東京都美術館の建物そのものを見て回ろうという、
東京都美術館建築ツアーに参加してきました。
ようやく記事がまとまったので、UPします。
現存の建物って、前川國男の作品なんですね。
あまり気にしていませんでしたが、意外な人物の作品です。
まず話があったのが、このタイル。

色がレンガ色なので、レンガだと思いがちですが、タイルだそうです。
壁のコンクリートを施工する際、
コンクリートの型枠に桟木と言うタイル固定用の枠を付け、
その桟木にタイルの小さい穴に釘を打ち付けタイルを仮止め。
そして、大きな穴からコンクリートを打ち込んで、
タイルを固定するという工法だそうです。

詳しくは、こちら
この写真で気がつくことは無いでしょうか?

“東京都美術館”と言う銘版の脇にうっすらと線が入っています。
って言うか、楕円で囲っているから明々白々ですよね(笑)
これは、この新館が建築されていた頃、丁度オイルショックになってしまい、
一時的に建築が中断した名残らしいです。
コールドジョイントになっています。
拡大してみます。

拡大しても、ちょっと判りにくいですね(^^;)
このY字型の手すりも、前川建築には多く見られるそうです。

中央棟1Fの佐藤慶太郎記念アートラウンジに行きます。
東京都美術館には、何度も来たことがありますが、
ここに来るのは初めてですが、結構イイところですね。
東京都美術館の前身、東京府美術館の成立には、
九州の炭鉱王と言われる佐藤慶太郎氏が
当時の100万円(現在では33億くらい)を
ポーンと寄付したらしいです。
凄い。
なので、胸像も当然あります。

これは、その佐藤氏の寄付により作られた東京府美術館。

ローマ風の玄関だったりと、威風堂々とした感じですね。
でも、この建物は長い年月の風雨により老朽化したため、
取り壊して建てられたのが、前川國男の設計による
今に伝わる東京都美術館の建物。

東京府美術館から伝わる建物を旧館と呼ぶのに対して、
新館と呼ばれ、最初の頃は、こんな感じでした。
しかし、この新館も、40年くらい経って老朽化したので、
2010年から2012年まで休館して改修されてこうなりました。

違いが判りますか?
公募棟の屋上にソーラーパネルが付いたり、
企画展示棟が新しくなったりしています。
中央棟1Fから地階のロビーへ。
この1Fからロビーへの階段は、“おむすび階段”と
言われているらしいです。

三角形の真ん中辺りに丁度梅干しのようにライトが見えます。
この東京都美術館は、結構こう言うおむすびモチーフが散見されて、
インフォメーションの卓も三角形だったりしています。
その他、公募棟は4つあるんですが、それぞれ色が決まっているとか、
そこかしこに置かれている椅子・ソファーは、実は、建物の改修に際、
脚を5cm継ぎ足して継続して使用しているとか、色んな話が聞けました。
時間は40分くらいだったので、このくらいでツアー終了。
普段は目にしない視点だったので、結構面白かったです。
あとは、本当に普通は入れない場所のバックステージツアーがあると、
面白そうです。