このブログの方向性からずれるので、今まで触れずに来たのですが、たまにはこういう話を書くのもいいかと思って、ちょっと建築の話をします。
前にも書いたかもしれませんが、南野、大学を卒業したあとは、ゼネコンで現場監督して働いてました。一級建築士じゃありませんが、一級建築施工管理技師という長ったらしい名前の資格は持ってます。
それでいろんな建物の施工に携わってきたわけですが、きょうは興味を惹きやすい歌舞伎町での仕事を紹介してみましょう(もう、だいぶ前の話ですが)。
いやあ、この現場いろんなことがありましたよ。
場所としてはコマ劇場のすぐ近くなんですが、狭い敷地にけっこう背の高い店舗ビルを建てました。
当時、この界隈には客引き連中がわんさかいました。
まあ、そういった連中と本格的にもめることはありませんでしたけど、やっぱりやりづらかったですねぇ。
この現場、最初の難関は山止めの杭を打ったときですね。
要は地面を掘っても周囲がくずれないように、鉄骨を一メートルおきくらいに打ち込んでいくんです。あとは鉄骨と鉄骨の間に板を入れながら掘ってくわけですよ。
それで、重機を入れて、ドリルのようなもので細長い穴を掘っていき、その中に鉄骨を入れて一メートル分くらいは打ち込むんですが、ちょうどそのとき、コマ劇場で某大物歌手が公演をやってまして、打ち込む音がうるさいと関係者が怒鳴り込んできました。
それで公演時間を外して打ち込み作業をせざるを得ませんでした。
さらにはその作業のあとさらなる大問題が。基礎工事のために掘削工事(根切りという)をしていると、なんととなりの敷地の基礎がこっちの敷地にはみ出してたんです。
いや、冗談じゃないんです。ほんとのことなんですよ。
しかも敷地ぎりぎりに建てる建物なもんで、そのままじゃこっちの躯体(コンクリート構造体)に入ってしまうんです。
はつりましたよ、それ。
いや、もちろん作業自体は作業員がやるんですが、基礎を機械でがんがん叩くわけですから、とうぜんとなりのビルは地震でも来たかのような振動がするわけです。
当時、そこにあったのはファッションヘルス。
とうぜん、そこのオーナーが怒鳴り込みにきます。
「知るか、ぼけ。建物はみ出してるそっちが悪いんじゃ」
と、言いたいところですが、業種にかかわらず近隣には頭の上がらないのが、建築業者。まあ、その辺は所長がうまく話をつけたようですが、こちとら現場に張りつきっぱなしの下っ端でしたから、まっさきに文句を言われます。
もっともその建物、もう壊すことが決まってたんで、その業者も早々と出て行きましたけど、出て行ったとき、ゴミを内の現場に投げすてて行きやがるんです。
まあ、気持ちはわかりますけどね。Hなことしてるとき、壁ががんがん振動したんじゃ、商売あがったりです。
他にもいろいろありましたよ。
そう言えば、酔っぱらいが乱入してきたこともありましたね。
もう歌舞伎町だからしかたないというか、もう、勘弁してほしいですよ。
おまけにこのころは、日曜日にも仕事にかり出されることはしょっちゅうでしたし。いやあ、とんでもない仕事を選んだと後悔しましたね。
この建物、今も建ってるんで、たまに新宿に行くとながめちゃいますよ。
今にしてみれば、よくこんなところで仕事したなって、自分に感心してしまいます。
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前にも書いたかもしれませんが、南野、大学を卒業したあとは、ゼネコンで現場監督して働いてました。一級建築士じゃありませんが、一級建築施工管理技師という長ったらしい名前の資格は持ってます。
それでいろんな建物の施工に携わってきたわけですが、きょうは興味を惹きやすい歌舞伎町での仕事を紹介してみましょう(もう、だいぶ前の話ですが)。
いやあ、この現場いろんなことがありましたよ。
場所としてはコマ劇場のすぐ近くなんですが、狭い敷地にけっこう背の高い店舗ビルを建てました。
当時、この界隈には客引き連中がわんさかいました。
まあ、そういった連中と本格的にもめることはありませんでしたけど、やっぱりやりづらかったですねぇ。
この現場、最初の難関は山止めの杭を打ったときですね。
要は地面を掘っても周囲がくずれないように、鉄骨を一メートルおきくらいに打ち込んでいくんです。あとは鉄骨と鉄骨の間に板を入れながら掘ってくわけですよ。
それで、重機を入れて、ドリルのようなもので細長い穴を掘っていき、その中に鉄骨を入れて一メートル分くらいは打ち込むんですが、ちょうどそのとき、コマ劇場で某大物歌手が公演をやってまして、打ち込む音がうるさいと関係者が怒鳴り込んできました。
それで公演時間を外して打ち込み作業をせざるを得ませんでした。
さらにはその作業のあとさらなる大問題が。基礎工事のために掘削工事(根切りという)をしていると、なんととなりの敷地の基礎がこっちの敷地にはみ出してたんです。
いや、冗談じゃないんです。ほんとのことなんですよ。
しかも敷地ぎりぎりに建てる建物なもんで、そのままじゃこっちの躯体(コンクリート構造体)に入ってしまうんです。
はつりましたよ、それ。
いや、もちろん作業自体は作業員がやるんですが、基礎を機械でがんがん叩くわけですから、とうぜんとなりのビルは地震でも来たかのような振動がするわけです。
当時、そこにあったのはファッションヘルス。
とうぜん、そこのオーナーが怒鳴り込みにきます。
「知るか、ぼけ。建物はみ出してるそっちが悪いんじゃ」
と、言いたいところですが、業種にかかわらず近隣には頭の上がらないのが、建築業者。まあ、その辺は所長がうまく話をつけたようですが、こちとら現場に張りつきっぱなしの下っ端でしたから、まっさきに文句を言われます。
もっともその建物、もう壊すことが決まってたんで、その業者も早々と出て行きましたけど、出て行ったとき、ゴミを内の現場に投げすてて行きやがるんです。
まあ、気持ちはわかりますけどね。Hなことしてるとき、壁ががんがん振動したんじゃ、商売あがったりです。
他にもいろいろありましたよ。
そう言えば、酔っぱらいが乱入してきたこともありましたね。
もう歌舞伎町だからしかたないというか、もう、勘弁してほしいですよ。
おまけにこのころは、日曜日にも仕事にかり出されることはしょっちゅうでしたし。いやあ、とんでもない仕事を選んだと後悔しましたね。
この建物、今も建ってるんで、たまに新宿に行くとながめちゃいますよ。
今にしてみれば、よくこんなところで仕事したなって、自分に感心してしまいます。
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