南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

「鹿男あをによし」ってなに?

2007-04-30 21:52:02 | 読書
「鹿男あをによし」とは、ボイルドエッグズの新人賞で南野と激しく争ったあげく(南野の勝手な妄想爆発中)、「鴨川ホルモー」でデビューするやいちやく売れっ子になった作家、万城目学さんの第二作目です。
(じっさいには万城目さんは審査員満場一致で受賞。あっという間に売れっ子に。一方、南野はブログで戯言ほざいてます)

「鴨川ホルモー」のときもそうだったんですが、このひと、いったい頭のどこからこんな、アホな設定を絞り出すんでしょう?(いや、褒めてるんですよ。念のために)

 ちょっとしたいざこざから、大学院から女子校の教師になることになった主人公。(なんかこう書いちゃうと、まるでラノベかエロゲのような……)
 そこで出会う美少女(ちょっと魚に似てる)。彼女はなぜかとっても反抗的。(ツンデレ? ますますもって、ラノベかエロゲのような……)
 そんな主人公に鹿が語りかける。(ラノベってレベルじゃねえぞ!)
 鹿が言うには、「目」を取りもどせ。そうしないと富士山が噴火して大変なことになるぞ。
 どうやら、それはみっつの学校で開かれる剣道の大会の優勝盾のことらしい。しかも主人公は剣道部の顧問に。
 そんななか、魚に似た美少女剣士が助っ人を申し出る。しかもめちゃくちゃ強い。

 う~む。あらすじを書くかぎり、ラノベにしか思えませんが、なぜか、この人が書くと青春小説になってしまいます。
 同じネタで南野が書けば、100パーセントラノベになることまちがいなし。
(断っておきますが、ラノベをバカにしてるわけじゃありませんよ。南野はラノベ書きですから)

 しかも、主人公、顔がどんどん鹿になっていき(なぜか他の人からは普通に見える)、元に戻すには剣道大会で優勝するしかない。(いったいどうすればこんなアホな設定を思いつくんですか、万城目さん?)

 おバカな世界観の中でくり広げられるほろ苦い青春は、この人の持ち味。

 ストーリーの方も、剣道大会のあと、一捻りありますが、ネタバレはやめときます。
 文句なくおもしろいので、ぜひ読んでみてください。

鹿男あをによし

幻冬舎

このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「バベル」とは神の怒りの暗示なのか?

2007-04-30 01:31:37 | 映画
 きょう、話題の映画「バベル」を観てきました。
 アクションとホラー、ミステリー、コメディしか観ないと思われているかもしれない南野ですが、たまにはこういう重い作品だって観ます。
 で、どういう話なのかというと、モロッコ、メキシコ、日本でのみっつの話がカットバックしながら進んでいきます。
 冒頭はモロッコ。山羊を飼っている男が、ジャッカルを追い払うためにライフルを買うのですが、その子供たちが遊び半分にバスを撃ちます(当たるわけないと思いこんで)。その銃弾が、アメリカ人観光客の女性(ケイト・プランシェット)を貫いてしまいます。
 それはテロと誤認され、そのことによって話が複雑になっていきます。

 この話は痛快なエンターテインメントではありません。
 ですから、お約束な出来事などありませんし、このへんで複線張って、このへんでクライマックスといったエンタメの公式がいっさい通用しません。
 正直、先の展開がまったく読めないのです。

 観客は、物語がいったいどこに向かっているのかわからないまま、ずるずると物語の中に引きずり込まれていきます。

 これはかなりめずらしいことです。たとえば、単純な話の場合、細かい部分はさておき、ストーリーの流れというか、骨格の部分は観ている途中でたいてい読めるものです。もう観る前からわかっているものもあります。たとえば、ロッキーのファイナルにしろ、今度やるダイハードにしろ、細かい部分はわからなくても、だいたいこんな話というのは、観なくてもわかります。ロッキーは年老いた体に鞭打って、リングに立つんだろうし、ダイハードはまたしてもとんでもない事件に巻きこまれた刑事が、悪戦苦闘しながら事件を解決するに決まってます。

 「バベル」は半分くらいまで観ても、着地点がまったく見えません。

 ですから、この映画を楽しむには、予備知識なしで観るのがいいでしょう。
 というわけで、この映画を観る予定があり、なおかつネタバレは見たくないという人は、この先は読まないように。

 こっからネタバレあり。








 主人公は四人います。
 モロッコパートで妻を撃たれた男(ブラッド・ピット)。
 撃った少年。
 メキシコパートで子守している子を連れて息子の結婚式に出るメイド。
 日本パートでは、聾の女子高生(菊池凛子)。

 それぞれのパートがカットバックしながら進むのは、すでに述べたとおりですが、一見同時進行しているようでいて、字間軸が微妙にずれています。そのことで、それぞれのパートの絡み合いがわかりにくくなっています。

 南野ははじめ、メイドが子守している子が、ブラッド・ピットの子供だということに気づきませんでした。それだと、同時進行の場合、矛盾が生じるからです。
 ただ、そのことに気づいてしまえば、このふたつのパートの関係はわかります。まったく読めないのが、日本のパートです。
 いったいこの話はどうつながるのか?
 観客にそう思わせながら、菊池凛子の女子高生は暴走します。
 彼女はたんに耳が聞こえないだけでなく、明らかに壊れています。
 おそらく母親が自殺したトラウマと、父親への反抗、美人なのに聾ということで男に相手にされないことが、セックスへの異常な興味と行動を呼び起こすのでしょう。
 ノーパン、ミニスカで股を開いて男をからかったり、治療中の歯医者を舐めたり、自分の部屋で刑事に裸体をさらしたり、明らかに異常な行動を取ります。

 一方、モロッコのパートでは、撃たれた妻は、バスの乗客ごとちかくの村に治療のためによるのですが、テロだと誤認されたせいで、救急車もヘリも来ません。他のバスの乗客たちもテロの巻き添えになるのはごめんだと撃たれた夫婦を置き去りにして逃げ出します。

 メキシコパートは途中までは幸せそうです。息子の結婚式に出たいのに、かわりの子守が見つからないメイドは、子供たちを連れてメキシコに行き、結婚式に出席します。子供たちも楽しそうで、彼女も幸せそのもの。
 悲劇は帰り道に起きます。
 誘拐犯と間違われ、運転手の甥が警察を振り切って逃げようとしたせいです。
 甥は、三人を下ろし、警察をまいて迎えに来ると言ったきり、帰ってきません。
 メイドと子供たちは砂漠に置き去りになります。

 このふたつのパートでは、誰にも悪気はないのに、ちょっとした誤解や愚かさから事態はどんどん複雑に、しかも救いようがない方向に悪化していきます。
 ……と、書いてて今気づきました。この話には愚かな人、立派じゃない人はいても、悪人はただの一人も出てきません。にも関わらず、この救いのなさ。
 ひょっとして、この監督は、悪人などいなくても世界から争いはなくならない。それが人間が背負った宿命だと言いたいのでしょうか?

