素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー555 視聴後感

2017-08-26 17:30:00 | 仮面ライダー555
さて恒例の視聴後感想。
とは言え、良い作品はすっきりと終わるので、とくに書くことも思いつかないまま
いつものとおり、書き損ねた駄文をダラダラと流してみようかなと。

ラッキークローバー。
ジェイが抜けて三葉になって、何度も新規メンバーを勧誘しつつも離職率高過ぎで、
っていうか四葉のクローバーは四葉だからこそ幸運の印なのであって
欠けた葉を補えなかったのがオルフェノクの敗因なのでは?と思ったり。

そんな残された三葉ですが、
一葉は、王を超えて自らが王となることを望み、敗れ王の糧となり。
一葉は、王に従い永遠の命を手に入れることを望み、それを手にいれ。
一葉は、王の力を恐れ逃亡し、力を捨て人として生きることを選んだ。

王の出現を機に、バラバラの方向へ散っていったのが印象的でした。

琢磨さんは、オルフェノクの「上の上」として動いていながらも、
詩を愛し、弱い者には傲慢に振る舞い、強い者を恐れ媚びへつらう。
笑い、泣き、怯え。嫉妬し、計算し、逃げまどい、すがりつく。
分類上はオルフェノクだとしても、彼は実に、人間らしかったのではないか。

澤田は人間であった自分を捨て、真のオルフェノクになることを望み、
そのために大事な真理を殺し、それでもなお、人間を捨てたいと叫んでいたのですが。

ならばオルフェノクとは何だったのか。
人を殺せば真のオルフェノクになれたのか。

そんなことは条件でも何でもない。
人間とは、オルフェノクとは、ファイズとは、
それを決めるのは生物学的な条件やベルトの有無なんかじゃなく、
生き方なのだと。どんな生き方を選ぶのかに因るのではないかと。

「やっぱりファイズはたっくんじゃないと」とかつて啓太郎が言ったように。
琢磨が最後、人間としての生を選んだように。

・・・と、気づけばアギトの視聴後感想に引き続き
琢磨さん(山崎潤さん)のことを語ってた。どんだけ好きなんだ。

さて。ファイズの物語はこれでは終わりません。
オルフェノクの王は、戦闘不能とはいえ存命だし、
冴子は、短命のさだめを受けたオルフェノクの中で唯一、不死身の体を手に入れた。

そして何より。オルフェノクはこれからも生まれ続ける。
オルフェノクとは悪の組織が生み出した存在ではなく、世界が生み出した存在だから。
それが生まれてくる理は、誰にも止めることができないから。

一方、オルフェノクに対抗できる勢力は、
現状は巧、デルタの三原、海堂、カイザのベルトのみ。
そして巧と海堂は、そう遠くない未来、消滅してしまう運命を背負っている。

オルフェノクに対抗する勢力は不利?
人間に勝ち目はないのでしょうか? いいや、そうじゃない。

木場さんや巧という存在があったように、
これから生まれてくるオルフェノクの中にも、人間との共存を望み
ファイズのベルトをつけて戦う者が現れる。そう思います。
ファイズの物語は、まだまだ続きます。この世界がある限り。

話はそれますが、この5月、ひらかたパークでファイズが出演する仮面ライダーショーがありまして。
ここのショーは、ファンの方が「正史と連ねても遜色ない」と高く評価しているんですね。
その5月のショーがyoutubeに上げられていたので再生したんですけれど、
ラスト、木場さん(ゲームキャラとして呼び出された人格)のセリフがすごく良かったので
それを引用して、この感想を締めたいと思います。

「この世界はまだ続いてる。きっとそれが、俺たちの知りたかった答えだ」

仮面ライダー555 最終話

2017-08-25 08:30:00 | 仮面ライダー555
巧が消えた。真理たちは行方を心配しながらも、なぜ巧が照夫を襲おうとしていたのかを考えていた。そんな中、クリーニング店からこつ然と照夫の姿が消える。そのころ巧は、スマートブレインの医療施設で実験材料として使われていた。照夫を発見した直也の前に勇治が現れ、あの少年こそオルフェノクの王だと宣言する


