好きな漫画は語らせる

7いるかと申します。

「ブスに花束を。」「私の少年」を主軸にその時好きな漫画のネタバレ感想。

タッチ あだち充 考察2 上杉和也

2021-01-16 20:32:08 | 連載漫画
和也ってなんだったんでしょうね。

どれだけ努力しても、好きな人は実の兄が好きで自分には振り向いてくれない。
モテるし好感度も高いけれど、肝心の人には届かない。

和也こそ達也が羨ましくてしょうがなかったはずです。
何をやるのも兄の方が上手。いくら皆が褒めてくれても常にそれは頭にあったでしょうでしょう。
好きな南も、和也の優等生感が災いして自分には本気で向かってくれないような気がする。

いっそ達也は、最初から能力解放してた方がよかったのかもしれません。
その方が和也も感情の置き所があったのでは。
達也本人は自分の実力を否定するでしょうが、実際同じことをやったら多分達也の方が優れていた。

だけどこの優しい兄は、和也の邪魔をするまいと行動するわけですが
少なくとも南に対しては逆効果だったわけですし。

そんな和也が、小さい頃南がおそらく軽い気持ちで言った「甲子園」に全てを託すのは必然でした。

「甲子園」に行けば兄を超えられるかもしれない。
「甲子園」に行けば南も認めてくれる。
「甲子園」は、和也にとって、ただの野球の大会ではなく、自分の全ての鬱屈を晴らしてくれる場。

もしかして、「甲子園」に行けば南を諦める事が出来るかもしれないという気持ちもあったかもしれません。
表では達也に闘志むき出しでしたが、南の性格をよく知ってればこそ自分に勝ち目がないとわかっていたでしょうから。

それがよりによって予選決勝戦の日に、子供を助けてという、何とも彼らしい理由での退場。

「IF」があれば、是非和也が生きていた版のタッチも読んでみたいものです。

タッチ あだち充 考察1 浅倉南

2021-01-16 16:51:13 | 連載漫画
紹介の必要のない超有名漫画。

中学時代にとても嵌っていたのですが、最近また読み直してみて当時と違った感想を持ちました。
思いついたことを徒然書くので、時系列がおかしい部分があるかもしれません。

この漫画の肝はやはり和也が死ぬまでの三角関係時代ですね。~7巻まで

南が達也を好きな事はかなり初期からわかりましたが、その頃の南は日記の件といい
悪態をついたり、アプローチどころか同級生と共に弄っていたり気持ちを隠していました。

それが、和也とのベストカップル記念のノートの件で達也にぶたれてからは
積極的にアプローチし、達也を些か引かせるまでになっていきます。

中学時代にはこれがどうしても理解不能だったのですが、読み直してみると「南がつまらん事を見抜いた」
という、達也の言葉ゆえだったのではないかと思います。

南も大概つんつんでしたが、達也に至っては「自分と和也をくっつけようとする」
「のらりくらり」の対応ばかりで、南的には自分が好かれてる自信が全く持てなかった。

それが達也の前述の台詞によって、少なからず達也も自分を好きな事を知り
且、頬を叩かれて、怒りよりショックが優先するほどに高まってた自分の恋心を悟った。
それが一連のアプロ―チに繋がっていったのではないでしょうか。

しかし、それを受け止める達也からしたら不可解でしょう。
あれほどに弄りまくられ「タッちゃんの事は悪口しか書いてない」「:(日の丸弁当を見て)おいしそー」等
貶しまくられていたのですから。

でも一度開放されたあとの南はすごいんです。ソフトに語ってはいますが
「カッちゃんは幼馴染で、夢はタッちゃんと結婚すること」「兄として弟に気遣いしないで私を見てよ」
「和也には絶許のキスを達也には自ら」字面で見るとすごい悪女です。

が、南は実は悪女どころかただの子供なだけなのです。
パッと見の優等生の皮のおかげで、大人っぽく思われてる節がありますが達也に対すると途端に子供。
後に出てくる由加と何ら変わりません。

これは一重に達也があまりに大人だからでしょう。全登場人物中、彼に並べるのは原田くらいなもの。
新田もかなりですが、今は亡き和也との戦いを達也に求めるあたりで少し落ちます。

南は実の父にすら優等生ですから、本音を気にせず言える達也に惹かれるのは当然なんですよね。
和也は繊細を表に出してしまいますから。

あと個人的に好きな巻は「4、5、6、8、15、21」ですね。
やはり野球ターンより人間物語の方が好きです。