 最後に、みっつの悲劇の発端が、すべて聾の女子高生の父親(役所広司)に関係することがわかります。
 彼が昔、好意で現地ガイドに渡したライフルが、ふたつの悲劇を呼び起こし、さらに彼の別の銃が、妻を自殺に追いやったのです。
 娘は刑事にこう伝えます。
「母親はベランダから飛んだ」と。
 なぜ嘘をついたか、さいごに刑事に渡した紙には、なにが書いてあったか? あるいはなぜ、昔彼女の母親は自殺したのか?
 それらはすべて謎のまま終わります。
 ただ、彼らの家が、高層マンションの最上階であることは、「バベルの塔」を暗示しているのはほぼ間違いありません。
 そこから落ちたということは、「バベルの塔」からの落下。つまり神の怒りに触れたことを暗示しているとしか思えません。

 この監督は人間に対する絶望を表したかったのか、絶望から見いだす希望を表現したかったのか、南野にはわかりません。
 だけど、人々は神の怒りを買いながらも、互いに愛し合い、求め合って生きていくんだ。それこそがこの映画のテーマだ。
 そう思いたいです。
 この映画を見た人はどう思われたでしょうか?

 バベル公式サイト



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「流水大賞」落選!

2007-04-27 22:14:08 | 作家への道
 きょう、講談社のホームページで、「流水大賞」の発表をやってました。
 じつは南野、昨年暮れにこの賞に投稿していたのですが、だめだったようです。
 で、この流水大賞とはどんな賞かと聞かれると、南野自身よくわかっていません。
 講談社ボックスという銀の箱に入れたちょっと豪華な本を出している部署の賞なのですが、なにせ第一回目の発表なので、傾向などは未知です。今まで出ている本は、ややライトノベルよりのエンタメから、マンガ、評論ととりとめがなく、そもそもこの賞の募集要領を見ると、小説だけでなく、批評・ノンフィクション部門があるのです。さらにイラストも合わせて募集という賞で、どうやらメフィスト賞ともねらいが違うようなのです。
 まあ、ここの編集長はもとメフィストを作っていた文芸三課の人なので、たぶん、ちょっととんがった新しいものを求めているとは思うのですが、今回の発表だけではなにもわかりません。
 なにせ、受賞作のタイトルしか発表されていませんから。
 ちなみに、大賞はなく、優秀賞が「くうそうノンフィク日和(受賞者・小柳粒男さん)だそうで、小説なのかノンフィクションなのかすら定かではありません。
 選評はいっさい書いてありませんから。
 メフィストの場合、雑誌メフィストに座談会という形で、応募作の選評を載せるので、今回もすこしそういうのを期待してました。
 サイトをよく見てみると、こんな文章が……。

 優秀賞は、この秋講談社BOXから創刊される新雑誌に一挙全文掲載! 選考座談会も同時収録予定です。

 え? 秋? ……秋。秋かよ?
 まだ半年近く先じゃないですか?
 しかも受賞作は、同時に雑誌に掲載? それも一挙全文?

 それってもしかして単行本にはならないってことなんでしょうか?

 それとも本にはするけど、それとはべつに雑誌にも載せる?
(まあ、芥川賞とかも、たしかそうだったような気が……)
 それにしてもこの賞、最低枚数が350枚ですよ。薄目の文庫本一冊分です。それを全文掲載?
 ……と思ったら、批評・ノンフィクション部門は100枚からなんですね。やっぱり受賞作はノンフィクションなんでしょうか?

 ますますもって傾向が読めない賞です。

 まあ、南野としてもこれ以上手を広げない方がいいんでしょうね。
 でも、ジャイブさんの方も進展ないし……。とほほ。



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ガラスの仮面」は終わるのか?

2007-04-27 00:25:59 | マンガ
 南野はこのブログで、小説やらマンガやら映画のことをときどき書いてますが、まだ少女マンガについては触れたことがありません。
 男である南野は少女マンガなど読まないのか?
 いえ、そんなことはありません。たしかにここ最近はほとんど読んでません。「NANA」と「のだめ」と「はちクロ」くらいです。アメリカで大人気といわれる「フルーツバスケット」は途中で挫折しました。
 まあ、たしかに南野のようにいい年した男が、少女マンガを愛読するのは不気味なことこの上ないので、自然な流れなのでしょうが、それでも十代から二十代前半のころはけっこう読んでました。
 はじめは、妹が持っていた「りぼん」から入ったのですが、まあ、ほとんどが他愛のないラブストーリー。それでも、まだ当時は少年マンガにラブコメがほとんど進出していないこともあって、めずらしかったんでしょう。けっこう嵌りました。
 ただ、そうやって読んだ中、たんにめずらしかったからではすまない傑作にも、いくつか巡り会いました。
 きょうは、そんなきら星のような傑作の中から、南野がもっとも夢中になって読んだ、「ガラスの仮面」について語りたいと思います。

 このマンガのことをまったく知らない人のために、簡単に説明すると、天才演劇少女、北島マヤが、その才能を見いだされ、究極の舞台である「紅天女」を演じるまでの物語です(っていうか、まだそこまで行ってません)。

 この物語の画期的な点は、主人公が天才であることです。

 演劇の話でありながら、ほとんどスポ根のノリでストーリーは展開していくのですが、この手の話の主人公は、ほとんどが努力型です。もちろん、それなりの才能は持っているのですが、自分以上の才能を持っているライバルに打ち勝つために、努力をするというのがひとつのパターンでした。