いよいよ最終回。

体の不調を自覚するたっくん。
彼は、同じオルフェノク仲間の中でも比較的早く変異してると思われるのですが、
やはり、早くオルフェノク化したものほど、早く寿命を迎えるのかな。

そんな状態なのに、スマートブレインの研究者たちに、実験材料として
「細胞の崩壊過程を早める」薬を打たれてしまうたっくん。

「彼は裏切り者のオルフェノクだ。最後くらい役に立ってもらおう」

今まで何度も「裏切り者のオルフェノク」と呼ばれながら人間を守り続けてきた木場さんが
まさかその言葉を自分で吐くとは。

1対1で戦う二人。
ファイズとカイザの変身が解けて、おぉ!ここからは生身の殴り合い!?かと思いきや
二人ともオルフェノクに変身して戦うという。
そっか、そうなりますよね。彼らにとってオルフェノク体も生身みたいなもんですよね。

勝ったのはたっくんで、でもそれはブラスターフォームのおかげじゃないかと。
たっくんは奪い取ったホースオルフェノクの剣で木場さんに斬りかかるも、
寸前でそれを止める。

「・・・なぜだ、なぜとどめを刺さない!?」
「言ったはずだ。俺は人間を守る、ってな」


突然、異世界に迷い込んでしまったかのような、黒くザラザラとした画面。
黒い網目ごしのモアレがかった画面には激しく既視感がありますが、
オープニングで使われている効果ですね。まさかの最終回で回収してくるとは。

そして、カメラは横へとスライドし、
「お前も、人間だ」と告げるたっくんの表情は
網目ごしの暗い世界から解き放たれている。

「違う!俺は・・・」と叫ぶ木場さんを残し
ひとり、網目のこちら側へと戻ってくるたっくん。

「待て、乾! いぬいー!! 待てー!! うわあぁぁぁぁ!!!」

網の向こう側で絶叫する木場さん。出られないまま。

そう考えてみると、オープニングで見るたっくんは最初網目の向こうにいながらも、
リンゴを手に、何事もなかったような表情で網目で閉じられた世界を破って外へ出てきてるんですね。
だとすれば、あのリンゴは「人間を守りたいと思う気持ち」だったのかなぁと。
あのオープニングは、人間を守るために人間で在りつづけるというたっくんの姿を、
最初から最後まで明示していたのかなと。

余談ですが、格子模様や籠目模様のように細かいパターンが連続して作られる模様は
見る者を眩惑させる、魔性の者を足止めする、
転じて魔除けの効果がある、という話を聞いたことがあります。
九字護身法(臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前っていう有名なアレ)の簡易版で
早九字と呼ばれる、指で格子状を描く作法があるのも、その理屈だとか何とか。

そう考えると、網目模様がオルフェノクを捨てきれない木場さんを封じ込めているのも
なんか象徴的だなぁ、などと深読みしてみたり。

そしてエンディング。

オルフェノクの王を匿い、「あなたは死なない、甦る・・・きっと」と見守る冴子さん。
自分の手のひらを無言で見つめ、「どうしたのたっくん?」の問いに
「・・・別に、なんでもない」と答えるたっくん。

王は復活するかもしれない。
たっくんが完全に灰と化すまで、あまり時間は残されていないのかもしれない。
それでも。

世界が闇に包まれようとも、
彼ら三人がいる場所だけは、光が射している。青空が見えている。

「夢って言やぁ、俺も夢が見つかった」

世界が闇に包まれても、闇に染められない彼らはきっと、
世界中の洗濯物を真っ白にする夢を、
世界中の人たちを幸せにする夢を、いつまでも胸に抱き続けるだろう。

「夢ってやつは、そう簡単に捨てちゃいかん。
 卵を抱くようにして温めていれば、必ず夢はかなうはずだ」

「人間には、人間にしか持ちえない物がある」


これで終わりとするには、やや不穏な気配を漂わせていますが、
それでも人の力を信じ、夢を信じ、未来を彼ら「人間」に託すという、
この先へと続く物語で幕を閉じました。ファイズ。面白かった。

