「シャッターアイランド」を見てきました。
犯罪性のある精神異常者を収容する島にやってきた刑事のデカプリオとその相棒。なんでも我が子を三人殺した女が、鍵の掛かった独房から煙のように消え失せたそうです。しかもまわりはひたすら海。逃げるルートは皆無。
彼女はいったいどうやって、逃走したのか? 煙のように消えたのはなぜ?
などという展開を期待してはいけない(笑)。
そうです。これは新本格ミステリーでもなければ、金田一少年のマンガでもない。名探偵が不可能犯罪の謎を解く話ではないのです。
さらにこの刑事、心に強いトラウマをかかえています。それが物語が進むにつれて明らかになっていきますが、まず、この話は第二次世界大戦のすぐあとの話で、デカピー刑事はナチスの収容所で大量のユダヤ人の死体を見て動揺しますし、さらにナチスの監視員達を大量に銃殺します(戦闘ではなく、処刑)。
さらにはもうひとつ、妻がアパートの管理人に部屋もろとも焼き殺されてしまうという過去を持ちます。
しかも、その犯人はこの精神病院にいるらしい。つまり、この任務を与えられたとき、渡りに船とばかりに飛びついたのでした。
ところが、いざこの島を調べても、その管理員はどこにもいない。それどころか、本来の任務である脱走した女も影も形もない。
捜査を続けるにつけ、デカピー刑事はある推理を打ち立てていきます。
この島は、患者を人体実験して、操っている。しかも島にいる全員の共謀だ。
ここに来て以来、偏頭痛に悩まされるし、死んだ妻の幻覚や悪夢にうなされる。これはきっと食べ物に薬が混ぜられているからにちがいない。
さらに自分を襲ってきた患者を絞め殺そうとしたり、彼の暴走はとどまることを知りません。
ここから先、配給元が隠したがっている最後のネタバレに言及します。
まだ見てない人はスルーしてね。だって、誰にも話すなっていってるんだもん。
そうです。デカプリオのこの異常な行動と心理、さらにはむちゃくちゃな推理。このあたりから、観客はこう思うはず。
頭だいじょうぶか、こいつ?
まあ、南野が思うに、このあたりが構成のだめな部分。ああいうオチにして、観客を驚かせるつもりなら、この時点でこう思わせちゃだめだろう。
まあ、あれだけやらかしといて、最後の患者はデカプリオでしたっていわれても、やっぱりな。だってあいつ見るからにおかしかったしな。
で、終わっちまうだろうがっ!
このオチにもっていくためには、最後の最後までまともそうに見せなければ。
でないと、誰も驚いてくれませんよ(たとえ、正解に気づかないとしても)。
マーチン・スコセッシ監督にミステリーセンスはあまりそなわっていないようです。
とはいえ、つまらないかといえば、けっしてそんなこともなく、退屈せずにいっきに物語は終盤まで疾走します。デカプリオの演技もよかったと思うし。
ただ、ミステリー部分に多大な期待を寄せすぎると肩すかしを食うかも。
南野の小説(電子書籍)「二挺拳銃お姫様」「海の底のアルテミス」発売中。ともに税込み525円。
ケータイで読みたい人は、ただ読みネットから入って、「人気作が待望の電子書籍化」というところを探してみてね。
押してね。
↓
犯罪性のある精神異常者を収容する島にやってきた刑事のデカプリオとその相棒。なんでも我が子を三人殺した女が、鍵の掛かった独房から煙のように消え失せたそうです。しかもまわりはひたすら海。逃げるルートは皆無。
彼女はいったいどうやって、逃走したのか? 煙のように消えたのはなぜ?
などという展開を期待してはいけない(笑)。
そうです。これは新本格ミステリーでもなければ、金田一少年のマンガでもない。名探偵が不可能犯罪の謎を解く話ではないのです。
さらにこの刑事、心に強いトラウマをかかえています。それが物語が進むにつれて明らかになっていきますが、まず、この話は第二次世界大戦のすぐあとの話で、デカピー刑事はナチスの収容所で大量のユダヤ人の死体を見て動揺しますし、さらにナチスの監視員達を大量に銃殺します(戦闘ではなく、処刑)。
さらにはもうひとつ、妻がアパートの管理人に部屋もろとも焼き殺されてしまうという過去を持ちます。
しかも、その犯人はこの精神病院にいるらしい。つまり、この任務を与えられたとき、渡りに船とばかりに飛びついたのでした。
ところが、いざこの島を調べても、その管理員はどこにもいない。それどころか、本来の任務である脱走した女も影も形もない。
捜査を続けるにつけ、デカピー刑事はある推理を打ち立てていきます。
この島は、患者を人体実験して、操っている。しかも島にいる全員の共謀だ。
ここに来て以来、偏頭痛に悩まされるし、死んだ妻の幻覚や悪夢にうなされる。これはきっと食べ物に薬が混ぜられているからにちがいない。
さらに自分を襲ってきた患者を絞め殺そうとしたり、彼の暴走はとどまることを知りません。
ここから先、配給元が隠したがっている最後のネタバレに言及します。
まだ見てない人はスルーしてね。だって、誰にも話すなっていってるんだもん。
そうです。デカプリオのこの異常な行動と心理、さらにはむちゃくちゃな推理。このあたりから、観客はこう思うはず。
頭だいじょうぶか、こいつ?
まあ、南野が思うに、このあたりが構成のだめな部分。ああいうオチにして、観客を驚かせるつもりなら、この時点でこう思わせちゃだめだろう。
まあ、あれだけやらかしといて、最後の患者はデカプリオでしたっていわれても、やっぱりな。だってあいつ見るからにおかしかったしな。
で、終わっちまうだろうがっ!
このオチにもっていくためには、最後の最後までまともそうに見せなければ。
でないと、誰も驚いてくれませんよ(たとえ、正解に気づかないとしても)。
マーチン・スコセッシ監督にミステリーセンスはあまりそなわっていないようです。
とはいえ、つまらないかといえば、けっしてそんなこともなく、退屈せずにいっきに物語は終盤まで疾走します。デカプリオの演技もよかったと思うし。
ただ、ミステリー部分に多大な期待を寄せすぎると肩すかしを食うかも。
南野の小説(電子書籍)「二挺拳銃お姫様」「海の底のアルテミス」発売中。ともに税込み525円。
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