 ところが「ガラスの仮面」では、そのパターンをいともかんたんに投げすて、
ナチュラルボーン女優、とでも言うべき、天才北島マヤを主人公にしたのです。

 にも関わらず、見た目はぜんぜん天才っぽくない北島マヤに、つぎつぎにちょっかいかけてくるバカなやつらが目白押しです。
 そいつらはことごとく撃沈します。見ていて痛快なくらいに。
 それも悪意があればあるほど、ブーメランのように返ってきます。
 それも北島マヤには、悪意などこれっぽっちもなく、ただひたすら上を目指しているだけなのに、マヤをおとしいれようとしたやつらは勝手に自爆していくのです。
 大道具を壊したり、泥団子を食わせようとしたり、脚本をすり替えたり。小悪党どもが手を変え品を変え、嫌がらせをします。
 しかし、その結果、マヤのあまりの天才と、プロ根性に恐れをなし、それこそ裸足で逃げ出していくのです。(いや、あくまでも比喩です。念のため)
 これは見ていてとても愉快でした。わははは。もっとやれ。もっと再起不能にしてやれ。と心の中で応援してしまいます。(え? 南野だけですか? そんな根性曲がり)
 そんなマヤを見て、恩師月影先生は高笑いし、ライバルの姫川亜弓は「マヤ、恐ろしい子」と恐れおののくのです。
 このパターンは、南野の知るかぎり、他に類を見ません。
 この物語の最大の見せ場は、スターになり、人気絶頂の時に、汚い策略にはめられ、どん底に落ち、そこからふたたび這い上がっていくところです。
 南野はここが一番好きなのです。
 先に述べた、泥団子だの、脚本すり替えだのは、この時期の話です。
 汚い妨害に合えば合うほど、一度失われたマヤの情熱はふたたびめらめらと燃え上がっていくのだぁ!
 そして後ろ盾を失った状態から、学園祭、路上チャリティー公演を通して復活していき、姫川亜弓の舞台のオーディションに。
 そのオーディションでは、すさまじい天才ぶりを発揮して、雑魚どもを蹴散らす様がまた死ぬほど痛快。(もちろん、本人まるで悪気なし)
 じつはこのシーン、本編の劇よりよっぽどおもしろく、「ガラスの仮面」全編の中でも屈指の場面。
 これに匹敵するのは、絶体絶命のピンチをひとり芝居で乗り切るシーンと、あとはたけくらべ、ヘレンケラーで亜弓と同じキャストを競い演じたシーンくらいでしょうか。

 こうして、ふたたび姫川亜弓と肩を並べるところまで追いついたマヤ。
 個人的にはここで最終回でもいいくらいです。
「絶望」から、ふたたび「希望」を取りもどした重要なシーンなのですから。

 ただ、続けてしまった以上、最後までいくしかないんですが、これほんとうに終わらせる気があるんでしょうか? 美内すずえ先生。

ガラスの仮面 1 (1)

白泉社

このアイテムの詳細を見る


 この記事気に入った方は姫川亜弓の悲劇も読んでくださいね。


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェームズ・ボンドは誰の時が一番おもしろいか?

2007-04-26 00:33:27 | 映画
 007シリーズはもう長いことやってます。初代、ショーン・コネリーにはじまって、今は6代目、ダニエル・クレイブですか?
 この中で一番おもしろいシリーズはどれでしょう?
 皆さんの中には、え、ちょっと待てよ。おもしろいかどうかは、作品ごとによって違うだろう? ボンドを誰がやるかによって変わるのは、どのボンドがかっこいいかじゃないのか?
 そういいたい人もいるでしょう。
 もちろん、ショーン・コネリーのシリーズならシリーズで、一番おもしろいものと、一番つまらないものがあるかもしれません。
 ただ、南野が見る限り、ショーン・コネリーのシリーズと、ロジャー・ムーアのシリーズでは明らかに違いますし、ピアース・ブロスナンのシリーズも違います。ましてや最新のダニエル・クレイブとなるとまったく違います。
 それぞれのシリーズで、制作者側が、今回はこんな感じでシリーズにしようというねらいがあるような気がするのです。
 なんだかんだいって、ボンボマニアとでもいう人たちに一番評価が高いのは、ショーン・コネリーかもしれません。
 それはやはり、この人が、007とはこういうものだというイメージを作ってしまったからかもしれません。
 荒唐無稽な敵対組織。マンガみたいな敵キャラ。秘密兵器。そして美女。
 そんな中、ジェームズ・ボンドは、超人的とはいえ、あくまでも人間に可能な範囲で大活躍をして事件を解決していきます。
 ただ、ショーン・コネリーのシリーズを今観返してみると、はっきりいって、今ひとつです。
 たぶん、数十年の間に、エンタメが進化してしまったんでしょう。
 CGや撮影技術が進歩したことによるダイナミックさ。そしてなによりもスピード感というものが、今と昔ではぜんぜん違う気がします。
 もともとこのシリーズは、リアリティだの、サスペンスだのミステリーで引っぱっていく話じゃありません。良くも悪くもマンガであり、荒唐無稽な話を、アクションとインスタントなロマンスで引っぱっていくだけのエンターテインメントです。
 もちろんそれが悪いわけじゃありません。ただ、こういうものはいかに観客を喜ばせるかがすべてであり、そのためにはあらゆるテクニックを使うべきなのです。
 時代とともに、そのテクニックが古くなってしまったために、今観ると、さほどおもしろく感じないのではないでしょうか?
 とくにアクションの見せ方は、劇的に進化してしまったために、ショーン・コネリーのアクションはぬるく感じてしまうのです。

 では、シリーズが進むにつれて、007はおもしろくなっていったか?
 それは必ずしもそうとは思えません。
 ロジャー・ムーアのシリーズは、どうみてもショーン・コネリーのシリーズよりも、つまらないです。
 観客動員という意味では、わりと好調だったはずの「私を愛したスパイ」とか「ムーンレーカー」など駄作の極みです。
 この時期は、初期以上に荒唐無稽な話をやろうとし、大風呂敷を広げるのはいいのですが、それがことごとく失敗しているような気がします。
 海の底や宇宙に舞台を持っていっても、肝心のアクションが空回りしている。そんな感じです。
 このころ、南野の中では007シリーズは終わりました。

 南野がふたたび007を観はじめたのは、ピアース・ブロスナンのシリーズになってからです。
 基本的なお約束はふまえながらも、キャストも一新し、雰囲気もがらりと変わりました。
 なにがどう変わったのか、うまく説明できません。あいかわらず荒唐無稽でつっこみどころ満載なはなしです。しかし、明らかにおもしろくなりました。
 たぶん、ひとつはアクションのスピード感が増したことです。あるいは、カメラワークなどの演出のテクニックが上がり、ひとつひとつのアクションシーンに迫力が増したのかもしれません。
 あとはアクションシーンをいかに見せるかという、アイデアでしょうか?
 侵入にバンジージャンプを使ったり(ゴールデンアイ)、石油パイプラインの中を猛スピードで滑走したり(ワールドイズナットイナッフ)、手錠をはめたまま、ボンドガールとバイクで逃走したり(トゥモローネバーダイ)、氷の城の中を車で突っ切ったり(ダイアナザーデイ)。
 やはりアクションというものは、スピード感、迫力とともに、いかに見せるかというアイデアが大事なのです。
 マンネリじゃだめなんです。誰もがやらなかった新しいことをやらないと。
 えらそうなことを言ってしまいましたが、すくなくとも南野はそう思っています。
 あとはボンドガールがみょうに活躍するのも、このシリーズの特徴でしょうか?
 もちろん、その方がいいに決まってます。主人公ひとりだけが活躍する話はもう古いかもしれません。
 そんなわけで、南野はピアース・ブロスナンのシリーズが大好きでした。降板したのが残念です。

 では、もっとも新しいダニエル・クレイブはどうでしょうか?
 やはり制作サイドは、ボンドが変わることに合わせて、雰囲気をがらっと変えました。
 明らかに荒唐無稽さを押さえ、リアリティを増そうとしたように思えます。
 ボンドがはじめて殺しのライセンスを取ったころの話というのも、すべてリセットして新しいことをはじめようとしたからかもしれません。
 スペクターのような怪しげな組織も、Qの秘密兵器も出てきません。
 「カジノロワイヤル」での任務はポーカーで勝って、敵の資金を絶つこと。
 いや、つまらなくはないんですが、これでいいのかって言う気もします。
 もうちょっと、はっちゃけてもいいと思います。
 リアル系のスパイアクションはボーンに任せておけばいいじゃないですか?
 あれと同じ土俵で勝負しようとしたら負けますよ。
 007の敵役には、もっととんでもないやつを用意してください。「カジノロワイヤル」の敵はしょぼすぎます。
 今度のやつはいつやるか知りませんが、期待したいと思います。

007/ゴールデンアイ 特別編

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カルナバル、開幕!