仮面ライダー555 第49話

2017-08-24 08:00:00 | 仮面ライダー555
王の真実、王の正体。その全てを知り、苦悩する巧。王を倒せばオルフェノクである自らが滅ぶ。しかし、王を倒さなければ人間が滅ぶ。しかも、王は照夫の中に眠っているのだ。王を巡り錯綜する登場人物たち。そして照夫の中に眠る王がオルフェノクを襲うのを目の当たりにした巧は、王を倒す事を決意する。・・・。


なんかもう、一気に極端な展開になってしまいました。

・オルフェノクは近いうちに死ぬ
・オルフェノクの王さえいれば、死なずに済む
・その場合、人間は全滅。オルフェノクの世界になる
・ちなみにオルフェノクの王は照夫だよん

という。
だからたっくんの選択肢としては

・オルフェノクとして生きる(人類滅亡)
・人間として生きる(照夫殺しの汚名をかぶる+近いうちに死ぬ)

という、究極の二択モードなのである。
そして、「近いうちに死ぬ」という言葉を裏付けるように
たっくんの手が砂状になっていく。時間がない。

性格の悪いことを言うならば、
「人間裏切っちゃったらどうかな? 恨まれるのも、どうせ人類滅亡するまでの間だし☆」
とか思ってしまうのだ。いや、もちろんそんな軽い話じゃないけどさ。
人類を滅亡させたという罪を背負って生きてくなんて、とても耐えられないけどさ。

ただ、オルフェノクの王を活かしたとしても、
それですべてのオルフェノクの救済が約束されたわけじゃないよね?
将来的にはオルフェノクを救済してくれるのかもしれないけど(それも確約されてない)
現状においては、王が復活するために、
オルフェノクの命がどんどん吸い尽くされている状態なわけで。

「われわれオルフェノクの大半は、王の餌食になるだろう」47話
という花形さんの言葉を聞いたうえで、木場さんはその事実を周りには告げず、
王がオルフェノクの救済のためにのみ存在するようなことをうたうわけですが。
木場さんの考えも今はまったく見えません。

ともあれ。たっくんは。
自分も草加を殺した「オルフェノク」であると真理に告げ、
姿を消そうとするのですが、真理に止められる。真理には弱いよなみんな。

そのうえで、照夫を殺そうとする。
例によって口下手なので、何の説明もせず、たった一人でこぶしを振り上げる。
なんかなぁ、なんかなぁもう、どうしたらいいんだよ。

とりあえず、照夫くんの迫力がすごい。
王はアークオルフェノク、バッタモチーフなんですね。
バッタと言えば元祖仮面ライダーのモチーフなのに、まさかのラスボス。
背中の2枚のひらひらが素敵です。アナザーアギトを思い出すなぁ。

手に残った砂を「草加の血だ」と見せるたっくん。
最近、ネット情報で「オーズで飛び散るセルメダルは、グリードの血だ」みたいな話を読んで
なるほど確かに、と納得したわけですが。
ファイズで言うと、あの砂が「血」だった。なんて凄惨な。

琢磨くん。
この人は、序盤の無敵っぷりと中盤のダメキャラっぷりが
もう本当に絵に描いたように「ヤツはわれら四天王の中でも最弱!」系だと思っていて
早々に消えるんだろうなぁと、数少ないであろう登場シーンを楽しみに愛でていたわけですが。

意外と、最終回まで生き残った。
今回もオルフェノクの王にすがろうとして、いち早くその危険性に気づき逃亡するという
ダメキャラならではの勘の良さ、判断力と逃げ足の速さを発揮してくれました。
頑張れ琢磨くん。当ブログは琢磨くんを応援しています。

仮面ライダー555 第48話

2017-08-23 20:15:00 | 仮面ライダー555
オルフェノクを滅ぼすために、オルフェノクの王を倒す。それが花形の目的だった。その遺志を託されたはずの勇治だが、彼はオルフェノクを救うため、王を守る事を選択した。一方、勇治に騙されていたことを知った直也は、巧たちとともにライオトルーパー部隊と激突する。


