素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーカブト  視聴後感

2017-05-11 09:00:00 | 仮面ライダーカブト
「龍騎・555・剣」は、仮面ライダーの鬱展開3部作と言われていますが、
「剣・響鬼・カブト」は、仮面ライダーの迷走3部作じゃないかな?と思いました。

いや響鬼は大好きだけどね! 響鬼は名作だと信じて疑いませんが!

剣も響鬼も中盤から脚本家を変えるとか、迷走したな〜っていう感がアリアリですが、
カブトは、前半楽しかったのに、後半なぜかグダグダになった感がすごい。

具体的に言うと、22話くらいまでは面白かったです。
23話からの、エリアXとか渋谷隕石の謎とか、
あの辺りから楽しめなくなっちゃったんだよな。

なんだろな、普通だったら「物語の核心に迫るミステリー」とか、超盛り上がるところなんだけど、
まぁ、物語全般の「縦の流れ」がちぐはぐだったというか。
伏線回収してないとかそういうレベルじゃなく、投げっぱなし投げまくったな〜って感じ。

あと、ワーム天道。彼ももっと丁寧に書いて欲しかった。ていうか説明足りなすぎ。
彼は打倒・天道のために作られたダークカブトとして、もっと天道とサシで勝負すべきであったし、
その途中で、天道に人間の生き方を教えられたりとか、
自分の存在意義に疑問を抱いて、ネイティブの命令を無視して天道に弟子入りしちゃったりとか、
ひよりちゃんの料理を食べて感動し、ひよりちゃんを独占しようと誘拐したりとか、
(異空間まで行かなくてもいいので、もうちょっと近場で)
んでもって、天道に「おばあちゃんは言っていた。どんなに旨い料理でも、一人で食べれば砂の味、てな」
みたいなことを言われたりとか。

つーかさ、ワーム天道はもともと人間だったんだよね?
だったら!人間だった頃の記憶を取り戻したりとか、昔の家族に会いに行っちゃったりとか、
そういうエピソードを!なぜやらない!?

あとは。加賀美くんの弟エピソード(4話)は
ワームとあれこれ関わった中盤あたりにやるべきだったし。
神代剣は「もっとも憎むべきワームが実は自分自身だった」という現実と、しっかり向き合うべきだったし。
大介の「さらばゴン」のエピソード(18話)は、終盤までとっとくべきだった。
あれだけ良い別れ方をしたのに、しれっと帰ってきたらダメだろ。

あと、ホッパー兄弟。明らかに足りてない。
ホッパー兄弟が主人公のエピソードが欲しかった。彼らの1日を見守る回が欲しかった。
・・・って、それはさすがにお子様の需要がないか?
でもカブトは料理番組だから、いけるって!

なにしろ、ホッパー兄弟の扱いは雑だったよね。
彼らは死なずに、船の上で星を眺めながらエンディングだったら良かったのに。

そんなこんなで。もう本当にカブトは設定がすっごく面白いと思うんですが
いろいろと不完全燃焼で、もったいないもったいないって念仏のようにつぶやいてました。
とは言え。偉そうにあれこれ言いましたが、私にはこういう設定を考える力はないので、
想像主たる製作陣に「こうした方が良かったのに」なんて提案するのは神をも恐れぬ行為ってやつなんですけどね。

うーむ。同じ米村脚本のディケイドを1期最後のデザートにとっておいてあるんですが、
だ、大丈夫かな?

仮面ライダーカブト FINAL

2017-05-03 08:00:00 | 仮面ライダーカブト
全人類をネイティブ化する。根岸たちの陰謀を知った加賀美は、その阻止に向かう。たったひとりで戦う加賀美のつかんだものは? そして、戦いの果てに明かされた天の道とは!?


気分は完全に消化試合なんですが、それとは裏腹に
最終回専用のタイトルロゴまで作って盛り上げてくる本編です。

「送信施設・・・?」テレビ画面にタイミングよく映るテレビ局のアンテナ。「これか!」
っていう展開が、おまえは昭和40年代か!っていう単純さで
(いや昭和40年代の番組はよく知りませんが、いまウルトラセブンは観てます)
あーははは、と半笑いで画面を眺めてたんですが。

しかし。前回ガレキの下で力尽きてたのに、何の説明もなく復活してる天道。
なぜかアンテナ塔から生身で飛び降りる天道。
ラスボスの前に颯爽と現れ、可憐な花でもって石を串刺しにする天道。