2007-04-24 22:54:39 | 読書
 さあて、深見真先生の、ヤングガンカルナバル最新刊、「前夜祭・標的は木暮塵八」(トクマノベルズEdge)をついに読みました。
 さあ、いよいよ、盛り上がってきましたよ。
 ついにクライマックス突入か? って感じです。
 まず、冒頭で弓華の愛しの伶ちゃんが誘拐されちまいます。誘拐したのは弓華の腹違いの弟、ギャウザル。
 そして伶ちゃんは、哀れ素っ裸にひんむかれ、ガラス張りの檻の中に。
 その外側には、人間性を失った男「人間ブタ」たち。
 うっひゃああ。ラノベレーベルでは書けない、ノベルズならではのヤバい描写。
 弓華の母親、志摩麗華こと聖火は、「伶を助けたかったら、仲間のヤングガンをひとり殺せ」とせまるのであった(くぅ~っ、サディスト母ちゃんだぜ)。
 弓華は「人間ブタ」たちを蹴散らしつつ、「必ず助けるから」とガラス越しのキス。そしてしばしのお別れ。
 そんな爆弾を抱えつつ、ついにカルナバル開幕。
 これによって、ハイブリッド、鳳凰連合、豊平重工、飛龍会、ヴェルシーナなど、これまで出てきた殺し屋軍団に、新顔のホンチーバン、翼心会のメンバーによるメキシコ市街での殺し合いバトルロイヤル開始。
 我らがハイブリッドの面子は、塵八、弓華、毒島、ソニア、そして……。
 ハイブリッドのボス、白猫さんはカルナバル開催のために人質に。
 弓華らが負ければ、白猫さん、弓華の母ちゃんの玩具になること必至。
 なに、このハイテンション?

 カルナバル、ファーストバトルはメンバーがメキシコに着くや否や始まった。
 ハイブリッドの友軍、飛龍会が襲われた。相手はホンチーバン、中国の黒社会組織。
 相手は中国拳法の達人じじいだ!(ついに出たよ、拳法の達人、わくわく)
 平等院将一、いきなりの大ピ~ンチ。
 わはははは、と笑ってしまいそうになるこの展開。
 ヤングガン・カルナバル。さらに激しく、濃く、エロくなること必至。
 そして次巻では、弓華の因縁の相手たち(母ちゃんに弟に琴刃)が襲いかかってくる(だよね?)。弓華は愛しの伶ちゃんを救えるのか?
 ええっと、それで第一主人公の……塵八は、なにするの?

ヤングガン・カルナバル前夜祭・標的は木暮塵八

徳間書店

このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーツンデレ娘、アクアティカ

2007-04-23 23:39:34 | カメラが好き
 南野は、清水の舞台から飛びおりるつもりで大枚はたいて買ったF4を水中で使えるようにするため、ハウジングを買わねばなりませんでした。
 しかし、そこでまた、激しい出費が……。
 水中写真撮影はなんてお金を浪費する趣味なんでしょう。
 当時、あまり選択肢はなく、F4を海に入れるとなると、やっぱりアクアティカだろう。と、どえりゃあ、高えハウジングを買わざるを得ませんでした。
 しかもそれだけを買えばいいってもんでもありません。
 まず、アクションファインダー。
 ニコンF4のよいところは、ファインダーを交換できると言うことです。水中撮影の場合、そのアクションファインダーという馬鹿でかい視野を確保してくれるファインダーを買う必要があります(べつに買わなくてもいいんだけど、これを使わないと、わざわざF4を使う意味がない)。
 なぜなら、ダイビング中はマスクをしているため、目がファインダーからかなり離れてしまうのです。普通のファインダーだと四隅がよく見えません。だけどこのファインダーを使うと、四隅がばっちりみえる上、ファインダー自体がでかいために、ピント合わせが楽。
 さらに裏蓋を、データパックという、液晶デジタル表示のものに変えました。
 なぜなら、これを付けないと、シャッタースピードやら絞りやら、フィルム残量やらがよくわからないからです。
 ストロボはニコノスで使ってたやつをそのまま使うとして、それを取りつけるためのアームも必要でした。
 ほんと金食い虫です、こいつ。
 で、セットした状態で、どんな格好になるかというと、ボディ自体はほとんど弁当箱。それもドカベンです。
 そこにドームポートというまさに透明な球をまっぷたつにしたようなドームがレンズの前についてます。直径にして二十センチくらい。巨大な一つ目お化けです。
 さらに両脇にはグリップが。こいつはニコノスと違って、両手でがっちりホールドしないと使えたもんじゃありません。
 さらにグリップの先端にはストロボをつないだストロボアームが両サイドから。
 あるダイビングサービスの人はこれを見て、かに道楽と呼びました。
 南野もちょっとだけ、そんな気がします。
 それでも、こいつを両手にがっちりと持つと、すげえ、俺ってまるでプロカメラマンだぜ。と思うことまちがいなし。
 そのかわり、ずっしりと重い。半端じゃなく重い。
 水中じゃ浮力のせいで重くはないですが、陸上での移動の時は大変です。しかも簡単に人には渡せない。なぜなら、ドームポートはとっても傷つきやすいから。
 そう、まるで乙女の柔肌です。
 だから南野は、自分の部屋からダイビングボートまでけっして人任せにすることはしません。車に乗るときも、そこらにおっぽったりせず、膝の上にかかえるのはとうぜんのことです。
 ボートに置くときも、もちろん、ドームポートが上に来るように置き、他のダイバーがその上になにかを置いたりしないように見張ってなくてはいけません。
 なんか俺、カメラに使われてないか?
 そんなことを思うこともありましたが、きっと気のせいに違いありません。
 そんなこんなで、陸上ではわがままざんまいで、南野をいじめるアクアティカも、水中に入れば本領発揮。
 ファインダーを覗けば、また違った世界がそこに広がっていて、ダイビングを二倍楽しめてしまうのです。いや、上がったあと、現像することを考えると、まさに三倍も四倍も楽しめます。それこそが水中写真の醍醐味。
 こいつがなかったら、南野のダイビングライフはもっと味気ないものになっていたでしょう。
 もっとも水中でも欠点がないわけじゃありません。
 シャッターが固い、というかスプリングが強すぎ。
 シャッターを半押ししてると指がつかれてくるくらいです。
 あの、F4の羽根のように軽いシャッター感はどこにいってしまったのでしょう。
 しかし怒ってはいけません。きっとこいつはF4に嫉妬してるんです。南野がF4の軽くて優しいシャッターに惚れ込んでいることを知ってるので、意地悪してるのです。
 しょうがありません。なにしろ、このアクアティカはF4以上のスーパーツンデレ娘なんですから。
 きっとこの娘はこう言いたいのでしょう。
「いい? あたしを傷つけたら承知しないんだから。人にあずけるなんてもってのほかよ。重い? なに軟弱なこと言ってんの、それでも男なの? シャッターが固い? はん、それくらい根性で克服しなさいよ。え? いい写真が撮れた? ふん、よかったじゃない。だけど、それはあたしのおかげだっていうのを忘れないでよね」
 どうです、みなさん。こんな娘とつき合ってみる気はありますか?


