(1994/監督:フランク・ダラボン/ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ジェームズ・ホイットモア、ウィリアム・サドラー)
思い出の作品から。
<スティーヴン・キングの短編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』に惚れ抜いたフランク・ダラボンの、渾身の劇場監督デビュー作>との事。フランク・ダラボンは、S・キングの原作ものでは、この後「グリーン・マイル(1999)」とジム・キャリー主演の「マジェスティック(2001)」の2作を映画化した。
「グリーンマイル」は同じ“刑務所もの”でも少しタイプが違ってて、ファンタジーがかっていた。ただ、奇跡のような、神懸かりのような展開という点では同じかも知れない。「マジェスティック」も含めて時代設定はいずれも古いです。其処がまた、奇跡を信じてしまいそうになるムードを後押ししてるのかも知れません。
妻とその浮気相手を射殺したとして無実の罪で投獄される銀行マン、アンディ。真面目な彼は刑務所内の図書館係になるが、やがて経理の能力を買われて、所長の帳簿の管理も任される。ある日、所内で知り合った若い囚人に、『自分が犯した殺人の身代わりに有罪になった銀行マンがいる』と自慢話をしていた男を知っていると聞かされて、その男を追求するよう所長に直訴するが・・・。
観てない人でも内容は知っているだろうから、ネタバレしてもいいんでしょうが、一応この辺でやめときましょう。
無実の罪で投獄されるアンディを演じたのはティム・ロビンス。ロン・シェルトン監督の「さよならゲーム(1988) 」で初めて見た時は間抜けな感じだったのに、ここでは頭のいい真面目な男の役なので、あれは役作りだったんだなあと感心した。
しかし、この映画の俳優陣の一番の功労者は、狂言回しとなっている黒人の囚人レッドをやったモーガン・フリーマンですな。今年、「ミリオンダラー・ベイビー」で<アカデミー賞4度目のノミネートにして念願のオスカー初受賞を果たした>らしいですが、もっと早くとっても良かった人です。
今頃、人種で話をするのは珍しいですが、“ダース・ベイダー”ジェームズ・アール・ジョーンズは脇役に徹しているので、主役級の黒人では、デンゼル・ワシントンを越えてシドニー・ポアチエに並ぶ俳優ですな。悪役も出来るので、ポアチエも越えたかも。それほど、この作品のレッドは存在感があった。
S・キングは人間世界の色々な恐怖を描く作家ですが、この作品でも刑務所という世界、罪人の人生の怖さを描いてます。刑務所内の刑務官とのやりとりも怖いですが、釈放後の人生も怖かった。あの辺のモーガン・フリーマンの演技には泣かされました。(いや、私はあんな経験はないですよ)
この作品に感動した人が皆さんおっしゃる、ラストシーンの素晴らしさ。海の青さと砂浜の美しさ。ロング・ショットだから、二人の再会の笑顔を色々と想像してしまう。そこに余韻が残るんですなあ。
それにしても、一発逆転サヨナラ満塁ホームランのような結末でした。
▼(「ミスティック・リバー」に関するネタバレ)
「ミスティック・リバー」を観た時は、この映画を見てしまってたんで、ティム・ロビンスの悲劇は想像しなかった。だから、余計に許せない。ミステリー映画に、あるまじきアノ結末が。
逆に、“リバー”を観た後にコレを観ると、余計感動するかも・・・。
▲(解除)
尚、この映画は1994年のアカデミー賞で、作品賞、主演男優賞(モーガン・フリーマン)、脚色賞(フランク・ダラボン)、撮影賞、編集賞その他にノミネートされたものの、ひとつも獲れなかったそうだ。この年の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞は「フォレスト・ガンプ/一期一会」が獲った。
思い出の作品から。
<スティーヴン・キングの短編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』に惚れ抜いたフランク・ダラボンの、渾身の劇場監督デビュー作>との事。フランク・ダラボンは、S・キングの原作ものでは、この後「グリーン・マイル(1999)」とジム・キャリー主演の「マジェスティック(2001)」の2作を映画化した。
「グリーンマイル」は同じ“刑務所もの”でも少しタイプが違ってて、ファンタジーがかっていた。ただ、奇跡のような、神懸かりのような展開という点では同じかも知れない。「マジェスティック」も含めて時代設定はいずれも古いです。其処がまた、奇跡を信じてしまいそうになるムードを後押ししてるのかも知れません。