そういうことですよ!カブトってそういうライダーだったじゃん!
もうね、このね、「理屈はいらない、なぜなら彼は『天道総司』だから」とでも言うべき
突き抜けたところが、久々に懐かしくてですね。

そして、「カブトオオォォォォ!」っていう弓削さんの絶叫も、悪党あるあるで熱かったし、
肉弾戦メインの戦闘シーンがけっこう長目にあったのも、とても良かった。

唐突に復活したダークカブトが、唐突に根岸さんを捕まえて
「え?え?」ってなってる間に炎の中に飛び込んで自爆したのも、
まぁなんだ、苦笑い案件ですが、最終回あるあるで良かったことにしよう。

んで。ラスト天道の「1度しか言わないぞ」っていうセリフ。
もうね、「デレがくる、デレがくるぞ・・・!」っていうのがね、
このあとに続く会話は、まぁ何を言うかだいたい予想通りなんですけど、
すっごくもうニヤニヤしながら観てました。

なんつうか、「終わりよければ全てよし」だな、
この最終回のおかげで、不思議と「カブト、良かったね」とニコニコしている。

仮面ライダーカブト 第48話

2017-05-02 08:20:00 | 仮面ライダーカブト
ZECTのネックレス配布計画に抵抗をつづける天道。共存と平和を訴える根岸に共鳴する加賀美。2人の対決の時が迫る。


「かわいそうにねぇ、命ある限り生きてゆきたい。
 その想いは、すべての生き物においても同じじゃないかな。
 かれらはちょっと、やり方を間違えただけなんですよ」


そう言いながら、ワームの屍体(のあとの粘液)をためらうことなく踏みにじって歩く根岸さんですよ。
残り2話でやるべきシーンじゃねえよ!もっと早く見せてくれよこれ!!

てな感じで。最終回目前で一気に回収に入ってきたんですが、
もっと!もっと計画的に!もっと丁寧に見せて欲しかったよこの流れ!

つまり、なんだ。
・35年前にネイティブ型ワームと接触した加賀美パパと日下部パパは
 いずれ来るべき渋谷型ワームの到着に備え、ネイティブからライダーシステムを受け取る。
・しかしネイティブの真の目的は、地球征服にあることを知った二人。
・日下部パパはライダーシステムにこっそり「赤い靴」機能を搭載するが、
 その後、妻もろともネイティブに殺され、擬態される。

いや、考えてみたらこの時点で「赤い靴」機能はネイティブにバレてんじゃん。
加賀美パパは、日下部パパがネイティブに殺されてることを知らなかったのか。

・一方、ネイティブは人間をワームに変える実験に成功。
・初の実験体を、天道の姿に擬態させる。

「赤い靴」機能を防御するためにダークカブトを育てたってことか?

うーん。とりあえず
・天道はなぜ、ペンダント計画の真実を加賀美くんに打ち明けなかったのか。
 (これはまぁ、本当に「気に食わない」以上の確証がなかったせいかな)
・加賀美パパは、なんで計画の全容を加賀美くんに伝えておかなかったのか。
 (時期を見て・・・とかやってるうちに話そびれたか)

あと。人間をネイティブ化させようっていう計画が、理解できぬ。
「ネイティブは争わない素晴らしい生命体だから、YOU達もJOIN USしちゃいなよ!」
っていうことなんですけどね。え?なんなの根岸さんは自分たちを完全なる善だと信じてるの?

いや、普通だったら、植民地の先住民なんてそのままの姿で隷属させたらいいじゃん?
見た目から差別化がはかれるし、支配階級の特権意識も守られるし。
それを、自分たちと同じ姿にするとか、気持ち悪くない?
人間がよその惑星を支配したときに、その惑星の宇宙人を人間化させたいとか思う?
かつて宇宙人であった「人間」が、自分たちの間に入り混じって普通に生活してるとか、気持ち悪くない?

