夫から「向田邦子 ふたたび」という文芸春秋の文庫本を借りて読みました。今年は彼女の没後30年です。あれから30年も経ったんですね。私は昭和32年12月生まれだから当時22歳。一浪していたのでまだ大学生。
倉本聰、山田太一と並び、当時最も注目する放送作家でした。私は彼女にあこがれて放送作家の勉強を始めたくらいです。六本木の放送作家教室に2年くらい通ったかな。
先日はBSプレミアムで、猫をテーマにしたシリーズがあり、その一つが向田邦子の愛猫マミオの話。面白かったです。
今日から彼女の代表作「阿修羅のごとく」の全3話が放送されます。録画予約しました。衝撃的なドラマでした。
彼女は昭和4年生まれ。私の母とふたつしか違わなかったのに、まるで時代が違うかのように思えるのはなぜ?
生き方は年齢も超越してしまうってことかも。あーあ、更年期で腰痛に悩まされ、去年までは悪がき追いかけて走り回っていたのに今は走ることもできない私は、一年で10歳年取ったみたいです。
あこがれた世界だけど、視聴率とスポンサー、時間との戦いは壮絶だったことでしょう。まるでデイトレードのようなきりきりした焦燥感があるのでは?やはり、あの世界に入れなくてよかったと今は思います。
本当、今のドラマはつまらなくなりましたね。下請け下請けで予算削ってひどいものばかり、物作りの基本を忘れている。その違いを確かめるだけでも、ぜひ、多くの人に私が若い頃に夢中になったドラマを見てもらいたいです。向田さん、30年後のあなたの世界がこうなってしまっていること、どう思うかしら?それとも、彼女はすでにドラマに見切りをつけて小説家として生きる矢先だったのかもしれませんね。ガン再発の恐怖はいつもあったはず。突然の事故は、私にはカセットテープが途中で切れてしまったような終わり方でした。