠の言ってることが正しいんだよ。

しかし。その理屈で進んだ結果、新型アマゾンを守るマモルくんを助けに入ってる、
つまり間接的に新型アマゾンを守ってるような形になってて。
なんだか今回も線引きの難しいところに立ってるなぁ悠。
それでも、その曖昧な地点でぶれずに立っているまっすぐさが、強くて眩しい。

「僕たちは五年前から殺され続けてる。ずっと・・・!
 逃げても隠れても、ずっと・・・!
 だから今度は僕たちの番だ。僕たちが人間を『狩る』!
 でも仲間がかなり減っちゃったからね。返してもらってるんだ。人間から」


というマモルくんの言葉と

「人はアマゾンを殺しすぎた」

という悠の言葉には、なんかもう本当にごめんなさいなんだけど、
じゃあ反省するかって言われたら反省なんてできないし、
やっぱり殺し続けると思うんだ、本当にごめんなさいだけど。

しかし。その一方で。

「おまえがあれから、どんだけひどいものを見てきたのか・・・お前を見りゃあわかる」

「五年だ・・・変わるには充分だろ」


という志藤さんの言葉に、なんか怒りを感じたのだ。
変わったんじゃない、今の姿こそが野生の、本当のマモルくんじゃないのか。
駆除班が見ていたマモルくんは、おそらく強い「食欲抑制剤」の効果で思考能力を奪われた姿じゃないのか。
そうして人間の言うがままに、人間の手先となってアマゾンを狩っていたこと自体が
彼にとってもっとも辛く苦しい、忌まわしい過去ではないのか。
判断力を奪われ、嬉々として同族殺しを行っていたことが、どれほどマモルくんにとって罪深い行為であったか、
気づいていないのか、志藤さんは。

挙句に五円玉を掲げてみせるとかな。
それはマモルくんにとって、過去の罪の象徴ではないのか。
そんなもので昔の関係に戻れるとか、わずかでも期待することが、
どれだけ無神経なことか、気づいていないのか。

・・・とか悶々としましたが。そういうことじゃないのかな?
マモルくんにとっての駆除班は、まだ温かい記憶として残ってたりする? いや無理だよね?

「それが、なに? それ、僕たちを助けてくれる!?
 ずっと殺され続けてたんだ! 捕まって!実験に使われて!死んだ仲間だっている!!
 一度も人間を襲ったことのないヤツだったのに・・・。
 だから、強い仲間が要るんだ! 人間と戦って、僕たちを守ってくれる仲間が!!!」


「一度も人間を襲ったことのない」「実験に使われて死んだ仲間」
キーパーソンの気配濃厚です。とりあえずマモルくんの親友と仮定。
実験の主催はイユパパかな。

「アマゾン細胞が溶源性細胞に変異するには、条件があるんだ。人の遺伝子を持つかどうか」

「やつはいろいろと知っているようで。人間の細胞が溶源性細胞にどーたらこーたらとか。
 五年の間に博士号でもとったんですかねぇ。ま、どーでもいいか」


黒崎さんが「博士号」と皮肉るように、溶源性細胞の発見はイユパパが関わってるんだろう。
悠の「僕にも責任があるからね」のセリフ。マモルくんの親友を被験者にした実験を行い、
そこに飛び込んできたマモルくんが、例の腕を盗み出して今回の事件を起こしたって感じか?

悠が協力していることから察するに、
実験とはアマゾンから食人の本能を消去することが目的かな?
・・・少なくとも、悠が把握してるレベルでは。

現時点で判明してる限りでは、「人でありアマゾンであるもの」は仁さん、悠、千翼の3人で、
水源に埋められた腕の持ち主たり得るのは、仁さんしかいないよな。
仁さんなら、隻腕でも普通に元気そうな気はするけどな、なんとなく。
しかし、そう考えると彼らは死して溶源性細胞の塊となる可能性が大きいわけで、
死ぬ時は、遺体を完璧に処理しないといけないのか。なんかそれも悲しい。

「変でしょ?人を食べたいのに、食べられないんだ。
 ここにいるみんなも・・・僕もね」


とマモルくんが自嘲するように、彼らは「人を食べられない」アマゾンたちであって、
っていうことはなんだ、人を食べるアマゾンたちを、悠が(そして仁さんも?)根絶やしにしちゃったの?
五年・・・そう考えると凄絶ですね五年。


今回もイユが美しかった。
終始噛み合わないイユと千翼だけど、唯一、戦闘中は美しいほどのコンビネーションを見せていて、
戦っている間だけは、お互いが1対1の存在として正しく認識できてるんじゃないのかな、などと思ったり。
美しいけれど、刹那的な関係ですね。

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