妻とその浮気相手を射殺したとして無実の罪で投獄される銀行マン、アンディ。真面目な彼は刑務所内の図書館係になるが、やがて経理の能力を買われて、所長の帳簿の管理も任される。ある日、所内で知り合った若い囚人に、『自分が犯した殺人の身代わりに有罪になった銀行マンがいる』と自慢話をしていた男を知っていると聞かされて、その男を追求するよう所長に直訴するが・・・。
観てない人でも内容は知っているだろうから、ネタバレしてもいいんでしょうが、一応この辺でやめときましょう。
無実の罪で投獄されるアンディを演じたのはティム・ロビンス。ロン・シェルトン監督の「さよならゲーム(1988) 」で初めて見た時は間抜けな感じだったのに、ここでは頭のいい真面目な男の役なので、あれは役作りだったんだなあと感心した。
しかし、この映画の俳優陣の一番の功労者は、狂言回しとなっている黒人の囚人レッドをやったモーガン・フリーマンですな。今年、「ミリオンダラー・ベイビー」で<アカデミー賞4度目のノミネートにして念願のオスカー初受賞を果たした>らしいですが、もっと早くとっても良かった人です。
今頃、人種で話をするのは珍しいですが、“ダース・ベイダー”ジェームズ・アール・ジョーンズは脇役に徹しているので、主役級の黒人では、デンゼル・ワシントンを越えてシドニー・ポアチエに並ぶ俳優ですな。悪役も出来るので、ポアチエも越えたかも。それほど、この作品のレッドは存在感があった。
S・キングは人間世界の色々な恐怖を描く作家ですが、この作品でも刑務所という世界、罪人の人生の怖さを描いてます。刑務所内の刑務官とのやりとりも怖いですが、釈放後の人生も怖かった。あの辺のモーガン・フリーマンの演技には泣かされました。(いや、私はあんな経験はないですよ)
この作品に感動した人が皆さんおっしゃる、ラストシーンの素晴らしさ。海の青さと砂浜の美しさ。ロング・ショットだから、二人の再会の笑顔を色々と想像してしまう。そこに余韻が残るんですなあ。
それにしても、一発逆転サヨナラ満塁ホームランのような結末でした。
▼(「ミスティック・リバー」に関するネタバレ)
「ミスティック・リバー」を観た時は、この映画を見てしまってたんで、ティム・ロビンスの悲劇は想像しなかった。だから、余計に許せない。ミステリー映画に、あるまじきアノ結末が。
逆に、“リバー”を観た後にコレを観ると、余計感動するかも・・・。
▲(解除)
尚、この映画は1994年のアカデミー賞で、作品賞、主演男優賞(モーガン・フリーマン)、脚色賞(フランク・ダラボン)、撮影賞、編集賞その他にノミネートされたものの、ひとつも獲れなかったそうだ。この年の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞は「フォレスト・ガンプ/一期一会」が獲った。
・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】
昔に「トップ・ガン」に出てたことなんか、観たのに知りませんでした。
随分大きな俳優さんやな~と・・。
どこでもMフリーマンはいい味出してますね。
素敵な映画でした。
実は「ドライビング・ミス・デイジー」観てないんです。みーさん達のコメントを読んでて、観たくなってます。
子供の頃から脇役でよく見ていたブルックス役のジェームズ・ホイットモアも枯れた演技でよかったですね。
彼の結末が、レッドの行末を懸念させて、怖い伏線になってましたよね。
「ミズティック・リバー」は未見ですが、拝読しまして観るのがためらわれてしまいました。
モーガン・フリーマンは名役者ですね。
受賞を逃したのは、単に対抗作品「フォレストガンプ」に票が集まったということでしょう。俳優も監督もあちらの方が馴染みの人が多かったでしょうからね。
「ミスティック・リバー」は巧い作品ですが、ラストが皮肉なのか、現実なんてこんなモノだとニヒリスティックなのか、なんとも後味の悪い映画です。そこが良いと絶賛する人もいたようですが。
>モーガン・フリーマンは名役者ですね。
巧いです。「フラッド」でしたか、あれでは悪役でした。とにかく存在感がありますね。
>奇跡を信じてしまいそうになるムード
たしかに挙げている三作品とも、そんな雰囲気がありますよね。役者さんの熱演もあって、どこか独特な雰囲気の世界に一気に引き込まれてしまいました。
奇跡のような話なのに、細かな伏線も張ってたりして見応えがありました。
好きな映画です。