テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ネタバレ雑感 ~「ユージュアル・サスペクツ」

2015-09-24 | サスペンス・ミステリー
 「ユージュアル・サスペクツ」の記事も半分はネタバレですけど、書き足りないものもあったので、ネタバレ前提で書いておきます。

 殆ど褒めていないのにお勧め度★二つはなんぞやと思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、例の「カイザー・ソゼ」の部分を無しにして観れば★二つ半~★三つくらいはあると思うんですよね。テンポのいいカット割りとかアングルとか繋ぎとか、流れるように語ってますから。ただ、無条件に★三つ【一見の価値あり】に出来ないのは、登場人物に既視感とありきたり感があって個性がないから(20年前の作品だからしょうがいないっちゃぁしょうがないけど)。加えて小さいことを言うと、元警官と女弁護士との描写が変なフランスのフィルム・ノアールみたいで、しかも中途半端だったかな。
 ま、「カイザー・ソゼ」を無しにするっていうのも難しいでしょうけどネ。

 さて、「カイザー」が出てくる前、つまり前半からヴァーバル・キント(=ケヴィン・スペイシー)は怪しいと思わせる描き方でしたよね。
 サン・ペドロ埠頭でのアルゼンチン船が大爆発して大勢の乗組員の死体が発見された事件で、ただ一人無傷で生き残ったキントが重要参考人として尋問されそうになった時、弁護士が登場した後には検察もお目こぼしをし、尚且つ市長や知事までもが介入してくる事態になったと担当刑事は言ってました。NYから来た関税特別捜査官のクイヤン(チャズ・パルミンテリ)に「あいつには誰か力のある黒幕がついている」と刑事が話した時点でキントには裏があると思わせましたよね。
 なので、「カイザー」の存在が滲み出てくる後半から、ほぼキントに焦点は当たりました。でもあまりに分かりやすい展開だから、僕はディーン・キートン(=ガブリエル・バーン)の恋人の女弁護士イーディが実は裏でキントと繋がってるんじゃないか、そんな事も考えました。それでも想定内ですが、繋がり方は白紙状態なので、その辺に興味は移っていったんですがね。実際は・・・残念でした。

 それにしても、キントの話のどこまでが事実のつもりで脚本は書かれたんでしょうかね?
 最後の27人の殺害は、ソゼと敵対する組織への報復も兼ねてますから動機はあるんですけど、市長や知事を動かせるくらいの黒幕が自分の手を汚しますかね。実際はコバヤシ以外の手下を使ってやっつけて、最後にキートン等を自分の手で殺害したんじゃないですかね。
 だから、あの事件の部分もすべて嘘って言いたくなるわけですよ。そうなるとその前の宝石強奪事件についてもどうなのってなる。
 ちんけな詐欺師を仮の姿にしてるっていうのも、考えるのも馬鹿馬鹿しいくらいだしね。

 ということで、これ以上は時間の無駄という事で考えないことにしました。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ユージュアル・サスペクツ | トップ | ブルージャスミン »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (宵乃)
2015-09-25 07:52:10
確かに個性はないですよね~。
ドラマ部分もすでに忘れかけてますし…。

>ただ一人無傷で生き残ったキントが重要参考人
その上、彼による回想形式となると、もう嫌な予感しかしなかったです…。

>女弁護士イーディが実は裏でキントと繋がってるんじゃないか

それくらいやってくれれば少しは見応え出てきたかもしれませんね。最後はやるせない感じで…。
細かいところは忘れてますが、最後の脱力感はずっと忘れられそうにありません(汗)
返信する
宵乃さん、こんにちは (十瑠)
2015-09-25 12:21:54
>その上、彼による回想形式となると、もう嫌な予感しかしなかったです…。

大体、生き残りって格好で存在しなくて、さっさと消えてしまえば良さそうなもんですよね。しかも一人消し忘れてるし・・・。

>最後の脱力感はずっと忘れられそうにありません(汗)

お互いに、どんでん返しがあることを知った上での鑑賞でしたけど、知らなくてもアレッ?ってなってたでしょうね。ご愁傷様でした
返信する

コメントを投稿

サスペンス・ミステリー」カテゴリの最新記事