素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

超光戦士シャンゼリオン 39. 時(いま)を越えて・・・

2017-12-08 08:55:00 | 超光戦士シャンゼリオン
ダークザイドに大半が制圧された地球の夢を見る暁。ザファイアの攻撃を受けた宗方が息絶え、エリの裏切りが明らかになり、押し寄せるダークザイドの大軍に暁と速水は最後の決戦を挑む。犬探しに奔走する探偵事務所の日常と、終焉を迎えた絶望の世界、交互に入れ替わる2つの世界の結末は・・・。


いや・・・。
いやぁ・・・・・・。

「あ、最終回は異次元コスプレなのね。
 まじめな暁も新鮮だな」
と、いつものような気楽な気分で見てたわけですよ。
びっくりした。不意打ちくらった。こんな展開、まっっったく予想してなかったぞ。

wikipediaなんかにも「敵を倒さないまま最終回を迎える結末」とあって、
「あぁ、いつものゆるい展開でグダグダやって、平和な日常はいつまでも続くよ、みたいな?」と
勝手に予測してたわけです。もうね、マジ、ノーガードだったので
見終わって「え? あ? っていうことは・・・」ともろにダメージくらうっていう。

いわゆる「胡蝶の夢」というやつですね。
「知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを」

いままで能天気でおちゃらけでご都合主義な展開で、
それがいいよね~とほのぼの気分で楽しく視聴してたんですが。
最後の最後に、全部ひっくり返された。なんてこった。

能天気でちゃらんぽらんで女好きな暁とか
まっすぐで一生懸命だけど、どこか抜けてる速水とか
いつも強気な頼れるサポーターのエリとか

地球侵略にきたものの、どこか人間味のある憎めない怪人とか
すっげぇ強いけど、暁や人間の強さにはしっかり敬意を払ってくれる敵とか
そんな敵に、無謀にも立ち向かっていく果敢な子供たちとか

泣き言いいながらも、あれこれ手伝わされてる銀行の人とか
悪だくみしながらも、けっきょく暁に邪魔されちゃう誘拐犯とか
そういうものをひっくるめて、ご都合主義で展開していくストーリーとか

それらが全て、すべて、暁の直面している現実の裏返しで、
「こんな世界だったら」と、彼が夢想し渇望する世界だったんだ。

アマゾンプライムの感想で「打ち切りっぽい夢オチ」なんて書いていらっしゃる方がいて、
「夢オチ? いや・・・でも・・・これは『夢オチ』なのか?」と考えてしまいました。

いや、私の中で「夢オチ」って言ったら「デウス・エクス・マキナ」なんですよ。
機械仕掛けの神様。どんな難解なシチュエーションも強引に収束させてしまう禁じ手。

でも、シャンゼリオンは違うじゃないですか。

敵を倒さないままの最終回については短縮が決定する以前から構想があったようで、東映の公式サイトでも「他の終わり方は考えられませんでした。」と、それを窺わせる記述が残されている。(wikipediaより引用)

ともありますが、やっぱりこれは、最初からそのつもりで作られていたんじゃないかな。

そう考えてみると、OPの歌詞だってそうですよ。

目の前の とびらの向こうに 夢の青空 きっと続いてる
怯えないでね もうひとりじゃない あなただけの未来 見守るから
my friend 輝け 勇気を 心と瞳にちりばめ
駆け抜けてくあなたの 光を信じたい
over the times 時(いま)を越えて

英語歌詞。内容はそのまま英訳した感じですが。

I'll always be with you , and we are friends forever more
Don't be afraid anymore , I share this loneliness with you

and open up your eyes , then you can see the dream of sky
you'll change those tears to memories , I'll watchin' your future

believe in yourself , don't give up the fight
baby I'm sure you can make it Changerion

My friend I believe the Light inside you , thorough the darkness into perfect light
over the times , oh my Changerion

今にして思えば、これはむしろあちらの世界の暁にあわせた内容だったんですよ。
最初から、計画どおりだったんですよ、全部。

古い作品なので、内容に関する情報がほとんどない状態での視聴でしたが、
いま、そのことに対して猛烈に感動している。
ありがとう、これをネタバレなしで見られたのは、本当に幸運だった。

本編の印象が、最終回を知ってるかどうかでガラリと変わる、
本当にすごい作品でした、シャンゼリオン。
もうね、最終回を見てしまったら、初見のテンションで楽しむことは二度とできないな。