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニコンF4の思い出

2007-04-23 00:24:38 | カメラが好き
 最近でこそ、ほとんどカメラをいじってませんが、南野はじつはカメラが大好き。
 前に、水中カメラのニコノスのことを書きましたが、一眼レフカメラだって大好きです。ちょっと前なら、せっせとあちこちに出かけては、水中写真とともに、陸上の風景写真なども撮っていたのに、最近ときたらもう、すっかり出不精(金もないし)。
 今はもう、カメラ=デジカメって感じになっちゃいましたが、南野が夢中になってたころは、フィルムを入れるのがあたりまえ。デジカメなんてものはなかったか、あってもちっとも実用レベルじゃなかったりしました。
 んで、当時、カメラ業界でしのぎを削っていたのが、ニコンとキャノン、それにミノルタでした。
 ミノルタはオートフォーカスとともに急速に発展してきたメーカーで、ニコンやキャノンが、俺はプロ仕様だぞ、えらいんだぞ。と言ってるときに(いや、ほんとうにそういってたわけじゃありませんが)、素人向けのカメラを売り出して、一気にシェアを伸ばしてきたわけです。
 そんなことを書くと、ニコンやキャノンに批判的なように聞こえますが、南野が一番お世話になったメーカーはニコンです。キャノンも嫌いじゃありません。
 キャノンはどちらかといえば、おしゃれで、先進的。新しいもの好きなイメージ。
 ファインダーを覗いた目の動きに応じて、オートフォーカスの位置を変えたり、超音波を使って駆動するレンズ内蔵のオートフォーカスなど、とにかくそういうのが好き。そういう、新しいことをやるためか、オートフォーカスに移行するときには、レンズマウントの径を変え、古いレンズが使えなくなりました。
 それに対して、ちょっと待てえ。古いユーザーは新しいレンズを使えないのか、こんこんちきめが?という態度を通したのが、ニコンでした。
 そう、ニコンは頑固で保守的。デザインだって、おしゃれなキャノンに比べて無骨なイメージ。
 でも、南野はそんなニコンが好きでした(べつに今だって嫌いじゃないですけど)。
 当時持っていたカメラは、ニコンのF3。まあ、ささやかな贅沢ってやつです。
 見てくれは、ごく普通のカメラ。四角くて、黒くて、せいぜい、紅い一本線がおしゃれ! ってくらいです。
 モータードライブをつけると、妙に縦に長くなった上に、ごつごつして、まさにプロの使う道具って感じ。そしてシャッター音がいい。
 バシャア、バシャア、バシャア!
 なんとも荒々しく、官能的ですらある音が、心地よく耳にひびくのでございます。
 このシャッター音の聞かされると、美人モデルは妙な気分になって、「ああ、あたしどうなってもいいわ」と服を脱ぎ出すことは間違いありません(まったくなにを言ってんだか、このおっさんは)。
 ある日、南野は新しく出るニコンF4の写真を見ました。
 な、なんじゃ、こりゃああ?
 それが偽らざる感想です。
 ニコンのくせに、四角くない。みょうにカーブがかかったボディ。
 そのくせ、なぜか軟弱なイメージがありません。おしゃれって感じでもないです。
 だって、でかい上に、ダイヤルやらなにやらがみょうにごてごてと上の部分で自己主張してたからです。
 そう、ニコンF4とは、最新のオートフォーカスやらなにやらを搭載しているくせに、シャッタースピードは頑固に、つまみを回して決める。しかもそれがでかい。さらにファインダーの横にもなにやらへんなダイヤルが付いているようなカメラだったのです。
 南野の「なんじゃこりゃあ」はあっという間に、「かっこいいぜ、これ」に変わってしまいました。
 そして、いざカメラ屋で実物にさわるチャンスがやってきました。
 持ってみると、たしかにでかくて重い。でもグリップ感は上々。
「シャッター音はどうなんだろうか?」
 南野にとってシャッター音はとても重要です。だって、がっせい音しか出せないんじゃ、シャッター切るたびにがっかりするじゃないですか?
 ちょっとどきどきしながら、シャッターを切ります。
 ぱしゃあ。
 はわわわ、なにこれ? 優しい。優しすぎる。
 そう、F4は無骨な外見に似合わない、優しくエレガントな声を発するカメラだったのです。
 よくよく見てみれば、このカメラ、ごついだけじゃなくて官能的な曲線をしてるじゃないですか。
 「あんたなんかにあたしを使いこなせるの?」とでも言いたげなボディのくせに、いざシャッターを押すと、優しく甘えるカメラ。

 ツンデレだ。いまでいうツンデレですよ、このカメラ!

