素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー555 第3話

2017-05-17 16:30:00 | 仮面ライダー555
「王の眠りは深い」という社長からのメッセージを勇治に伝えるスマートレディ。一緒に旅を続けることになった巧と真理の前に、底抜けに人のいい青年・啓太郎が現れる。その頃、東京では遠縁の家に預けられた少女・結花が家族にも学友にもいじめられる毎日を過ごしていた


井上御大の書く仮面ライダーは意外と、こと戦闘においては
難なく器用に戦ってみせてくれるよなぁ、と思う第3話。
アギトもキバも、その素質でもって、あまり苦戦する展開がなかったんですが、
たっくんもすんなりベルトを使いこなし、すでに余裕すら感じさせます。

それはさておき、登場人物がひどいね!

無理な追い越しかけて交通事故の原因を作っておきながら、被害者を無視して走り去るたっくん。
相手の都合は無視して、弱味につけこむような形でたっくんにボディーガードを強要しつつも、
上から目線で人を小馬鹿にした態度をとる真理ちゃん。
「世界中の人を幸せにしたい」と底抜けポジティブなのかと思いきや、
何かあるとすぐに「無理だ」と崩れ落ちる激しくネガティブな青年、啓太郎。

啓太郎は「みんなが喜んでくれるから」という理由で、
自らすすんでパシりのような真似をして何の疑問も抱いてないという。なんかすごく頭弱い感じっていうか。
これって同じく井上脚本のオーズ劇場版で、映司も似たようなことやってたんだよな。
困った人を集めて、自分の稼いだバイト代を配っちゃうっていう。

「みんなが喜んでくれるから」と言う理由で考えなしの「善意」を無差別に振りまく行為は、
まぁ、受け取る側にある程度のモラルがあれば、立派な人助けになるんだろうけれど、
例えば啓太郎の場合では、最初は悪意のカケラもなかったであろう主婦が
次第にその善意につけこみ、当然のように、より大きな善意を要求してきている。

あの主婦は、今となっては人の善意を「一方的に享受するのが当然」だと解釈しているし、
善意の人を「利用されるだけのバカ」だと考えるほどに堕落してしまった。その姿勢は簡単には戻らないだろう。
彼女をそういう人間に変えたのは誰か、それは啓太郎が与えた無防備な「善意」だ。

いま放映しているドラマ「小さな巨人」には「敵は味方のフリをする」というキーワードがありますが、
そのノリで言うと、「悪魔は天使のフリをする」
いや、むしろ「真に性質の悪い悪魔は、自分が天使と信じて疑わない」っていうのが、
今の啓太郎を表してる気がする。

そんな啓太郎ですが、真里に尻拭いをしてもらいながら、
彼女のことを「とても感じの悪い子」と陰口叩いてたりして
うわぁ本当にこいつどうしようもねぇな!っていう。
こういうキャラを作れるのって、本当にすごいですね井上先生!(真顔で褒めてる)

あと。結花ちゃん。
家でも学校でも居場所がなくて、見ていて辛い。これ子ども向け番組のテンションじゃねーぞ。
ちょっと寒色系のフィルターで画面の色を変えたら、アマゾンズですよね。
いや、アマゾンズ美月ちゃんだって、いじめられ方はもっとマイルドでしたよ。

あと。まったく関係ないんだけど、地下に閉じ込められる作業員、水口役で
トッキュージャーの皇帝ゼット役、大口兼悟さんが出てます。
ファイズ初見時はちょうどトッキュージャーにドはまりしてた時期で
ネットで情報ググりまくって、必死で陛下を探してました。初見時の記憶、そんなんしかない(ひどい)