・・・などという仮定の話をすると、
自分がどんだけ悪党発想してるかっていうのが如実に出るよな(笑)

つまり。「人間をネイティブ化する」っていうのは、人間にとってはめちゃくちゃ恐怖なんだけど、
ネイティブにとっては、そこまで苦労してやる意味あんのかなーっていう。
単に「視聴者を怖がらせたい」という目的の演出なんじゃないの?と思ったわけですよ。

しかし、それがネイティブの人たちの占領戦略、
少数で惑星を制圧し、自分たちの種をコピーして領土と勢力を増やしつつ
次から次へと侵略を進めていく、っていう作戦なら、まぁアリかなと。
(それにしたって、30年以上もおとなしくしてたのは意味わかんないけどな)

んで。ネイティブの人たちにワーム化されたどこかの惑星の人たちが
自分の惑星を滅ぼしたネイティブを追いかけて、渋谷隕石にのって地球に落ちてきて
この地球でネイティブと戦っていたんだとしたら、ちょっと面白くない?
平和を唱え人間に庇護されていたネイティブが実は占領者で、
暴力的な渋谷型ワームが、故郷を滅ぼされ種を奪われ、復讐を誓った被害者だったとか。

まぁそういうのはいったん置いといて。

「正義は、俺たちにある。俺は、お前を倒す」
「バカバカしい。おばあちゃんが言っていた。正義とは俺自身。俺が正義だ」


っていうね。わりと「正義の味方」であることを否定することが多い1期のライダー達の中にあって
堂々と「俺が正義」と言っちゃうところが天道。さすが天道。
そしてそのあとの、カブトとガタックの対決な。この二人は対になる存在なのに
味方同士(しかも加賀美くんは天道に憧れてる)なので対決しないなぁと思ってたんですが、
この終盤に来て真正面から対決するっていう!
ここの、二人のやりとりから変身、対決するまでが、超格好良かった。とても良かった。

次回、いよいよ最終回。

仮面ライダーカブト 第47話

2017-05-01 21:00:00 | 仮面ライダーカブト
ワームの激減を受け、秘密のベールを脱いで公然と活動を始めたZECT。ネイティブの協力のもと、ワームの残党狩りがつづけられる。そんな時勢に、たったひとり反旗を翻そうとする天道は・・・。


つまり、アンチミミック弾ですよね。ネックレス配布計画。
アンチミミック弾自体は「偶然の産物」で、「たった3弾しかない」という話でしたが、
おそらくそれはネイティブ側の「情報の出し惜しみ」というヤツであって、
ネイティブはその仕組みを解明し、量産体制に入っていたというわけですよ。

ここで気になるのが、ネックレスの性能です。
ネイティブが作り、配布してるくらいだから、
おそらくネイティブには反応しないよう改良されてるんだよね?
田所さんはネックレスに反応してなかったし。

だとすると、なんで天道がその邪魔をするのかなーって話ですよ。
あのネックレスの目的が、実はアンチミミック機能じゃなくて、
つけた人間を支配するような、ネイティブによる世界征服の一端だったとか
そういうオチなんでしょうか。

追撃してくる渋谷ワームを、人間に貸与したライダーシステムで迎撃
→渋谷ワームを駆逐したら、人間からライダーシステムを取り上げる
→人間が反撃できなくなったところで、ネイティブにより世界征服
という流れだと、いやぁ悪党っすねぇワーム。

ネイティブは人間の味方と言っても、人間を殺して擬態してるわけで、
人殺しをしていない唯一のワームが、ひよりちゃん、だから守って当然、ということか。
考えてみたら天道ワームだって人殺ししてないよね? いや、現在進行形で悪さしてるのかな。
田所さんは退治しちゃっていいのか? 順当に考えるなら、許されるべきではないよな。

とりあえず。「そういや怪しい三島さんが回収されないまま終わりそうだな〜」と思っていたら
ここへきて正体不明な行動を始めたので、ちょっと安心しました。
本当に、広げた風呂敷を回収するのが一番大変ですよね。残り2話。

仮面ライダーカブト 第45・46話

2017-04-28 08:30:00 | 仮面ライダーカブト
かたくなだった岬の心も、神代剣の真心にしだいに融かされていた。しかし、乃木率いるワーム軍の動きがみたび活発化。剣の思いに岬が応える日は来るのか?


久々の2話連続視聴。
ただ今回は、「どーしても続きが見たくて我慢できなかった」とは真逆で、
「早く最終回にならないかなー」っていう、大変ネガティブな動機である。
大変申し訳ない。

しかし、なんというか本当に井上脚本らしいお話でした。
ベタな展開だけど、やっぱ「わざと悪党を演じて倒される」っていうのは
グッとくるものがあるよね。

ということで、「すべてのワームを倒す」は成就されたのか?
渋谷型は全滅したっていうことでいいのかな?

そんな感じで残るはラスト3話。