テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

思い出の西部劇 ②

2009-07-12 | [コラム]
 前回記事の「ララミー牧場」と「ローハイド」はゴールデンタイムの1時間の放送だったと思いますが、30分モノの番組も沢山ありました。

 まずは「ローン・レンジャー」。
 黒いマスクを付けて、腰には2丁拳銃。白馬に跨(またが)ったガンマン、人呼んで“ローン・レンジャー”が活躍する西部劇で、白い愛馬の名前が「シルバー」。ローン・レンジャーが悪者を追いかける時などにシルバーに乗って『ハイヨー シルバー!』と掛け声を出すのも定番で、その時にかかる音楽が(何故か)ロッシーニの「♪ウィリアム・テル序曲」というのもお決まりの、勧善懲悪型の子供向けドラマだったと記憶しております。
 彼をサポートするのがインディアンのトント。ローン・レンジャーを『キモサベ』と呼び(トントの使うインディアン語で“友達”とかいう意味だったと思います)、何かというと『白人嘘つき。インディアン嘘つかない』などと言うので、この二つの言葉は子供たちの間で結構流行(はやり)ました。

 『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、<『ローン・レンジャー』(The Lone Ranger)は、ジョージ・W・トレンドル(George W. Trendle)、フラン・ストライカー(Fran Striker)原作の、西部劇を題材としたラジオドラマ。1933年にラジオドラマが放送されて以来、アメリカン・コミックス化、テレビドラマ(1949年-1958年、全221話)化、映画(1956年・1958年・1981年)化もされた。・・・
 日本ではテレビドラマ版が1958年からテレビ放映され、黒い仮面をつけた主人公が白馬にまたがった姿が、アメリカ版『鞍馬天狗』として親しまれた>とのこと。

 ローン・レンジャーのキャラクターについては殆ど忘れてしまっているのですが、色々なサイトの情報によって背景が分かってきました。
 元々はテキサス・レンジャー(騎馬警官隊)の一員だったのですが、ある時無法者の一味に狙撃されて5人の仲間は殺され、瀕死の重傷を負った彼一人だけ、たまたま通りかかったインディアンのトントに救われる。彼はその後6つのお墓を建て、自分も死んだように見せかける。死んだと見せかけて、無法者達を捕まえようとしたわけですな。亡くなったレンジャー隊の隊長は彼の兄で、兄の制服を使って黒いマスクを作り、以後ローン・レンジャーとして、悪者達を懲らしめたというわけです。
 ローン・レンジャーは、普段は仮名を使って一般市民として暮らしていたようで、事件の臭いをかぐとマスクを付けて乗り出すという具合。つまり、「スーパーマン」や「バットマン」、「グリーン・ホーネット」、そして「スパイダーマン」さえも「ローン・レンジャー」から派生した物語だったわけですね。
 マスクを付けた正義の味方といえば、コレより前に「怪傑ゾロ」という物語がありました。ゾロも普段は弱々しい青年という仮の姿を保っていましたら、実はゾロこそがこれらの正義のヒーローの大元ネタなのかも知れません。

 私が観ていたTV版「ローン・レンジャー」は、クレイトン・ムーアが主演したもので、トント役はジェイ・シルヴァーヒールス。クレイトン・ムーアは1999年12月に85歳で亡くなっておりました。

 昨年秋の芸能ニュースで、ウォルト・ディズニーによって新しい映画版の制作予定があり、プロデューサーが「パイレーツ・オブ・カビリアン」のジェリー・ブラッカイマー、トント役がジョニー・デップでほぼ決まり、ローン・レンジャー役がジョージ・クルーニーか? との情報がありました。
 さて、どうなったんでしょう?

 “レンジャー”という語感は日本人にも受けたようで、いまだにお子さま向けヒーロー物のタイトルに使われています。
 又、アメリカ、メジャーリーグの西地区には“テキサス・レンジャーズ”という人気球団があり、イチローのマリナーズとペナントを争っています。

続く





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