 南野が夢中になったのは言うまでもありません。
 そして、ハウジングという水中に入れるケースとともに、南野の水中写真のオトモとなりました。
 そして、はじめてF4を入れたハウジングが、アクアティカというカナダ製。
 そしてこいつがまた、とんでもない代物だったのです。

 つづく


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「大正野球娘。」は「。」つき

2007-04-21 14:02:27 | 読書
 トクマノベルズEDGEの「大正野球娘。」(神楽坂淳・著)を読了しました。

 ようは現代の価値観が通用しない大正娘たちが、当時マイナースポーツだった野球で男たちと戦う話です。

 ライトノベルなのか、一般向けエンタメなのか、かなり微妙な設定ですが(もともとEDGEはそういう話が多い)、ちょっと南野のツボを突きました。

 南野、べつに野球好きでもフェミニストでもありませんが、野球のやの字も知らない女の子たちが、チームを組んで男と戦うというだけでわくわくしてくるというものです。

 とうぜん、いろんなタイプの美少女たちが9人集まります。野球なんだから必然的にそうなります。

 元気印の主人公は、洋食屋の娘。
 チーム発起人は、主人公の親友にして、スーパーお嬢様。
 眼鏡っ娘も出るぜ。とうぜん、作戦参謀。
 チームの主砲は、下級生に大人気の薙刀娘。
 てな感じで、9人そろうわけです。

 んで、試合に勝つために、作戦参謀、眼鏡っ娘の乃枝(のえ)がいろんな作戦やら特訓やらを考え出すわけです。
 たとえば、体を鍛えるためにバネの付いた「人体強化器具」をチームメイトにつけさせたり(おまえは星一徹か?)
 人力車を引かせたり(空手馬鹿一代?)
 ピッチャーのお嬢に、ボールの縫い目に指をかけない魔球、(よくわかりませんが、ナックルやパームってやつでは?)を伝授したりするわけです。
 さらにはバッティングマシーンは作るわ、金属バットやスパイクを考案するわ、大活躍。
 金属バットを企業に作らせるために、名士を呼んでお茶会を開いたりもします。

 こうして主人公、小梅はキャッチャーとして、お嬢とバッテリーを組み、特訓に励みます。
 さらにちょっと百合な気分をまじえながら、ラブコメしつつ練習試合に。

 三回までの練習試合とはいえ、快勝。
 そしていよいよ本番に、というところで続く。

 いやあ、おもしろいじゃないですか、これ。
 次の巻もたのしみです。

 で、タイトルの後ろに「。」がついてんのは、「モーニング娘。」のパロディ?

大正野球娘。

徳間書店

このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残虐な話を書く人は殺人鬼なのか?

2007-04-20 20:41:48 | 雑記
 アメリカのバージニア工科大学の銃乱射事件で、32人の方が亡くなりました。その方たちのご冥福を祈ります。

 南野はこのブログでは政治的なことを述べるのは避けてきました。そういうブログではないからです。
 今回もべつに、韓国人がどうとか、アメリカの銃社会がどうとかいう気はまったくありません。
 ただ今回の事件で、南野が「え、ちょっと待ってよ」と言いたいことがあります。

 事件の後、犯人が脚本クラスで書いていた脚本の内容が問題になったということです。
 そのクラスの学生が、「犯人はアジア系と聞いて、真っ先にあいつじゃないかって思った」というようなことを言ったらしいです。

 南野は犯人のことを擁護する気はまったくありませんが、書いたものにその人の人格が現れるとか、あんなものを書くようなやつだから、あんな事件を起こすんだ。という意見には賛成できません。

 そんなことを言いだせば、南野は殺人鬼決定ですよ。

 もし、近くでなんらかの猟奇殺人事件でも起きて、たまたま南野が容疑者として取り調べでも受けたら大変です。
 部屋のパソコンに入ってる小説を読まれて、「うわっ、こいつ、こんなアブねえ小説書いてやがる。絶対犯人にまちがいない」って思われることまちがいなし。

 南野に限らず、商業作家でも目をつけられそうな人はいっぱいいそう。

 ノワール書いてる人は、悪人だとか、
 ポルノ書いてる人は、性犯罪者だとか。

 って、違うだろ、ぜってぇえ!

 そういうの書いてるプロ作家が、じっさいに犯罪を犯した実例を、南野はほとんど知りません。(エロマンガ家が、アシスタントだかをレイプしたって話は、一件くらい聞いたような気がしますが……、そういうのは例外中の例外です)

 だから、殺伐とした話を書く人を、いじめないでやってくださいね。


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バディブリージングは萌えるのか?

2007-04-19 19:53:02 | 雑記
 きょうの記事のタイトルを見て、「のっけからなにを言ってるんだ、この男は?」と思われた方もいるかもしれませんが、春の陽気に頭をやられたわけじゃありません(っていうか、きょう寒いし)。南野のブログに来る検索ワードに「バディブリージング、トッキュー」というのがたまにあるんです。で、その同じページにある他の記事を見てみると、どうやら腐女子の方々のブログが目白押し。
 そこでこのような疑問が生まれたわけです。

 バディブリージングは萌えるのか?

 いきなりバディブリージングって言われても、なんじゃらほい? という方のために説明しますと、スクーバダイビング中で、バディ(いっしょに潜る相方)がエア切れし、なおかつ予備のレギュレーター(オクトパスといいます)がない場合の最後の手段として、ひとつのレギュレーターを交互に吸うことです。

 南野にはバディブリージングが萌えるという発想は今までなかったのですが、言われてみれば、さまざまな要素が……。
 まず、バディブリージング中は、お互いの体が離ればなれになるのは非常に危険ですので、開いた手で、お互いの体をがっちりとホールドします。
 加えて、ひとつのレギュレーターを交互に吸うわけですから、ある意味、関節キッス。
 そして、もっとも重要な要素として、お互いの信頼感が絶対に必要な行為ということです。
 なにせ、片っ方のタンクは空なわけですし、残った方もたいしてエアがない場合がほとんどですから、信頼感が互いにない場合、極端な話、エアの奪い合いになりかねません。
「俺によこせ」「さっさと返せ」などというやりとりから、最悪の場合、殺し合いになります。
 残ったわずかなエアで、水面までお互いを信じる。
 エアを渡しても、こいつなら必ず返してくれると信じているから、安心して渡せる。

 う~む。言われてみれば、たしかに萌える行為かもしれん。

 考えてみれば、ダイビングには他にもいろいろ萌える行為があるような……。
 たとえば、溺れたバディを海面でボートに運ぶとき、泳ぎながら人工呼吸をしつつ、器材を外していったりします。さらに船に上げたあと、心臓マッサージをするのに、じゃまなウエットスーツの胸元を切りさいてはだけさせるとか。

 もっとも南野の場合、これらの行為をするにしても、萌えるのは相手が美女のとき限定ですから。男じゃ萌えません。

 ちなみに南野、バディブリージングのトレーニングは男としかやったことがありません(そもそもほとんどやったことない)。美女とやるチャンスはありませんでした(しくしく)。


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南野図書館、とりあえず順調です

2007-04-18 23:40:42 | 作家への道
 南野の別ブログ「南野図書館」を開館してからほぼ一週間たちましたが、オンライン小説検索サイトに登録しまくったおかげで、けっこうなお客さんが来てくださっています。
 検索エンジンにも、強い弱いがあって、一番お客さんを引っぱってきてくれるのが、NEWVELさん、ついでノベルウッドさん、カオスパラダイスさんというところでしょうか。
 これはどうも、サイトの大小だけではなく、先に登録した方が強いような気がします。たぶんオンライン小説の愛好家の方は、複数の検索サイトをはしごしているのではないでしょうか?
 だから、あとから登録したところで名前を見ても、「これは他のところで見た」ってことになっちゃうのかもしれません。(いえ、なんの根拠もありませんが)

