受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

板間 大引据付

2006年06月20日 | Weblog
晴天が続いていますので、屋根葺きと内部での木工事が平行して行われています。

板の間の土台の上に、大引を据え付けました。
大引は、外陣・内陣と同じ105mm角です。

屋根工事は、妻の上部にある箕甲付近が進んでいます。

素丸瓦

2006年06月19日 | Weblog
梅雨の中休みで、夏のような青空が広がりました。

昨日作業した平瓦の上に、素丸瓦を取り付けてました。

屋根の中ほど瓦に高さが有り、上部と下部が低くなって、一つ一つ曲線がつけられています。



瓦の曲線

2006年06月18日 | Weblog
日曜ですが、梅雨の中休みの曇り空で、瓦職人さんの作業がありました。

妻部分を上から見ましたが、破風と箕甲と平部がそれぞれに曲線が異なっています。

平部の飛鳥瓦は、2枚が一体になっていますが、袖部分は一枚一枚を重ねています。

旧本堂では、もっと単純でしたので、どのようになるか楽しみです。


良い屋根

2006年06月16日 | Weblog
一般に良い屋根を造るには瓦葺職人・瓦・予算がそろえばよいというのが通念になっているが、それだけでは駄目で、まず野地の良否が瓦屋根の格好に多大の影響を及ぼすのである。

ある本瓦葺きの教科書の、最初の言葉です。

美しい勾配がある寺院の屋根ですが、その下には複雑な作業で、野地が作られています。

その上に瓦を糸や水準器使い、一枚一枚を葺土で安定させて、丁寧に葺いていきます。

荒壁付け終了

2006年06月15日 | Weblog
高知県内は朝から大雨で、屋根葺きは有りません。

堂内の竹小舞(たけこまい)に荒壁を付ける作業は、北外壁・余間・内陣・板の間・南外壁へと進み、今日の外陣で終了しました。

竹小舞だけでも、外の明るさがぼんやりと暗い堂内を照らし、中にいるとしっかりと編んだ竹篭の中のようで、雰囲気が良かったです。

今日から明日にかけて、奈良県花岡静人師を迎えての受法寺永代経法要です。

職人

2006年06月14日 | Weblog

今日の高知新聞には、土壁の下地の「小舞(こまい)」を簡単に作る方法を考案したという、記事がありました。
ベニヤ合板に直径20―30ミリの円形の小穴を配列する新しい小舞を考案されたということ。
土壁の良さは見直されていますが、小舞の時間・経費・職人の減少などの問題を解決する方法との画期的な方法のようです。

木造の伝統建築の良さについて認識が高まっています。
この本堂建築でも、石工・大工・小舞職人・左官・瓦葺職人などが携わり、それぞれの技を納得できるまで発揮して、何百年もの雨風に耐える建物が完成されようとしています。

受法寺山門の掲示板に、次のように書きました。

多くの職人たちはその名を留(とど)めずに、この世を去ってゆきます。
しかし彼らが親切に拵(こしら)えた品物の中に、彼らがこの世に生きていた意味が宿ります。
                                                        
                                                                                          柳宗悦(民芸評論家)

民芸品についてのことですが、職人が技を凝らして造られ建物は、工業製品で成り立っている物とは異なり、次の世代でもその美と精神は残れされていくことでしょう。


屋根平部

2006年06月13日 | Weblog
本堂正面・東側の屋根平部の瓦葺きを終了。

これまでのゴムアスルーフィングに本瓦風の瓦が載りますと、ぐっと重厚感が増し、美しい屋根勾配がはっきりと形を現しました。


箕甲(みのこう)台座

2006年06月12日 | Weblog
寺院建築の入母屋の屋根の特徴は、反りのある屋根の曲線です。

その反りの美しさを出す為に、妻の破風板は曲線を持ちますが、箕甲とよばれる屋根の端にある曲面部と反りの違いがある為、箕甲瓦は台座を付けて処理する事になります。

この台座の取り付けは、瓦職人さんの仕事となり、一日をかけて妻の箕甲に台座を取り付けました。

左官さんも、堂内の内陣・余間は終了し、南妻の荒壁付けにかかりました。

1140℃

2006年06月10日 | Weblog
南北西側の屋根はほぼ葺き終わり、東側と、隅棟部に取り掛かりました。

本瓦葺風の飛鳥2号は、横桟に加え縦桟木を打ち、瓦を一枚一枚はめ込み、釘を打ち込んでいきます。

瓦が合わさる隅棟部は、ただ製品を重ねるのではなく、電動カッターや電動ドリルで形を整えていきますので、時間がかかります。

飛鳥2号は、一般の1000℃以下の瓦と違い、1140℃という高温で焼いているとのことで堅固で作業も大変そうでした。