なんかもう、井上先生のヒーロー像って、闇が深いし、
闇の中の光の強さもすごいなって思いました。痛々しいほどに。

超光戦士シャンゼリオン 38. 皇帝の握ったもの

2017-12-07 09:00:00 | 超光戦士シャンゼリオン
東京を独立させた黒岩は、人間と闇生物との遺伝子を掛け合わせ新たな種を作ろうと試みる一方、劣悪な遺伝子を排除すると称して多くの人間を闇に屠っていた。黒岩の戴冠式を阻止しようとする暁たちだが、闇生物たちに邪魔されて身動きができない。玉座に向かう黒岩。だがその前に少年の集団が現れて・・・。


その結末に至る経緯があまりにも衝撃的だったため、黒岩の最後の登場回となる第38話は重要な回であるにもかかわらず一部の地域で欠番扱いにされて未放送になっている。  wikipediaより引用

という文章は以前から目にしていたんですが、
いや・・・まさかの・・・予想外の展開だった。うん。
井上御大、強い。

子役の子もさ、父親の消滅を目の当たりにして失神し、
エリに救われるも放心状態・・・っていう演技が
なんていうかまぁ「子役だからね、そんなもんだよね」っていうレベルだったんですが、
黒岩を前に銃を構える姿がめちゃくちゃ真剣で、
なんだこれ、めちゃくちゃすげぇぞ!ってなりました。

ただ、その周りで手榴弾を投げまくる子供たちは
「こどもって・・・時として残酷だよね」っつー感じではありましたけども。

何はともあれ。

「お前・・・俺が、怖くないのか?
 撃て! もう一度・・・ムシケラでないことを証明してみろ!」


と、銃口を前にひるむことなく、両手を広げて見せるところ。
さらに銃弾を打ち込まれよろめきながらも、
なぜか口元に笑みを浮かべるところ。

これは、すごいな。

「知っているか・・・世界で初めての・・・皇帝は・・・皇帝は・・・」


皇帝は!なんなんだよー!!!
三つめ言えよーーー!!!(by仮面ライダードライブ)

そして。

「あなたは間違っている。
 人間は、あなたが思っているほど弱くはない」


そう言ったエリさんのハンカチを、最後に高々と掲げる。
それはまるで、降伏の白旗のようで。

なんかな、黒岩は、最後まで公平だったよなって。
18話では、シャンゼリオンの強さを正当に評価し、
26話では、ダークザイドのあり方を客観的に把握していたし。

人間界で実権を握ることで、ダークザイドが堂々と生きる世界をつくり出せるところだったのに、
それにこだわることもなく、
不必要な存在だと判断していた「弱い人間たち」が、強い意志を持っていることを知り
素直に負けを認めた。

黒岩さんが人間社会で一緒に生きる道は、なかったのかなぁ。
黒岩さんはそんなこと、1ミリたりとも望んではいなかっただろうけれど。

その他。

・暁を都庁に軟禁し、見張り要因に女子校生を配置するあたり
 「さすが黒岩さんわかっていらっしゃる」感がすごい。
 やっぱほら、太陽と北風だし、斬鉄剣でもコンニャクは切れないわけですよ。

・助監督に諸田さんのお名前があるので、
 ラストに水落ちした黒岩さんを見て「諸田監督の仕業か!」って思うなど(違います)

・EDに「教官:岡元次郎」とあったので、慌てて見直すなど。
 あの、人の良さが伝わってくるような普段のお姿からは想像つかない
 鬼教官っぷりでした。んで、若いな!

とうとう次回最終回か(感慨深い)

超光戦士シャンゼリオン 37. 嵐の前のバケタケ

2017-12-06 09:30:00 | 超光戦士シャンゼリオン
るいが実家に帰って荒れ放題の事務所で、速水は不吉な出来事の前兆とされるバケタケを見つけてしまう。しかし当の暁は福引で世界旅行が大当たり。黒岩は知事職を暁に引き継ぎ、野望を実行に移し始める。その野望とは東京を独立させ、その初代皇帝となることだった。


これ、このままシャンゼリオンが登場しないまま終わるんじゃないの・・・?
ってヒーロー物で流石にそれはないか(笑)とか思っていたら、
まさかの変身しないまま次回へ続いてしまったのであった。
いや、世界旅行はシャンゼリオンの姿でやってたから
それで1カウントになるのか、なるのか?

というわけで。
序盤はいつもとおり適当な展開で、
相変わらずだなぁと微笑ましく見てたんですが、
気が付けばかなり怒涛の展開。さすが・・・残り3話だな。

こんなときだけ「省吾!省吾!」となれなれしく名前で呼びかけるエリが
なんだかなぁって感じです。

ザ・ブレイダー。初めての変身モーション公開。
あの謎のナレーションがまた入るとは思わなかった。

疾走するカーキャリアの上でのアクションとか、
「20世紀特撮は無理しすぎだろ」感がありました。すごい、でも危ないぞ。

そして、せっかくの活躍の機会なのに
物事の優先順位を把握できないザ・ブレイダー。
残念な子すぎる・・・ツボです。えー、もっと活躍見たかったな、残念な方面で。

ツキまくる暁。これってどこかで見たぞ?と思ったら
ディケイド20話でした。あっちも「一万人目のお客様」だった。
でもディケイドは「本日のお食事代は全て無料」レベルだったので、
一年間飲食し放題っていうのを聞いた後だと、迫力ねぇなぁとか思ってしまうのであった。

超光戦士シャンゼリオン 36. 新たなる敵! か?