 それと、「南野図書館」もついに検索に引っかかるようになりました。きのうはヤフーからおいでの方がいます。
 検索ワードは「二挺拳銃お姫様」。
 ううむ。どういう経緯で、そのワードで検索を?
 なんだよ。ジグザグで読んだ「二挺拳銃お姫様」、おもしろかったのに途中で終わってんじゃねえか? 続きはねえのか?(南野の勝手の妄想爆発中)
 そういう思いで検索してくださったのなら、ありがたいかぎりです。

 ただこのサイト、順調とはいえ、もともと「二挺拳銃お姫様」を載せるためだけに作ったようなものです。そのうち、新しい読者の方が来なくなるのは目に見えています。
 そこで、「南の海のワナビ」の記事の中で、南野がとくにおもしろいと思ったものをときどき引っぱっていくことにしました。
 題して、「南の海のワナビ・セレクション」。
 ときどきといいながら、もう三日連続で引っぱってってますが。

 まあ、気が向けば新作もアップしたいと思います。
 とりあえず、候補としては、一度WEBに晒した「正義の味方は三時から」でしょうか?
 ジグザグで連載してるときには見逃しちゃったけど、「正義の味方は三時から」を読んでみたいって方、いますでしょうか?
 もしおいでなら、コメント欄にリクエストしてみてください。
 約束はできませんが、善処したいと思います。


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Xファイルはミステリーのアンチテーゼか?

2007-04-17 23:54:31 | アメリカドラマ
 ちょっと古いけど、アメリカドラマを語る上ではずせないものに、「Xファイル」があります。
 ご存じ、超常現象を肯定するモルダーと、非科学的なことを信じないスカリーのコンビによる事件簿です。
 UFOだの、宇宙人だの、怪物だの、そういう常識では考えられない事件が続発し、それを解決していく話です。
 よくもまあ、次から次へと、非日常的な事件が日常的に起こるもんだ。とつっこみのひとつも入れたくなりますが、それはお約束ということで、納得するしかないでしょう。

 ただ、南野がちょっと納得できないことがあります。それはこのドラマが世間一般では、ミステリードラマとしてとらえられているのではないかということです。
 南野の定義では、これは断じてミステリーではありません。
 なぜなら、謎に対して、合理的な解決がないからです。

 そうとう古い話ですが、南野は怪人が出てくるミステリーというと、真っ先に思い出すのは「怪人二十面相シリーズ」です。
 このシリーズには、それこそ「透明怪人」やら「青銅の魔神」、「宇宙怪人」、「夜光怪人」など、変な怪人が次から次へと出てきます。そいつらは少年探偵団を恐怖のどん底に突き落としますが、最終的には明智小五郎によってその正体を見やぶられるわけです。
 彼らのやることは、一見どんなに不思議なことに見えても、トリックがあります(いや、かなりいいかげんなものとか、それってありかよ? ってもんもありますけど、とにかく合理的に解き明かそうとはしているわけです)。
 それがミステリーってもんです。
 怪人が飛ぼうが、消えようが、なにしようが、それは人間がなんらかのトリックを使って演出していなければならないのです。(出来不出来はともかく)
 Xファイルはその点どうでしょうか?
 なにか不思議な怪事件が起きて、解決してみたら不思議な怪物が犯人だった。
 これではミステリーではなく、SFです(南野定義)。

 いや、べつにSFだからだめだとか、SFよりもミステリーの方がえらいとか言ってるわけじゃありません(南野はミステリーの方が好きですが、それはあくまで個人的な好みにすぎません)。
 初めのうちはミステリーのふりをしていて、不思議だろ、不思議だろ? とふっておいて、解決したらじつはSFだったでは、怒りますが、最初からそういうものだとわかっていれば、問題ありません。
 そして、Xファイルとはそういうドラマなのです。
 これは主役が超常現象肯定派のモルダーであることからそうならざるを得ません。

 それでは第二主人公のスカリーが主役になったらどうなるか?
 きっとこうなります。

 連日起きる不思議な怪事件。相棒の変人モルダーは、「犯人は宇宙人だ」とか「吸血鬼だ」とか、言い張って聞きませんが、美人捜査官スカリーは物証を集め、快刀乱麻を断つがごとく論理的に事件を解明する。

 え? そんなXファイルは観たくない?
 そうですか? 南野は激しく観てみたいんですけど。

X-ファイル ファースト・シーズン DVDコレクターズ・ボックス

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日米対決、「コールドケース」対「ケイゾク」

2007-04-16 18:36:31 | アメリカドラマ
 若い女性(美人)の刑事が主人公で、現在進行形の事件ではなく、過去に起こった忘れられた事件を解決する話。

 あなたはこう聞いて、どんなタイトルを思い出すでしょうか?
「コールドケース」と答えた人は、けっこうマニアックかもしれません。
 あるいはアメリカドラマに嵌っているんでしょう。

 日本人なら、普通「ケイゾク」と答えるはずです。(いいのかな、言い切っちゃって?)

 放送時期は、日本の「ケイゾク」の方が先です。かといってべつに「コールドケース」が「ケイゾク」をパクったとも思えませんが。
 そもそも、このふたつのドラマ、基本設定だけ比べれば驚くほど似ているのに、ドラマ全体から受ける印象はまるでちがいます。
「ケイゾク」のキャラの方がマンガチックで、「コールドケース」の方が現実路線なのですが、これは「コールドケース」が刑事ドラマなのに対し、「ケイゾク」が本格ミステリー風を目指したせいかもしれません(本格ミステリーの名探偵には変なやつしかいませんから)。

「ケイゾク」の柴田純(中谷美紀)は、東大卒のキャリア警官で、ずば抜けて頭がよいかわり、おっとして、風呂嫌い、おしゃれに興味がないという変わり者。相棒の真山にさんざん馬鹿にされたり、頭を叩かれたりしてます(キャリアなのに)。
 真山にしても、たんなるぶっきらぼうなキャラかと思えば、かなりエキセントリックなキャラです。
 初期のころ、犯人が最後に言い訳したり、開き直ったりしたとき、犯人に対して、ぶち切れる真山が、個人的にはツボでした。
 ぜんぜん頭がよさそうに見えない柴田が、不思議な難事件を解決して、開き直った犯人を真山が暴言を吐きながらぶちのめすという、初期の設定が好きでした。
 後半は一話完結ではなく、ひとつの話を長く引きずるようになりましたが、ちょっと変な方向に行きすぎたと思います。そのへんをもうちょっとうまくコントロールしていれば、歴史に残る傑作になっていたかもしれません。
 もっともトリックの方は、それどうよ? っていうのも少なくありませんでした。
 たとえば、マンションで相手を別の部屋に入れる錯覚を使ったトリック。
 あんな大がかりなことやれば、マンション中の人にばれるだろう。
 あるいは、細長い棒を使って、ドアのすき間からドアチェーンをかけるトリックがあるんですが、ドアが開いた状態じゃ、絶対にドアチェーンはかかりません。(長さが足りないんです。試してみればわかります。もしかかるようならそれは設計ミスです)
 でも、まあ、多少の不満はあっても、ミステリーマニアには楽しいドラマでした。