やばい。やばいですよ。
ネット界隈でネタ画像にされている「首の骨が折れる音」の回だったんですけれど、
ネタどころじゃない。なにこれやるせなさすぎる。

死の直前、草加は自分を探して走り回る真理に手を伸ばすんですが、
無情にも、彼女は草加に気づかず通り過ぎてしまう。
幼い頃、いつも自分を守ってくれた真理の手を、
あの日、掴むことができなかった最愛の母の手を、
最後の瞬間、掴むことができれば、彼の魂は救われたというのに。

そして、命の灯が消えた彼の体は、
オルフェノクと同じように、砂塵と消え去ってしまう。
亡骸すら残らない死が、こんなにも切ないものだったなんて。
まるで、草加の存在そのものが、なかったことにされてしまったような。

切ない。
やっぱりファイズの主役は草加だったのではないか。

その他感想。

花形パパ。

「私はオルフェノクの王を探すために、お前たちを集め、流星塾を作った。
 だがあの日、お前たちの命を奪ったのは、私の意志ではない!
 スマートブレインの一部のオルフェノクが勝手にやったことだ!」


いきなりの!言い訳!
そこはパパの指示じゃなくとも、下心ありきでこどもを集めてる時点でアウトじゃねーの?と。
しかし。

「お前たちにベルトを送ることで、過酷な運命を背負わせてしまった。
 私は賭けてみたかった。幼い頃から辛い境遇に耐えてきたお前たちの、
 強さと、優しさに」


というパパの言葉に、この人は自分のこども同然に、彼らを育ててきたんだなぁと。
非道いパパではあるんだが、うーん、非道いとも言い切れないじゃないか。
倒れて意識のない草加の手を握るとことか、悪党じゃないんだよな本当に。
やっぱさ、自分を「父親」と呼ばせるのは、それなりの責任と覚悟を持ってる証拠なんだよなって。

木場さん。まずはvs海堂。

「お前は人間を守るんじゃなかったのかよ。それがお前の理想だったんじゃねーのかよ!」
「そんな俺の理想を! ・・・君はバカにしてたんじゃなかったのか」
「っきゃろお、・・・違うだろ、俺はな、・・・心の底でずっとお前をソンケーしてました。
 本当はな、本当は、お前みたいに生きてみたかったなよ!」
「・・・くだらない」
「っきゃろう!! お前とは絶交だ。これからは、俺がお前の代わりになる」


海堂は、ここぞという場面で半端ない存在感を出してくるよな。
次のシーンで、三原に土下座して協力を請うとことか、
プライド高そうに見えるのに、必要に応じてあっさりそういうことできちゃうのが、すごく良い。

vs花形さん。

「オルフェノクとは人間の進化形だ。だがあまりにも急激な進化は、肉体を滅ぼす。
 いわばオルフェノクとは、死に至る病と同じだ。放っておけば我々は滅びる」
「まさか・・・そんな」
「私が君を選んだのは、君が心の底で深く人間を愛しているからだ。
 『オルフェノクは人間とは共存できない』
 君は、滅びの道を選ぶ勇気を持っているはずだ。人間のために」


オルフェノクは早すぎた進化だったのか。
アギトもまた、人間の進化形態と言われていたのですが、
オルフェノクは人間への加害欲求が高く、寿命が短いということで、
進化の過程でふわっと現れた、はかないシャボン玉のような存在だったのか。

そんな、先行きのないオルフェノクという種族に
自分の未来を託す木場さん。vs草加。

「すべて聞かせてもらった。オルフェノクの王を倒せば、オルフェノクはすべて自然消滅というわけだ。
 ならば俺が王を倒す。お前も満足だろ。それが人間のためなんだからな!」


「花形さんは何も知らない。俺の、人間に対する絶望の深さを。
 滅ぶべきなのは人間の方だ。俺は死なない」


かっけぇマジかっけぇ二人ともかっけぇ。

そして、冒頭シーンでは逃げる照夫にライオトルーパー部隊を差し向けていた木場さんですが、
花形の告白を聞いて心を決めたのか、後半は照夫を追う草加を止めるために
真理を拉致するという卑怯な手を使います。木場さんが!卑怯な手を!
そんなこんなで今回で草加は退場となるわけですが。