2017-12-05 18:00:00 | 超光戦士シャンゼリオン
健康だったお年寄りが急死する事件が相次ぎ、暁と速水は捜査を開始。時を同じくして、レナ星雲カイナ第4惑星から届いた異星人のメッセージ。TV局ではニュース特番が組まれ、なぜか暁を探す女性が出演。一方、暁は事件現場付近でダークザイド幹部・ヴィンスーを発見し、戦いを開始する。果たして事件の行方は・・・。


いつものシャンゼリオンが始まった・・・と思ったら
それがテレビ画面の中という、メタな展開。

テレビのこちら側の世界というのは、シャンゼリオンとは別の世界かな?
と思いきや、唐突に始まった特番の中にも暁や速水が存在していて
なるほど、実際に存在しているシャンゼリオンの活躍をテレビ番組でも
え? あれ? いやなんかおかしくない???

と足元怪しい感じを残しつつ、
テレビの中のシャンゼリオンの続きが、特番の中でも進行していくという。

ところで、当然なんですが、シャンゼリオンのオモチャとかあったんですね。
ちょっとうらやましいぞ、あの男の子。

でもって。
「異星人からメッセージが来たくらいで特番組むなよ!」とか、
「異星人の特番なのに、経済ニュースもはさむのかよ!」とか、
「つか、なんでびっくりお年寄り選手権みたいになってるんだよ!」とか、
「つかこれ、完全にお昼のワイドショー状態ですよね!?」っていうツッコミを
胡散臭いSF小説家に代弁してもらいつつ話が進み。

っていうか。るいちゃんが実家を継ぐという話が
さらりと流されていたんですが。それって重大な話じゃないの!?

ともあれ、やっぱり暁がかっこいい。
ヴィンスーの上を跳び箱飛びする暁がめちゃくちゃかっこいいし。
前回に引き続き、今回も暁のモテエピソードな回だった。

でもさ、暁のあのカサ、女物っぽい色だったよね?
てっきり「他の女の子から借りたカサ」っていうオチだと思ってた。
いや、名前が刺繍してあったから、女子からのプレゼントかもしれぬ。

ヴィンスー、なにげに強かったな。

超光戦士シャンゼリオン 35. 呪う女と救いの女

2017-12-04 09:00:00 | 超光戦士シャンゼリオン
新しい筋肉強化剤の輸送を引き受けた暁と速水を、暁を恨む小夜子(=ザファイア)が再び襲う。逃げる暁だが、小夜子のしつこさも半端ではない。暁は看護婦、土木作業員、自衛隊員、シスターと次々に自分のガールフレンドたちに助けを求めるが・・・。


冒頭でいきなり振られ、落ち込む暁に「あぁいつもの展開だなぁ」と笑っていたら、
なんと電話一本で(正確には電話じゃないけど)次々とガールフレンドを呼んじゃう暁。
まじかー、この終盤で、まさかの能力を発動してきたな。

まぁ、もてると思うのだ実際。
「ふられキャラ」みたいな感じでやってきたので、そういうポジションかなと思ってたけど
実際にこういう人がいたら、そりゃもてると思うのだ。

「暁! なに急いでるの?」
「ははっ、好きだぜ?」


この返しとかさ、もう、そんなん落ちるに決まってるじゃん!
この子はさ、暁がいまどういう状況なのかとか、ぶっちゃけどうでもよくて、
ただ、久しぶりに会えた暁と、もっと話がしたいだけなんですよ。

そういうのを、おそらく理解してるわけじゃなく、野生の勘みたいな感じで
彼女がもっとも喜ぶ言葉を、的確に返しちゃうとか。もう、な。

それに、大勢の女の子の名前をちゃんと把握してるとことか、
もう「わかるわー、それはモテるわー」って唸りまくりの回でした。

あとは、女の子ひとりひとり呼んで面接してる宗方さんな。
お前なにしてんねん、っていう。
意味不明なシーンではありますが、あの面接シーンが良かった。

でもって。
おむすび食べたのにザ・ブレイダーは召還しないんですね?っていう。
この終盤でようやく登場した追加戦士なのに、出てこないっていう贅沢。