東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

阪急トラベルサポート団体交渉報告

2008年12月12日 13時00分55秒 | 添乗員・旅行業界
日弁連
<貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が人間らしく働き
生活する権利の確立を求める決議>

「第7提言の4、違法行為の根絶に向けた監督体制の抜本的強化
わが国の職場では、労働契約法や労働基準法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法や育児介護休業法などの最低限労働者の労働条件や生活権を保護するための法律すら守られない状態が蔓延し拡大しており、労働者の権利侵害は深刻である。よって、国は、違法行為に対する罰則を強化し、労働基準監督署の指導監督のための組織・人員体制を強化するなど、違法行為の摘発し監督する体制を強化し、使用者に現行労働法規を遵守させるためのあらゆる実効ある措置をとるべきである。」

伊藤隆史弁護士は日弁連「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が人間らしく働き生活する権利の確立を求める決議」に沿って、添乗員の人権確立のため行動してください!

12月11日、全国一般東京東部労組HTS支部と阪急トラベルサポートとの第22回団体交渉が行われました。
組合側からは塩田委員長はじめ6名、会社側からは伊藤隆史弁護士、田中東京支店長はじめ4名の出席でした。

<日弁連「人権擁護大会決議」について>
組合は、日本弁護士連合会(日弁連)が今年10月3日に富山で行った「人権擁護大会」において決議した「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が人間らしく働き生活する権利の確立を求める決議」についての伊藤隆史弁護士の見解をただしました。

同決議は、現在の日本のワーキングプア・貧困の現状、それを解消するために派遣法の抜本改正や使用者に労働関連法規を遵守することなどを求める決議です。

(こちらで全文が見られます)

経営者側の弁護士も所属している日弁連が決議したということで、非常に意味の大きな決議です。

もちろん伊藤隆史弁護士も日弁連に所属しています。

組合:「そもそも伊藤隆史弁護士はこの決議を読んでいるのか」 伊藤弁護士:「読んでいないし、この決議自体知らない。そもそもなぜ団体交渉でこれが議題になるのかがわからない」

同決議には、使用者(企業)に求めることとして
「使用者は、労働関連諸法規を遵守するとともに、雇用するすべての労働者が人間らしく働き生活できるよう、雇用のあり方を見直し社会的責任を果たすべきである」と述べています。
また、使用者に強く求めることとして、
「使用者の社会的責任国や地方自治体を含むすべての使用者は、労働関連諸法規を遵守して違法行為を行わないのは当然のこととして、安定した雇用の実現、教育訓練の実施、福利厚生の充実など、雇用するすべての労働者が人間らしく生活できるよう、雇用のあり方を見直し社会的責任を果たすべきである」と提言しています。

★日弁連「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が人間らしく働き生活する権利の確立を求める決議」概要は以下の通りです。
第1 はじめに
 1 貧困の拡大
 2 第49回人権擁護大会決議との連続性
第2 ワーキングプアの拡大
 1 ワーキングプアとは
 2 拡大するワーキングプア
第3 ワーキングプア拡大の要因
 1 労働規制の緩和と非正規雇用の急増によるワーキングプアの拡大
 2 脆弱な社会保障制度と構造改革による社会保障費の抑制
第4 ワーキングプアに関連する法制度の問題点
 1 労働法制
 2 社会保障制度
第5 すべての人が人間らしく働き生活する権利の保障
 1 ILOフィラデルフィア宣言
 2 ディーセントワーク
 3 人間らしく働き生活する権利
第6 当連合会のこれまでの取り組み
第7 提言
 1 正規雇用を原則とする労働政策及び労働法制の確立
 2 均等待遇原則の確立
 3 最低賃金の大幅な引上げ
 4 違法行為の根絶に向けた監督体制の抜本的強化
 5 社会保障費の抑制方針の見直し、社会保障制度の抜本的改善等
 6 使用者の社会的責任
第8 弁護士及び弁護士会の今後のワーキングプア問題への取組み
すべての人の人間らしく働き生活する権利を確立することは、人権擁護をその使命とする弁護士に課せられた責務である。

組合はこれについて伊藤隆史弁護士の見解をただしました。
伊藤弁護士:「団体交渉で個人的な見解を述べるつもりはない」 組合:「会社側の代理人弁護士として見解を聞きたい」 伊藤弁護士「会社は法律違反・違法行為をしていないので、この決議はあてはまらない」。田中支店長の答えも同じでした。
組合:「昨年10月1日に三田労基署から是正勧告指導が出ているではないですか。それは違法行為があったからではないですか。会社はいまだに是正勧告指導に従っていないではないですか」 伊藤弁護士:「行政が常に正しいとは限らない」