井上御大が草加役の村上幸平さんに「誰に殺されるのが一番嫌か?」という質問をし、
「木場には殺されたくない」と答えたらこんな脚本があがってきた、というのは有名な話ですが、
なんで木場さんだったんだろうな。折り合いが悪かったのはたっくんの方だと思うんだが。

ところで。

「それにしても皮肉なものだ。私が以前贈った三本のベルトは、オルフェノクの王を守るために作られた。
 そしていま、雅人たちは何も知らぬまま、あの少年を守っている」


という花形さんのセリフが、すごく印象深かったです。
本当に皮肉なもんだな。

その他小ネタ。

ベンチに腰掛けるたっくんの姿を見た瞬間、「うわぁ!」ってなって、
会話の内容が入ってこなかった。
ブレイドの、あの有名なラストシーンのロケ地ですよね!
季節も同じ銀杏の輝く頃。そりゃそうだどちらも終盤だしな!

仮面ライダー555 第47話

2017-08-21 21:50:00 | 仮面ライダー555
スマートブレイン社長に就任した勇治はオルフェノクの王を倒すため、巧に協力を持ちかける。だが、オルフェノクとして生きる勇治と、人間として生きる巧。2人の間に交渉の余地はなかった。王を巡る争い。ラッキークローバーの3人と、直也が指揮するライオトルーパー部隊が、王を守るファイズに襲いかかった。


村上社長、ここでフェイドアウト。
最後はオルフェノクの王に命を捧げてのジ・エンドでした。良かったのかそれで?

オルフェノク側。

「今は手を結ぶべきだ。王を倒すために。
 さもなければ、われわれオルフェノクの大半は、王の餌食になるだろう」


花形。
普通なら、こういう人間としても人外としても強い力を持つ者は
「犠牲になるのは雑魚でしょ?雑魚食って成長しきった王を祭り上げれば俺たちハッピー」
的な。まぁなにがあっても俺たちたぶん大丈夫だから!みたいなイメージなんだけど、
花形は王を倒すことで、オルフェノク達を守ろうとしてる。
なんか、花形こそオルフェノクの王みたいじゃないか。

うーん、つまりアレか。
花形は王の器を持つ高邁な人格の持ち主なんだけど、
ただ、彼は「オルフェノクを守るために」生きている、と。
流星塾を作り、子供たちを集め、愛をもって彼らを育ててきたけれど、
それもおそらく「オルフェノクのための」実験材料としてだし、
地下施設に紛れ込んだ作業員たちに対しても、救おうという気持ちはかけらもなかった。

しかし。25話で使われていた「失敗作のベルト」が
まさかここへ来て、量産型として使用可能になるとは。

そして花形の下についた木場も、
オルフェノクのために生きる決意をする。

「また・・・会えるかな」
「君が人間であることを捨てるなら、友として。
 人間で在りつづけるなら、敵として」
「俺は人間を捨てたりはしない。何があってもな」


二人とも同じオルフェノクでありながら、
木場くんはオルフェノクとして生きる道を探し続け、
巧はオルフェノクであることを否定し、人間として生き続ける。
けして交われない、二人の生き方。

一方。人間側。

「相手はオルフェノクだからな。こどもを可哀相だと思う気持ちなど持っていない。
 そうだよな?」
「やめなよ草加くん、そういう言い方。巧はふつうのオルフェノクと違うんだから!」


巧をかばって会話に割り込んでくる真理ですが、
なにげにひどいこと言ってない? ふつうのオルフェノクってなんだよ。
ふつうのオルフェノクには、こどもを可哀相だと思う気持ちがないのかよ。

なんかな。木場さんがオルフェノクと人間の共存を諦めたのきっかけに、
オルフェノクと人間の関係に、大きな亀裂が入ってしまった気がする。
誰もが「人間だから」「オルフェノクだから」と最初に口にして、
歩み寄ることなんて、まるで思いもつかないような。

この状況を打開できるのは・・・海堂、なのか?
がんばれ海堂。うーん、まったく信頼できる感じないけども。