 一方、「コールドケース」の方は、非現実的なややこしいトリックなどいっさい出てきません。キャラも主役のリリーはじめ、どこにでもいそうな普通の刑事です。
 やはり、こっちの売りは、当時の世相を反映した人間ドラマでしょう。
「ケイゾク」の場合、過去の事件といっても、たんに迷宮入りしたというだけで、事件に当時の時代性はありません。
「コールドケース」の場合、「ケイゾク」よりも古い事件が多いということもありますが、戦争や人種差別など、当時の社会問題を番組を通じて暴き出そうとしているのです。
 事件が解決することで、とまったままだった人間関係も収束していく。そういうおもしろさを狙ったドラマだと思います。
 さらに、当時流行った音楽を、ドラマ全体にちりばめるのがもうひとつの売りです。
 これは「ケイゾク」にはない発想でした。
 人間、昔流行った歌を聴けば、当時のことを思い出してしまうものですから。
 事件の時代性を狙った「コールドケース」では当時の音楽は強い武器になるはずなのです。
 ただ、DVDが出せないのは、そのせい(版権が絡むから)ではないかと、なにかの記事で読んだ記憶がありますが。

 まあ、どちらもおもしろいのですが、南野がどちらかひとつを選ぶとすれば、やはり「ケイゾク」の方でしょう。
 キャラのおもしろさで引っぱってくれることと、南野の好きな本格ミステリーを扱っているせいもあります。
 ただ「ケイゾク」は終わったドラマですが、「コールドケース」はたぶんセカンドシーズン以降も続くと思いますので、興味がある人は観てみたらどうでしょうか?

ケイゾク DVDコンプリートBOX

キングレコード

このアイテムの詳細を見る


ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「CSI」は本格ミステリーか?

2007-04-15 11:06:56 | アメリカドラマ
 アメリカドラマにとって、「ザ・プラクティス」や「フレンズ」はいかにおもしろかろうと過去の作品です。では、最近のもので南野がよく観ているものはといえば、やはりこれでしょう。
「CSI」シリーズ。
 鑑識課だか、刑事だかよくわからん連中が大活躍するあれです。(いや、だって聞き込みしたり、拳銃ぶっ放したりするし)
 いや、ドラマだし、フィクションなんだから、べつに地味に証拠の解析だけやってる必要もないと思うんですが、一応、CSIって科学的な見地から証拠を集めて解析するのが仕事ですよね?
 ちょっとだけ、突っこみたくなります。
 とくにマイアミのホレイショ。毎回、銃は撃つわ、犯人脅すわ、先頭切って現場に踏み込むわ、刑事に命令するわ、おまえ、ほんとに鑑識課か?
 いや、まあ、べつにおもしろいからいいんですけど。

 このシリーズ、みっつありまして、本家のラスベガス、つづいてマイアミ、一番新しいニューヨークとそろっています。
 南野の好みとしては、やっぱり本家のラスベガスが一番でしょうか?
 一番鑑識課っぽいですし、主任のギル・グリッソムがちょっと変わってていい。
 昆虫マニアで女っ気なし。仕事マニア。
 う~む。なんかこの人が一番オタクっぽいですね。けっして戦ったりしないし。
 他のメンバーも、一番鑑識課の道から足を踏み外してないような気がします。

 その反動というか、ちがうことをやろうとしすぎたのか、マイアミでは全員が銃を持って現場に踏み込むのはあたりまえ。なんか、ほんとにメンバー全員、銃ばっかり撃ってるイメージがあります。
 なにせ、弾丸ガールなんて異名のカリーがいますし、スピードルは犯人と撃ち合って殉職しますし、ウルフだってびびって犯人を撃てなかったエピソードとかあります。
 全体のイメージとしては妙に明るくてアクティブ。デルコなんてしょっちゅう海に潜ってますし、昼間の事件ばっかりで、なぜかいつもピーカン。
 ホレイショのバックには、いつも青い空とぎらつく太陽があるようなイメージがあります。
 ううむ。ひょっとしたら、このシリーズが一番好きなのかな? 一番つっこみどころ満載なんですが。

 ニューヨークは最初見たとき、えらくダークで重い感じがしました。
 これも、マイアミとちがうことをやろうとしすぎたのか?
 つねに太陽しょってるホレイショと対照的に、ニューヨークの闇をうごめく、マック。なんか、そんなイメージが……。
 評判悪かったのか、セカンドシーズンからやけに明るくなったような気もしますが。

 雰囲気はかなりちがいますが、このみっつのシリーズに共通するのは、推理や論理で犯人を追いつめるのではなく、あくまでも証拠を第一とすることです。
 だからメンバーはみな、証拠集めに遁走します。
 一方で、本格ミステリーというジャンルがあります。
 こっちは論理で犯人やトリックを特定するのが醍醐味。このジャンルでは、科学捜査はむしろ邪魔なのです。
 指紋はともかく、DNAや発射残渣、弾丸の線条痕などで犯人を特定されれば興ざめです。だから本格ミステリーの書き手たちは、知恵を絞って、警察がこれない閉鎖状況を作り出すとか、警察が来る前に事件を解決させるとか、時代設定を昔にするとかするわけです。
 ところがCSIシリーズでは、これを完全に逆手に取りました。積極的に最新の科学操作技術を導入したのです。
 その結果、名探偵が論理で犯人にたどり着くおもしろさ、あるいは視聴者が探偵といっしょに犯人を推理するおもしろさはなくなりましたが、その代わりに、いかに微細な証拠から犯人にたどり着くかという新しいおもしろさが生まれました。
 視聴者は新しいミステリーの形を突きつけられたわけです。
 そういう意味で、このシリーズは意味があります。
 ただし、みんな右ならえで、科学捜査ばかり重要視するようになると、元来のミステリーファンにとっては、つまらなくなると思うのですが。
 平行して、名探偵が論理で犯人をつきとめる話も、進化していってほしいと思います。

Csi: Crime Scene Investigation - Seasons 1-4



このアイテムの詳細を見る

Csi: Miami - Three Season Pack (21pc) (Ws Box)



このアイテムの詳細を見る

Csi: New York - The First Season (7pc) (Ws Chk)



このアイテムの詳細を見る



ブログランキングに一票お願いします
  ↓ 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする