北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2015.10.11 『アポイ岳』(811m)~『吉田岳』(794m)~『ピンネシリ』(957m)
10月の三連休、私とHiromiが土曜出勤で午前中動けなかったので、その午後移動日として南日高に向かった。
ここ数年、好天に恵まれてきた10月の三連休だが、今年はどうにも良くなく、極力雨に当たらない方へと向かったわけだ。
そして結果は、まあまあ良かったんでないかい。
日曜日の朝、『アポイ岳』の麓で目覚め、早速準備。
空はどんよりと鉛色の雲に覆われ、時間の経過とともに絶対雨が降ると確信させてくれる。
この日はHiromiが以前から熱望していた『アポイ岳』に登ることにしていた。
天気予報によれば、午前中はなんとかもち、午後確実に降るとのこと。
6時ちょうど、登山口をスタートした。
広い駐車場には他の車なし。
もう何回も登った私だが、この駐車場に車がなかったのは初めてだ。
しかし、それはそれで実に気持ちよく、二人してルンルン気分で歩を進めた。
登るにつれて背後に広がる太平洋と様似漁港の風景が、この山ならではの「美」。
7時40分、『アポイ岳』頂上着。
申し訳ないがこの日の行程の中で、この頂上が一番つまらない。
樹木に遮られ、視界が全く利かない。
しかし、それを過ぎると素晴らしい世界が広がる。
この山域に足を踏み入れる登山者の99%は『アポイ岳』頂上を折り返して下山する。
だが、それではこの山域の素晴らしさを堪能することはできない。
『アポイ岳』から『吉田岳』、『ピンネシリ』へと続く稜線は、たかだか1,000mに満たない連なりであるにもかかわらず、高山の雰囲気がプンプン漂う素晴らしい世界だ。
8時15分、『吉田岳』着。
ここに立っても『ピンネシリ』はまだ遠い。
しかし見た目ほど時間がかからないのが不思議だ。
高山植物の保護目的で施設されたロープ枠が続く登山道が切れると、低い笹原となる。
そしてここからは登山道とは言えず、踏み跡をたどることになる。
最後にここを訪れたのが4年ほど前であろうか?
そのときはまだはっきりしていた登山道が、ほとんど消えている。
ただ、深くてもふくらはぎ程度の笹原に覆われているので、「登山道は基本的に尾根の頭を行く」という基礎知識が備わっていれば、迷うことなく目的を達成できる。
9時30分、『ピンネシリ』頂上。
この最後のピーク基部辺りで南からガスが流れ込み、何も見えなくなってしまった。
『ピンネシリ』の頂上から360度開けた世界を楽しみたいという私の願いは今回も叶わなかった。
復路はガスの中の世界で、『アポイ岳』までは全くなんにも見えず、『アポイ岳』からは雨が降り出した。
この下りで多くの登山者を抜いて下山した。
みなジオパークに指定された『アポイ岳』への観光目的らしく、アップシューズオンリー。
そしてたまげたのが、スーツを着た高齢者だ。
何を考えておられるのでしょうか・・・
12時45分、登山口着。
雨に当たりはしたが、この行程の往路で目にした世界は決して忘れない、素晴らしい山旅であった。
初登のHiromiも感激しきり・・・
2015.8.29 『ペンケヌーシ岳』(1,750m)

この週末は金曜の夜出て、穂別の「樹海温泉はくあ」まで走って車中泊。
土曜の朝5時半に起床。
これが自宅発だともっと早くに起床しなければならなくなるので、できる限り金曜の夜に出発してしまいたい。

石勝樹海ロードの日勝峠手前より『ペンケヌーシ岳』を目指すべく、パンケヌーシ林道に入った。
この林道はかつて、営林署が管轄していた時代に、春先の山菜シーズン以外常時ゲートが閉じられていた。
そしてゲートのカギを日高町の営林支局で借り受けなければならなかった。

しかし、私は全6本の合鍵を全て所有しており、自由に出入りしていた。
ところが、そんな合鍵を使って入山したツアー登山が遭難事故を引き起こし、旧営林署から変わった当該森林管理署が厳重な鍵に付け替えた。
そのカギを借り受け、返納するのに手間がかかったのも3年だったか。
現在は夏期間常時開放されている。

私がパンケヌーシ林道を利用して登る山は、『チロロ岳』(1,880m)、『ペンケヌーシ岳』(1,750m)、『ルベシベ山』(1,740m)の3山だ。
沢屋さん達は他にも登っているようだが。

8時、パンケヌーシ林道六の沢の林道終点登山口をスタートした。
登山口には先行者の車が一台だけ。
しかし、先行者の車があること自体珍しいことだ。

昔はけっこう人に出会ったこの山も、ここ数年はほとんど人に出会うことがなかった。
「好きな山に好きなだけ登る」というのが私のスタイルで、この山にももう30回以上は登っているだろう。
そんな私から見て、何故登山者が少ないかと言うと、林道走行の長さにあると思われる。

石勝樹海ロードから『ペンケヌーシ岳』登山口まで約18kmを走らなければならない。
全て砂利道であり、ちょうど中間点に『チロロ岳』の曲沢登山口がある。

この日は下山後の移動をみても十分時間があったので、ゆっくり登山だ。
私一人だと1時間20分ほどで頂上に達するが、1時間55分をかけてゆっくり登った。
先行者の二人を頂上手前で追い越し、誰もいない頂上から雲海や360度の展望を楽しんだ。

そして先行者が頂上に到着すると同時に移動して、手前のピークまで戻って食事だ。
頂上より手前ピークの方が見渡す風景に恵まれている。

下山も作業道を利用(10年ほど前から沢を登らず、途中まで古い作業道を利用して登るルートができた)せず、Hiromiに沢歩きを慣れさせようと、登りと同じ沢を下った。
この沢、普段から水量が少なく、登山靴を濡らすこともないのだが、この日は私が見てきた中で最低の水量だった。
沢を下りきり、最後の渡渉を終えて登山口への林道に入ろうとした時だった。

私が石につまずき転倒。
両方のスネを強打したため、痛みが治まるまで膝に手を着き地面を見つめて耐えた。
やがて痛みは治まり、フッと辺りを見るとHiromiがいない!

私がうずくまるわずかな時間に私の前を急いで渡渉し、登山口に向かったとは思えない。
誤って登山口とは逆方向の作業道を登っていったのではないか?
困った。

急ぎ作業道を追いかけるも姿は見えず。
その間に別の方向から登山口に向かっては大変と、また急いで分岐点に戻る。

結局分岐点から動けなくなった。
一人ではどうしようもない。
携帯も圏外だ。

冷静に、15時までに下山してこなければ他の下山者に頼んで、警察に捜索を依頼しようと決めた。
そう決断し、一旦車に戻って下山していないことを確認。
防寒衣類、水、食料をザックに詰めなおして再び行方不明になった分岐点へ向かった。

そしてその渡渉点についてみると、HiromiがGPSを手にたたずんでいる。
「Hiromi!!」、「ああ~っ!」
やはり登山口とは逆方向の作業道を登って行っていた、ピンクテープに誘われて。

先ほど沢を下ってきてよ、また作業道を沢の上流に向かっていくわけねえべえ!
もちろん叱りつけた。

Hiromiが行方不明になりかけたのは、これで4度目だ。
一生懸命に頑張る姿はめんこいが、ひじょーに手のかかるやつだぁ・・・
2015.7.11 『チロロ岳』(1,880m)~『チロロ岳・西峰』(1,848m)

この週末は久しぶりに土日通して自由だ。
天気も上々!

土曜の早朝出発で北日高に向かった。
日勝峠手前からパンケヌーシ林道に入って9km先の『チロロ岳』登山口へ。

7時に20分スタートで『チロロ岳』~『チロロ岳・西峰』を目指した。
この両ピークに登るのは久しぶりだ。
登りながら「いったいこの山に何度登っただろう?」と考えた。

記録をチェックすれば正確な回数を割り出せるが、感覚的に『チロロ岳』本峰へは15回くらい、『西峰』へは2回登っていると思われた。
本峰に比べて西峰に登った回数が極端に少ないのは、この山に登ってきた多くの時が日曜日の日帰り行だったからだ。
日曜日はパッと登って早く帰宅したい。

ただの肉体労働者(配送業務)である私は、月曜の朝が大変だ。
出勤すると注文伝票の山が待っており、その積み込みにとことん追われる。
だから日曜日は極力早く帰宅してゆっくり休みたいのだ。

Hiromiはこの山が初めてなので、予定を組んだ時からルンルンだ。
登路に利用する曲沢は(日高における多くの沢がそうであるように)毎年その様相を変える。
豪雨による土石流の発生で沢の姿そのものが変わってしまう。

沢を利用するといっても沢靴は必要なく、登山靴で足を濡らすことなく登れる。
しかし、そんな沢でも沢登り自体に慣れていないHiromiの足は予想通りではあるが、期待ほどテンポ良くは進まない。
ゆっくり少しずつ登っては、ジリジリ差が開いて行くHiromiを待つことを繰り返していると、登り慣れた登路もずいぶん長く感ずる。

先行者4組のうち、相当早い時間にスタートしたと思われる単独行者と二の沢ですれ違った。
あとは追い越したので、スタートして3時間10分後、『チロロ岳』本峰の頂上に立った時には誰もいなかった。

空は相変わらず青く、360度の展望を楽しめた。
特に南に広がる北日高の主稜線が素晴らしく、その奥に『カムイエクウチカウシ山』や『札内岳』もがくっきりと見えていた。

『チロロ岳』本峰に長居はせず、『チロロ岳・西峰』を目指して移動。
一旦両ピークのコルまで下って『西峰』の踏み跡をたどるのだが、こちらは年々わかりづらくなっている。
分岐からは思わず見逃してしまいそうな踏み跡だ。

その後の進路もわかりにくい。
ただ、最初のピークに上がってしまえば明瞭な登山道が続く。

11時45分、『チロロ岳・西峰』着。
ここでも空はどこまでも青く、決して雲が湧き出す気配さえない。
ゆっくり昼食を摂り、あとから到着した釧路のご夫婦としばし談笑。

下山はまた同じ沢を下るので、長い。
ひとりで下るとたいして長くは感じないのだが、登り同様、スタスタと下ってはしばらくHiromiを待つことを何度となく繰り返す。
そしてその待っている時に脚の数カ所を虫に刺されたようだ。

全く気にはならないが、今日になってその刺された跡を見つけたHiromiが「申し訳ないです」。
「申し訳ない」ったって、しょうがないっしょ、速く歩けないんだから。

特に沢で無理をしてはいけない。
即、大怪我となってしまう。

14時55分登山口着。
7時間35分のなんとも言えず、気持ちの良い山旅であった。
天候のことを全く気にぜずにすむ週末はいつ以来かな・・・
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