改めて伊藤隆史弁護士の回答は驚くべきものです。日弁連に所属する弁護士として、自身の活動をかえりみて思うところはないのでしょうか。

また、伊藤隆史弁護士は決議にある「働いても人間らしい生活を営むに足る収入を得られないワーキングプアが急増している。年収200万円以下で働く民間企業の労働者は1000万人を超えた」という文言をとらえて、「添乗員は年収200万円を超えているのでワーキングプアではない」という驚くべき発言をしてきました。

そもそもワーキングプアという言葉は「働いても人間らしい生活を営むに足る収入を得られない」ということなのではないでしょうか。「添乗員はワーキングプアではない」と堂々と、誇らしげに言う伊藤隆史弁護士、会社の認識はまったくもって理解できません。添乗員の現状をまったく理解していないと言わざるを得ません。

<「集会」「みなし賛成署名集め」について>
組合からはまず11月27・28日に行われた「集会」について問いただしました。
この「集会」にはアサイナーでもあり日当の査定にも関与している会社の「従業員代表」が出席しており、会社の「関与」も疑われるところであり、そうであれば「会社を訴えるのはモラルに反する。子が親を訴えるというのはどうかと思う」などの発言が東部労組に対し浴びせられていることから、会社が「関与」しているとしたら労働組合法7条に該当する「不当労働行為」となりますが、会社は「一切関与していない。彼はあくまでも従業員代表として出席した。問題はない」と回答しました。

しかし、この「集会」は午後1時から3時までの間に行われており、「業務時間内」に行われていることになります。そして会社は「集会」に出席した「従業員代表」にその時間分の賃金を支払っているのです。それはとりもなおさず「業務」として「集会」に出席した、ということにならないでしょうか。

改めて会社・伊藤隆史弁護士に訴えます。添乗員の状況を直視してください!
全国の添乗員のみなさん、このような阪急トラベルサポートの態度に対し抗議の声を組合といっしょにあげていきましょう!

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31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヤマト運輸労働者)
2008-12-13 01:03:41
団交お疲れ様でした。

日弁連の決議は会員であるならば当然知りえているはずです。会社側の手前言えなかったのでしょうか。

それにしても会社の弁護士とは悲しいものですね。

弁護士を志す人はだれしも「困っている人の役に立ちたい」「正義のために仕事をしたい」という思いで厳しい試験をパスするはずです。

会社弁護士はもう一度弁護士としての初心に戻り自分が行っていることを問うべきです。

そして、過酷な労働環境で働く添乗員さんたちに対して誠実な対応をすべきです。
返信する
偶然見つけました (Unknown)
2008-12-13 01:07:43
偶然見つけました。
コメント
「こんにちは。
私も昨晩の集会に「明日は我が身」という心構えで参加してきました。
一番心が痛んだ訴えは、阪急交通社の海外旅行の添乗員として派遣されている「もっぱら派遣」の女性の方の訴えでした。
この女性の訴えを阪急グループの創業者である故小林一三氏が聞かれたら、何と言われるでしょうかね。」
http://blog.iwajilow.com/?eid=908008
返信する
Unknown (某J)
2008-12-13 06:58:05
Jのグループ会社の名ばかり管理職です。

うちの会社も、社長が「最大の経費は人件費だ」といってはばからないですからね。

一方、グループ本社の事業運営計画を読むと、人材のことを「人財」って書いてるあるんですよね。本来サービス業にとって社員は財産のはず。

頭では分かってるけど、目の前の数字に追われている現場には届かないんですかね。
返信する
どこも同じ (大阪トラサポ)
2008-12-13 07:33:06
阪急交通社、そして母体である阪急電鉄、ともに理想は高いけれども、やれ法令遵守やお客様の心に届くとか経営者の理想と現場の実態はかけ離れています。少しは足元を見ないと本当に足下を掬われて転げますよ
返信する
アメリカ大統領 (添乗員)
2008-12-13 14:17:44
アメリカで初めての黒人大統領オバマさんが選ばれた。
キング牧師暗殺が象徴しているが、ほんの最近まで、差別撤廃の活動を続けた心ある少数の人々に対し、心ない多数の人々の心ない迫害やいじめは数限りなく起きた。
しかし、結局は真理が勝利した。
返信する
私たちはいつまでも皆様の味方です (現役添乗員)
2008-12-13 14:51:06
↑↑同感です。
私たちはいつまでも皆様の味方です。
私たちは某社の派遣添乗員です。以前から私の会社の多くの添乗員の間で、このブログが話題になっています。
多くの同僚が皆、みなし賛成署名には憤りを覚えています。ひどいことするものだと言っています。
皆様を孤立させ添乗員の声を押さえつける目的なのでしょう。いじめそのものです。
でも、私たちのような添乗員が多くいることも忘れないで欲しいです。
それに今理解してくれない方もきっといつかは分かり合えると信じています。
またカンパします。
どうか頑張ってください。
返信する
コメントは重要 (阪急交通社社員)
2008-12-13 17:51:41
阪急交通社も毎日このブログを見ています。管理職同士の会話にも出てきますす。ですから添乗員の皆様の声を大量にコメントであげることこそが大切だと思います。皆様の声は着実に世論を作っています。もちろんブログ本体もですが、皆様のコメントそのものを無視できなくなっていると言っても過言ではありません。一方でみなし賛成署名のような露骨な抵抗も出てきていますが負けないで頑張って頂きたいと願っております。
返信する
いつもこのブログを役立てています。 (o.m)
2008-12-13 19:35:13
インターネットで外地にいても新しいニュースをキャッチできる様になったとは言え、このブログに目を通していないと深層はわかりません。


