
「横川巡回隊員候補生はおるかのぉ~」

「ここにいますよ」

「今日は儂が横川を案内しちゃげるけん、着いてきんさい」

「楽しみです!」

「ここが石州街道の上を山陽本線や山陽新幹線が通るいわゆるガード下じゃ」

「ここ石州街道っていうんですか。浜田広島街道とか、旧54号線とか、旧道とかいうんですけどね」

「ほんまか、Googleマップみたら石州街道って書いてあるで」

「私のマップには書いてないですけどね。でも、拡大縮小したら出て来ますね

」

「君はワンちゃんなのに驚き顔が猫ちゃんになっとるぞ!」

「選択肢が少ないもので・・・」

「どうやら、石州に向かう街道の多くが石州街道らしいの。Wiki先生は、山口と島根を結ぶ街道を石州街道っていうってあるから諸説あるんじゃろうのぉ」

「石州街道は置いといて」

「このガード下には昔から多くの飲食店があったらしいのぉ」

「この地生まれの私の微かな記憶では、なんか小汚い飲食店が沢山あったような・・・」

「失礼なことを云っちゃぁいかん」

「こういう高架下って排ガスが澱んでるイメージあるじゃないですか。そのイメージから勝手にそう思っただけでして。関係者の皆様大変失礼いたしました」

「石州街道を南下すると横川くろすろーどって商店街が見えてくる」

「その商店街の入り口、いや出口には」

「何やら激安そうな串カツ店」

「ここにはその昔、肉のますゐの横川店があったのです」

「肉のますゐ。それ何ねぇ?」

「八丁堀にある肉屋さんなんですが、とんかつ定食が当時290円って激安価格だったので、貧学生の愚昧は週1で食べてました。今でも430円だったかな」

「それは凄いのぉ」

「でも、そのとんかつが激薄なんですけどね。ソースに中毒性があって」

「とんかつというよりはソースを食べに行っっとったんじゃ」

「バレましたね

」

「君はワンちゃんなのにテレ顔が栗ちゃんになっとるぞ!」

「そのご指摘、ご容赦ください!」

「この商店街の中ほどに本日、目指すお店はある!」

「うさちゃん、此処は何度か紹介している立ち食いうどんのお店ですけど!」

「いけんのん?」

「探検隊シリーズは、新しいお店を紹介するのがテーマですけど!」

「誰が探検隊云うたんじゃ、儂ぁ、横川を案内する云うただけじゃろうが。」それにこのお店での立ち飲みは初紹介の筈じゃが」

「確かに、芸風は探検隊ですけど、一言もそんなこと言ってないし

」

「顔は猫ですけど、私は犬ですから」

「賭場口に張り付いて」

「品書きを眺める」

「瓶ビール頂戴な」

「牛たたきはあるかいのぉ~」

「大きさは?」

「大で」

「にんにく要る?」

「お願いします!」

「これぞ、立ち食いうどん屋の豪快さ!」

「店主さん手造りの牛たたき」

「美味いない訳がない」

「奥の方には椅子席もあるんじゃが」

「私ら素人には立ち飲みゾーンの方が居心地が酔い!」

「新しいお客さんがお見えになって」

「店主がサッと品書きを差し出す」

「もしかして、先程はフライング頼みしたのでしょうか?」

「かもしれんのぉ・・・」

「もう一品行きますか」

「メンマ頂戴な」

「お代わりした瓶ビールもすっかりやっつけて」

「かけうどん、頂戴な」

「呉うどんの様な細うどん」

「お会計を願出て」

「2390円也」

「うさちゃん、この写真、看板は辰屋ですけど、お店はお向かいですよ!」

「探検隊は、行ったお店だけじゃのうて、周りのお店にも行ってみようと思わせるのが任務じゃけんのぉ」

「やっぱり探検隊だったのですね!」
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