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超還親爺の独り言

@ひとよ

2024-04-26 19:45:58 | 日記
男は一軒の立ち飲み屋の前で立ち止まった
長い間の宿題店
いや、この場所に移転してこられたのが1年前だから
1年間の宿題店
その間、何度弾かれたことだろうか
早い時間には満員で、遅い時間はネタ切れで弾かれる

そもそも男が飲み歩くのは水曜日
しかし、基本的に水曜日は市場が休み
鮮度を基本とするお店が定休日なのは致し方ないところだ



男はドアを開ける前にほくそ笑んだ
目の前のカウンターの端っこに空隙が見える
「一人なんじゃけどのぉ~」
の決まり文句を言うまでもなく、男はその場所に張り付いた

男は目の前の品書きを手に取り一瞥した




「お飲み物は何にいたしましょう」
「日本酒が飲みたいんじゃが・・・」
「日本酒のメニューは中央にある黒板になります」



フロアの若い女性は、愚昧の手にスマホが握られているのを確認して
「写真に撮っておかれると便利ですよ!」
男は表情を変えることなく頷いた



男は早速「たかちよ」を所望した



新潟といえば、越後のおかぁさんが偲ばれる 男は表情を崩すことなく泣いた

刺身も一人前発注する



この辺の立ち飲み屋では群を抜いていると言われている鮮魚



間違いないであろう
男は心の中で思った(知らんけど

酔鯨を願い出る



天ぷらは、アスパラと白身



強面の大将の様子を探る
この段階で、男はマスターなのか、板さんなのか、親爺なのか、おとうさんなのか、おにいちゃんなのか、あるいはその他の呼び方があるのか知る由もなかった
そもそも、男はそういう呼称で呼ぶことはないのであるが



何種類か寿司を願い出て
ついでに田中六五を発注した



あまり東では口にしなかった
福岡のお酒



男の寿司タイムが始まった
とろたく



いつもは〆に細巻きを頼むのであるが、この日は同時に頼んだため最初に来てしまった
だからといって、どうってことはないのだが



男は芽ねぎがあるとつい頼んでしまう



シャキシャキの食感が好きなのだ

いくら



これはセルフなのか



男は不器用であった

お会計を願い出た



「立ち飲み ひとよ」覚えておこう



いつも人気で弾かれる理由が分かったような気がした

男は自分が出てきたビルを振り返った
「俺の後ろに立つな」



男は洋光台行のバスに飛び乗った



横浜ではありませんから



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