低開発国並の日本企業の人権に対する認識の低下が日本国内に蔓延し、「フランス国においてもそれが通じる!」位の日本企業の傲慢さ、先進国には通用しない事を私達在仏旅行業務員も全身全霊をかけて証明しなくてはなりません。

日本の大手メディアの一般報道だけ見ていると
「添乗員に残業手当が支給される事になった!」「派遣法が改正される事になった。」等々、少しづつ前進している様に聞こえますが このブログを通して詳しい解説、この日弁連の見解等を読むと結局骨抜きのニュースに 一般は惑わされている。と、私は感じます。

私達は日本の旅行業界で永年働き、肌で日本の業界の違法性を感じて来ました。理不尽な事、納得の行かない事 フランスの労働法を通して日本の業界の違法性を解明して来ました。
昨年9月、日本の旅行会社が利用する日本語ガイド・アシスタント派遣会社について、日本式人材派遣もそれを利用する旅行会社も違法であると判決が出ました。にもかかわらず、今年は僅かに残っていた正式雇用あるいは正式雇用される権利を有していたANA S3名と JALPAK6名の接客業務員が会社の経済的な理由による一方的な解雇が行われ、これだけ日本国内で、偽装下請け 日雇い派遣等が問題視される中、95年当時2~3百人いた正式雇用者あるいはその権利を持っていた接客業務員は今年は残すところJTB姉妹会社の2名のみとなりました。
残る仕事は、フランスでは違法の人材派遣を行う偽装下請け会社に回され、時給9,8€(社保税込み)「みなし労働時間」2時間で働くワーホリ学生さん達のアルバイト仕事と化してい行きます。

私達も人間らしく働き生活する権利を最後まで諦めず主張し続けます。
共に頑張りましょう!
返信する
普通の法律を守ってほしい (国内添乗)
2008-12-14 07:58:35
寮にいた同僚が重いうつになりついに退職しました。他人事とは思えません。
同僚は出発時間を寝坊してしまって30分遅刻してしまったのです。
お客様からも会社からも怒鳴られ、ものすごく怒られました。添乗員失格だと。
私も同僚も地方出身で、現在は東京近辺のある派遣会社の寮に住み込みです。国内旅行専門です。11月は1日のツアーから始まる休みなしの新潟方面の連添で10日まで続きました。前泊は長岡の駅前のビジネスホテルです。朝5時半から帰りは10時を過ぎます。つまり、17時間労働。これを10日間。
運転手さんは石和で交代ですが、添乗員は交代無し。
会社はバスの中は寝ていいから休みみたいなことをいい、バスに乗っているのがほとんどだとしても、私たちだってこれだけ長時間だとぐったりです。それに気を使って過ごす17時間って、どれだけ疲れることか。
それを10日間ぶっ続け。それでいて仕事はない時は何の保障もありません。寮費はしっかり取られるのに。
毎日17時間労働でも遅刻すれば叱責される仕事。仕事だから絶対遅刻はいけないけど、17時間はいいの。変です。何かが。
普通の法律通りにしてほしい。みんな体も心も生活も破壊されています。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-12-14 15:21:23
日雇い労働の方のお話が連日新聞・テレビで報道されていますが、時々添乗員の方がもっとひどい目にあってるよなーとつい思ってしまいます。
早朝から深夜まで一週間も十日も休憩なしで働き続け、アンケートで拷問を受け、精算でいじめを受け、仕事が無い時期を「お休み」と呼ばされ、わずかの保障すらなく、病気、・けがをすればおしまいです。
日雇い労働派遣ではなく、れっきとした専門職派遣である添乗員の方がもっとひどい実態であることも、この機会にあらゆる機関に報告していきましょう!
返信する

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